2023年4月15日土曜日

「自助論」=「セルフヘルプ」=「西国立志編」。『超訳 自助論 自分を磨く言葉』(三輪裕範編訳、ディスカヴァー・トゥエンティワン、2023)

 
ディスカヴァー・トゥエンティワンの「超訳シリーズ」の新刊は『超訳 自助論 自分を磨く言葉』。 

といっても、わたしがやったわけではありません(笑)。編訳者は三輪裕範氏。ハマトンの『知的生活』の「超訳」も手がけられているビジネスマン出身の著述家。 

『自助論』はそのものズバリのタイトル「セルフヘルプ」(Self Help)で、「自己啓発書」の原典ともいうべき本。19世紀前半の全盛期の大英帝国を中心に、西洋社会の古今の人物の立志伝を集めた教訓集。 

なんといっても、もっとも売れたのが本国の英国ではなくこの日本『西国立志編』のタイトルのもと、中村敬宇(正直)の訳で累計100万部を越える超ベストセラーでロングセラーに。 

個人的には、この中村正直による明治時代初期の漢文読み下し文の訳がリズミカルでよいと思いますが、いかんせん現代人にはなじみにくいかも。「超訳」のほうがベターでしょう。


 『自助論』といえば、かの有名な「Heaven helps those who help themselves.」(天は自ら助くる者を助く)ですが、このフレーズは、もともとフランクリンの「God helps them that help themselves. 」(神は自ら助くる者を助く)がオリジナル。1733年版の「プア・リチャードの暦」が初出。 

God(神)が Heaven(天)に変えられたわけです。そのおかげで、当時の日本人も素直に受け止めることができたのでしょう。『西国立志編』の訳者の中村正直は、もともと幕末期の幕府儒官で、英国留学を経てキリスト教徒になった人でした。 




 


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