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2024年2月15日木曜日

書評『太平洋を渡った日本建築』(柳田由起子、NTT出版、2006)ー「アメリカの日本」を日本建築と日本庭園にさぐる時間旅行

 

『太平洋を渡った日本建築』(柳田由起子、NTT出版、2006)という本を読んだ。面白いのでついつい最後まで一気読みしてしまった。  

先日、パナソニック汐留美術館で『フランク・ロイド・ライト 世界を結ぶ建築』という企画展を見て、日本文化がアメリカに与えた影響についてもっと知りたいと思っていた。そんなときに発見した本がこの『太平洋を渡った日本建築』だ。すでに18年前の本だが類書があまりないようだ。 

本書によれば、アメリカにおける日本建築と日本庭園のはじまり は「独立100年」を記念して開催された「フィラデルフィア万博」(1876年)だったようだ。 

明治政府が出展した日本館の日本建築が話題になって「第1次日本建築ブーム」が生まれたらしい。日本建築と日本庭園をもつのが成功した金持ちのステータスシンボルになったのだ、と。

これは現代にもつながっている。本書には取り上げられてないが、シリコンバレーのオラクル創業経営者ラリー・エリソンの日本建築の豪邸との日本庭園などもそのひとつであろう。日本文化に惹かれたことだけが理由ではあるまい。

その後、アメリカに移民した日系人たちが、1920年代から30年代にかけてカリフォルニアに建てた日本建築があり、そして戦後の1950年代から1960年代にかけて「第2次日本建築ブーム」があったという。 

シンプルを旨として奥行きのある日本建築。これにインスパイアされた「モダニスト・ハウス」が全米で一般人向けに大量に建築された。80歳を越えた鈴木大拙が2度目の長期滞在中で、アメリカで「禅」が爆発的ブームになった頃だ。 

本書は、日本の大手出版社を退社し、カリフォルニアに移住したジャーナリストの著者ならではである。『宿無し弘文 スティーブ ジョブズの禅僧』(2020年)というは読んでいたが、その前にこんな本を書いていたとは知らなかった。  

アメリカで日本建築や日本庭園づくりに携わった日本人たちを記録のなかから掘り起こし、歴史の生き証人である日系人たちを尋ねて聞き書きした探索記でもある。「地の利」を活かした取材が生きている。 

ずいぶん昔のことになるが、わたしもサンフランシスコの「ジャパンタウン」も、ロサンゼルスの「リトル・トーキョー」も訪れている。だが、シリコンバレー近くのサンノゼの「ニホンマチ」は本書を読むまで存在すら知らなかった。昭和30年代の日本を髣髴させる風情があるようだ。 

機会があれば、全米各地に残る日本建築や日本庭園を訪れてみたいと思う。そんな気にさせられた。 


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目 次
序章 アメリカには日本がいっぱい 
第1章 最古の庭は、なんでもニッポンてんこ盛り ― ゴールデンゲート・パーク・日本庭園(1894年~) 
第2章 ロサンゼルス郊外に残る明治の家 ― ハンティントン図書館・日本庭園(1903年~)
第3章 ハリウッドの "ニッポン・バロック” ― ヤマシロ(1911 年頃~) 
第4章 紐育(ニューヨーク)の赤い鳥居 ― ブルックリン植物園・日本庭園(1915年~)
第5章 フランク・ロイド・ライトと日本 ― ユニティ教会(1906年~) 
第6章 カリフォルニアの蝶々夫人 ― ハコネ・ガーデン(一1918~) 
第7章 世紀末ウィーンから来た日本 ― シンドラー・ハウス(1922年~) 
第8章 昭和30年代が薫るアメリカの門前町 ― サンノゼ別院(1937年~) 
第9章 ニンニク畑の日本屋敷 ― ギルロイ、旧平崎清邸(1939九年~) 
第10章 リトル東京のエジプシャンな仏教寺院 ― 旧西本願寺羅府別院・現民主主義保存センター(1925年~) 
第11章 強制収容所に咲いた花園 ― マンザナ戦時下日系人強制収容所跡(1942年~) 
終章 フィラデルフィアの書院造り ― 松風荘(元ニューヨーク近代美術館中庭内、日本家屋)(1954年~) 
あとがき 
参考文献 
初出一覧 
索引

著者プロフィール
柳田由紀子(やなぎだ・ゆきこ)
1963年、東京生まれ。作家、ジャーナリスト。1985年、早稲田大学第一文学部演劇専攻卒業後、新潮社入社。月刊「03」「SINRA」「芸術新潮」の編集に携わる。1998年、スタンフォード大学他でジャーナリズムを学ぶ。2001年、渡米。現在、アメリカ人の夫とロサンゼルス郊外に暮らす。(本データは2020年の『宿無し弘文』当時に掲載されていたもの)


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