ミンガラバー!
ブログにはすでに何度も書きましたが、先週ミャンマー(=ビルマ)にいってきました。
といっても三回目、前回(2009年6月)からは9ヶ月目、一番最初(1997年5月)にいってからは13年目、という具合です。
むかし、高野山の真言宗の宿坊に宿泊した翌日、宿代を払いにいったときお寺の住職からいわれたのは、「お山には三度くるといいましてな・・・」。宿坊ではお風呂に入った後、おししい精進料理をいただき、翌朝には早朝の1時間のお勤めに参加、私は真言宗ではないですが、たいへん気持ちのよい経験になります。
♪ ミャンマーよいとこ 一度はおいで あらどっこいしょ~
そうです、一度でもミャンマーにいった人は、お山(=高野山)ではないですが、必ず三度来ることになる(ハズ)です。
ミャンマー再遊記(8)-熱心な上座仏教徒たち の末尾に私はこう書きました。
さて、次はいつミャンマーにいくことになるのかな? 仕事で? 観光で? 瞑想で?・・・意外とすぐだったりして、な~んてことはなさそうか。
私もまさかこう書いた時点では、こんなに早く三度目の訪問が実現するとは思いもしませんでした。
まさに「仏縁」、いや「人の縁」というものでしょうかね、仕事でも、観光でも、瞑想でもなく、友人の結婚式に参加するのが主目的、でした。友達の縁は大切に。
とはいえ、せっかくミャンマーにいくのですから、憧れのインレー湖(・・ヤンゴン市内のインヤー湖ではありません!)に行きたい、なんとかして行きたい、13年前に行きそびれてから、これが私の懸案事項となっていたのでした。
そしてこれが、13年目にしてようやっと実現、満足、満足の一語に尽きます。インレー湖についてはまたのちほど詳しく紹介することにしますが、ミャンマーきっての高原水上リゾートです。まさに、「三度目の正直」にして実現したわけでした。
さて今回の3月訪問ですが、年度末の忙しいときに・・・という状況には、幸か不幸かありませんでしたので、結婚式には参加する旨を昨年解答したわけです。 ミャンマー風結婚式なんて資料で見たことはおろか、実際に参加することなど、もしかしたら一生に一度かもしれませんからね。
何事も実際に参加してみるもの。自動車メーカーのホンダではないですが、現場・現物・現実の「三現主義」で行動しなければなりません。結婚式については、また詳しく紹介いたします。
結婚式での上座仏教の僧侶による法話と祝福、これについてもご紹介します。ナーモー、ナーモー、ナーモー(南無、南無、南無)。
さて、今回訪問した3月下旬とはどういう時期かというと、今年の1月に旅行代理店をつうじて現地の予約を入れた際のことですが、ツイッターにも書きましたように、
3月にミャンマーの首都ヤンゴンに行くのだが、希望した空港近くのホテルの予約が取れなかった。Myanmar Gems Emporium という宝石のオークションがあるらしい。ヒスイの取引が多いので、中国・香港系のバイヤーが多数参加するらしい。うーん、なんともいえんなあ。
という状況でした。
ミャンマーは知る人は知るとおり、古来より地下鉱物資源の豊富な国で、沖合のアンダマン海では、石油や天然ガスといった燃料が産出され、主に隣国のタイと中国にはパイプラインで輸出してます。ミャンマーからの天然ガス供給がなければ、タイの工業生産は成り立ちません。タイは現在、原子力発電所建設計画をもっていますが、依然としてミャンマーのガスなしにはやっていけないでしょう。
古くは英国の植民地時代には内陸でも原油がでたので、英国には Burmah Oil という会社があったくらいです。1963年までビルマで事業活動を行っていましたが、「ビルマ式社会主義を」標榜したネウィン政権時代に国有化され、その資産をもとに Myanma Oil and Gas Enterprise が作られて今日にいたっています。
Burmah Oil Company 自体はのちに潤滑油の Castrol と一緒になって Burmah-Castrol となりましたが、2000年には同じ英国の BP(旧 British Petroleum、もともとは Anglo-Iranian)に買収されて、Burmah のブランドはこの世から消えてしまいました。残念な話です。
かつて石油関連の調査プロジェクトにかかわっていたとき、いまから10年以上前のことになりますが、オーストラリアにはまだ Burmah-Castol があり、企業訪問して経営者インタビューしたことがあります。なぜ Burmah(バーマ)なのか!?と疑問に思って調べたら、ビルマ(Burma)では原油が生産されていたから、というわけだったのでした。会社名を Burma から取ってつづりを少し変えた、ということなのですね。詳しくは wikipedia(英語)の Burmah Oil を参照。
Burmah Oil のロゴは昔は「ビルマ・ライオン」だったはず。左下の写真は現在使用されている 1,000 Kyat(チャット)札のウラです。実勢レートでは約1米ドルに該当します。
