2024年6月24日月曜日

『流体感覚』(吉福伸逸、雲母書房、1999)という 25年前に出版され、11年前に入手した本を、2024年になってはじめて通読してみた

 
 蔵書整理を行っていたら、本の山のなかから出てきた本が面白いので、ついつい読んでしまった。

『流体感覚』というタイトルの対話本伝説のセラピストとよばれ、「精神世界」というジャンルを日本に定着させた吉福伸逸氏と3人の対話。出版社は雲母書房。「雲母」と書いて「きらら」と読むようだ。  

なによりもタイトルに惹かれるものがある。対話者は、松岡正剛、社会学者の見田宗介、宗教学の中沢新一の3人。豪華メンバーであり、それぞれが個性の強い面々である。 

1989年の3人との対話と、吉福氏がセラピストを辞めてハワイに移住し、サーファーとなってから10年後の1999年。おなじ3人との対話と再対話が収録されている。 

古本で入手して2013年に読み始めたが、そのままになっていたもの。11年のときを経て、はじめて全部読んでみた。出版からすでに25年たっている。四半世紀である。 

テーマはもちろん興味深い。とくに「自己」(セルフ)というものを中心に据えているからだ。しかも、知的刺激に富んだものだ。 

そして、1989年当時、1999年当時、そして1989年と1999年のあいだに起こったことを2024年という時点から振り返りながら読む。なかなか乙なものである。 

出版して活字にしておけば、後世になってから読む人もいるということだ。 対談者のうち、吉福伸逸氏と見田宗介氏は、すでに故人となっている。 時は流れ25年、つまり四半世紀もたつとそうなっていくのである。


目 次
対談者: 松岡正剛 
Ⅰ アルタード・ステイツと自己編集(1989年) 
Ⅱ 情報と身体(1999年) 

対談者: 見田宗介
Ⅲ 自己について(1989年) 
Ⅳ 愛とエゴイズム(1999年) 

対談者 中沢新一
Ⅴ トランスパーソナルをめぐって(1989年) 
Ⅵ 日本人の霊性ーシャマニズムと仏教(1999年) 

あとがき 吉福伸逸



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