2021年1月22日金曜日

映画『レフト・ビハインド』(米国、2014年)ー きわめて特殊なキリスト教の世界観を映画化したこの作品は、現代米国研究のために視聴すべき


映画『レフト・ビハインド』(米国、2014年)という映画を昨年(2020年)末のことだが amazon prime video にて視聴した。視聴時点では、会員は無料だったから。

どういうジャンルに分類したらいいのかよくわからないが、きわめて特殊なキリスト教の世界観を映画化したものだ。楽しみのためでなく、研究のための視聴である。 

あらすじを amazon prime video から引用しておこう。 


その日突然、数百万を超す人間が姿を消した。世界中でライフラインが機能を停止、地上は未曾有の混乱状態に陥り暴動が勃発する。一方、高度30,000フィートの上空でも同様に、ジャンボジェットの機内から大量の乗客が、着ていた衣服と荷物を残して忽然と姿を消してしまう。管制塔との連絡は途絶え、乗客たちがパニックを起こす中、彼らの命を預かるパイロットのレイは・・・。


映画は、米国ならどこにでもあるようなショッピングモールの光景がしばらくつづいたあと、舞台は暗転する。突然、一瞬にして人間が蒸発してしまったのだ。持ち物や衣服を残したまま・・

タイトルの「レフト・ビハインド」(Left Behind)は、直訳すれば「取り残された(人びと)」ということになる。どうやら、蒸発した人びとは、天国(Heaven) に召されてしまったようなのだ。 





なぜ、こんな内容の小説が6,500万部も売れたベストセラーになるのか、ごくごく平均的な日本人である私には理解しかねるが、これは「前千年紀再臨説」(Pre-Millennialism)をベースにしたものであるという。  

人間が突然蒸発してしまう現象を、日本語で「携挙」(けいきょ)というらしい。英語だとラプチャー(rapture)だ。関心のある人は、Wikipediaで調べてみてほしい。

「携挙」(ラプチャー)されたのは「幸運な人たち」であり、キリスト再来の折にはふたたび地上に戻されるのだ、と。まあ、そういう主張である。

私が関心をもっているのは、なぜ米国ではこんな小説が売れ、しかも映画化され、しかもニコラス・ケイジのような著名な俳優が熱演しているのか、ということだ。 

米国という国が、いかにわれわれの「常識」からはずれた異様な国であるか、今回の大統領選の報道をつうじて感じている人も少なくないと思う。なにも「Qアノン」のような陰謀論だけが猛威を振るっているのではないのである。 

現代米国研究の一環として視聴してみる価値はあると思う。エンターテインメントとしてはよくできた作品である。ただし、映画の評価そのものとは別個に考えるべきだろう。アタマで理解するものと、ココロが受け入れる価値観は別物である。


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<参考図書>

・・とくに「携挙」(けいきょ)について知りたければは、この本を読むとよい。アタマで理解することは可能だろう。

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