ことし2025年の1月に出版した『エマソン 自分を信じる言葉』(ディスカヴァートゥエンティワン)。
amazon ではベストセラーでロングセラーの『超訳ニーチェの言葉』と「よく一緒に購入される商品」として、抱き合わせになっていることを発見。 おお、ようやく当方の意図が見える化され始めたな、と。
『エマソン』の「はじめに」に書いておいたが、西欧世界のキリスト教文明の潮流に逆らって孤独な思索をつづけるニーチェにとって、「自己信頼」を説く米国人エマソンのことばが、いかに勇気をあたえてくれたことか!
ニーチェにとってエマソンは「魂の兄弟」であったのだ。生涯ただの一度も会ったことはなく、あくまでもドイツ語訳の著書をつうじてではあったものの、エマソン抜きにニーチェを考えることはできないと言ってよい。
また上掲書に先行して、『Nietze and Emerson An Elective Affinity』(Goerge J. Stack, 1994)という専門書もあることを紹介しておこう。
「自己啓発の元祖」という位置づけのエマソンだが、哲学者として位置づけることも大事なことだろう。 哲学者のニーチェが生涯にわたって愛読していたということが、まさにその裏付けとなるはずだ。
出版後のことだが、丸善のとある店舗では、『エマソン 自分信じる言葉』が、哲学書のコーナーの棚で「面陳」(めんちん)されていた。書店員さんの眼力はすごい。
フランスの哲学者ピエール・アドが説く「生き方としての哲学」としてのエマソン、「生き方の哲学」としてのニーチェ。そんな読み方もいいのではないだろうか。 「自己啓発」は、そもそも「生き方としての哲学」に位置づけられるものだ。
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