昨日(2024年3月27日)は晴天となったので、上野でミュージアム(美術館・博物館)めぐりを行うことにした。
1. 「大吉原展」(東京藝術大学 大学美術館)
2. 「子どもの本の夜明け 帝国図書館展」(国立国会図書館国際子ども図書館)
3. 「特別展 中尊寺金色堂」(東京国立博物館本館)
以上が本来の目的であったが、あらたな情報を知って、上野から駒込に移動。
4. 「キリスト教交流史 ー 宣教師のみた日本、アジア」(東洋文庫ミュージアム)
5. 「六義園」(駒込)
徳川時代の江戸から始まり、明治大正の東京、そしていきなり古代に戻って東北、そして戦国時代末期、そして徳川時代前半へと、日本がテーマであることを除いては、まったく脈絡のない「時間旅行」となった。
以下、簡単に感想を書いておくことにしよう。
1. 「大吉原展」(東京藝術大学美術館)
感想としては、前評判が高かった割にイマイチの感あり。200円引きの前売りを買っておいたので1800円で入場したがが、当日入場料2000円は正直いって高い。
フェミニスト団体がこの企画展を誹謗していたので話題になっていたためか(?)、来客者の半分が女性であった。徳川時代の女性がメインテーマだから、当然といえば当然かもしいれないが。
展示スペースが地下3階と地上3階に分かれているのはたいへん不便であるが、地上3階の展示はいろいろ工夫があった。廓を模した展示スペースのコマ割りが、吉原の四季に応じているなど。
(人形師の辻村寿三郎による遊郭の模型 筆者撮影)
とはいえ、せっかく芸大なんだから、廓の模型以外にも、もっと3次元の立体展示があってもよかったのではと思う。プロジェクトマッピングで壁に投射するだけでは能がないのではないか? それこそ、メタバース遊郭くらいあってもよさそうじゃないか。
修復後の高橋由一の油絵「花魁」(おいらん)を見れたのはよかったが・・・。
(高橋由一の「花魁」1872年 Wikipediaより)
<参考>
・・「本展学術顧問の田中優子さんは、同展開催にあたって発表した文書の中で、「遊郭を考えるにあたっては、日本文化の集積地、発信地としての性格と、それが売春を基盤としてたという事実の、その両方を同時に理解しなければならない、と思っています。そのどちらか一方の理由によって、もう一方の事実が覆い隠されてはならない、と思います。本展覧会は、その両方を直視するための展覧会です」と述べています。」
国立国会図書館国際子ども図書館の前身は「帝国図書館」。
(帝国図書館の設計図面 筆者撮影)
「国会図書館」にその機能が移転してから「国際子ども図書館」となった。「入場無料」のこの企画展はすばらしい。
(帝国図書館の閲覧室だった内部の円柱 筆者撮影)
建築物の全面的なリノベーションが終わったので、ようやくなかに入れるようになった。かつての閲覧室が改装されて展示スペースとなった。建築ファンなら必見であろう。
<参考> 『夢見る帝国図書館』
まさに本好きのための小説。 普段はほとんど小説は読まないのだが、国会図書館に勤務していた友人の薦めで読んだ。それは正解だった。
上野にあった帝国図書館は、近代日本の前半の歴史とともにあった。戦後に国会図書館が開設されるまで。
この小説の主人公は帝国図書館そのものであり、この図書館をめぐる人たちでもある。そして、戦後の日本社会を生きた女性の物語である。 著者とおぼしき作家が語り手の、私小説のようなこの物語は、上野や谷根千を舞台にした都市小説でもある。
土地勘があれば、なおさら楽しめるだろう。 文庫版の解説者は、作家の京極夏彦氏。この解説もまた、本好きにはたまらない。 本好きには、ぜひお薦めしたい。
3. 「特別展 中尊寺金色堂」(東京国立博物館本館)
入場待ち長い列ができていて、平日なのに入場するだけで一苦労。入場料は1600円でチケットは事前に100円引きでネットで購入済みだったが、考えが浅かった。
入場してからもラッシュアワーの通勤電車のような混雑ぶり。 ここはアサイチで行くべきだったかもしれない。
(本館入り口 筆者撮影)
中尊寺の金色堂はむかし実際にいったことがあるので、もともとこの展示会はパスするつもりだったが、藤原三代の栄華の頂点ともいうべき、藤原清衡(ふじわら・きよひら)の「金箔張りの木棺」が必見という情報をX(旧twitter)で知って行くことにした次第だ。
たしかにこれは門外不出で、おそらく今回が今世紀最後の展示かもしれない。もちろん撮影不可である。
(金色堂の模型。撮影OKなのはこれだけ 筆者撮影)
制作当時は、それはもう金ピカだったのだろうなと想像する。 展示されていた仏像もまたそうなのだろう。日本人も意外と金ピカが好きだからね。
混雑はウンザリなので、はやばやと退散。
(駒込編につづく)
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