石油や天然ガスについては、フランス企業は英米のスキをついて参入していますし、実は米国も参入を狙っているらしい、という話はちらほら耳にしています。まあ欧米諸国はホンネとタテマエは使い分けているということでしょう。
ちなみにいまでも内陸部には油田では、原油掘削が行われています。
地下鉱物資源にかんしては、Myanmar Gems Emporium という宝石のオークションが開催されていたことを書きましたように、たしかに私がヤンゴンに到着したTG(タイ航空)の夜の便も満員で、華人系ビジネスだけでなく韓国人のビジネス人も目立ちました。日本企業もボヤボヤしてると、また漁夫の利を奪われてしまいますよ、という危機感(?)も感じた私です。
Myanmar Gems Emporium は、今年の春は 3月12日から20日まで開催、華人が大好きなヒスイ(jade)、ダイヤモンド、サファイヤなどの宝石(gem)、真珠などの原石が取引されるらしい。Myanmar Gems というサイトがるので参考になるかも。私はこのビジネスに関わったことはないのでよく知りませんが、ミャンマーは宝石にかんしては、知る人ぞ知る国のようです。
日本からはバンコク経由でいくのが一番近いのですが、近隣諸国からは当然のことながら直行便が飛んでいるので、けっして遠い存在ではないのです。
さて、今回の私のミッションは、通信事情を調べることもありました。ミャンマー再遊記(1)-通信事情 など には書きましたが、ミャンマーでは Gmail なら問題なく使えます! 前回は事前に裏技を指南されたのですが、先般 Google 自身が技術的な改良を行ったので、ミャンマーでもまったく何の問題もなく、Gmail が使用できる状態となりましたので、ご心配なく。今度ミャンマーに行かれる方は、事前に Gmail のアカウントを取得されることをおすすめします。
ツイッターが使えるのかどうか? これについては実際に私がヤンゴンのホテルから「つぶやき」ましたので、使用可能は実証済みです。ただし、ツイッター使用には裏技が必要だといっておきましょう。Google のブログである Blogger はアクセスできませんし(・・だから、私のこのブログもミャンマーでは更新できなかった)、いろいろ制限があることは否定いたしません。
何よりも、携帯電話の国際ローミングサービスが使用できないので、日本の携帯が使えませんし、日本から直接電話したり、携帯メールの送受信もできません。
ミャンマー国内のみしか使えない携帯番号を取得しないと電話もできないという状況ですから、腰をすえて長期滞在でもしない限り、国内専用の携帯をもつこともないでしょうし、当面は観光でもレンタル携帯電話をもっていくのも意味がありません。私はミャンマー国内向けの SIMカードは試したことがないのでわかりません。もちろん、タイで使用する GSM規格の携帯電話も使えません。不便ですね。
参考のために、私がヤンゴンから「つぶやいた」内容を再録しておきます。ドキュメントとしては、何らかの意味があるかもしれません。時系列に掲載します。
ミンガラバー! お久しぶり! 現在ヤンゴンです。ツイッター使えますねー やってみるもんだなあ。これから友人の結婚式&お坊さんの法話会です。時差は2時間半。昨夜まで田舎にいたので、ウェブがつながりませんでしたが、ヤンゴンの高級ホテルは問題なし。ではまた。詳し話は後ほど。
10:16 AM Mar 20th webから
ツイッターはつながったが、Bloggerによるマイ・ブログはアクセス拒否だ。残念。まあどっちにしろ詳しい話は、帰国後に「三度目のミャンマー、三度目の正直」というタイトルで、ブログで連載しますのでこうご期待。 http://e-satoken.blogspot.com/
10:26 AM Mar 20th webから
ミャンマーは一年で一番暑い4月直前で、夕方なんかものすごく暑い。タクシーもエアコンないから、熱風が窓から入ってくる。首都はクルマが増えて空気が悪い。日本の中古車が自家用車もバスも現役で走り回っている。昭和のにおいをまき散らしてるねー。治安はまったく問題なし!バンコクより安全です。
10:46 AM Mar 20th webから
なお、冒頭に掲載した写真は、ヤンゴン市内インヤー湖畔のカフェにて。WiFi(ワイファイ:無線LAN)の Hotspot があるので、無線でインターネット可能です。この写真だけみたら、アメリカと全然かわりませんね。
では次回以降、インレー湖の話、ミャンマー料理の話、「大日本帝国」との遭遇、ミャンマー風結婚式の話、ミャンマーのマルコメ君たち、生きている「昭和」などなど、順不同で(・・執筆者のきまぐれで)、ミャンマー紹介記事を書いていきます。乞うご期待!
(つづく)
<ブログ内関連記事>
「ミャンマー再遊記」(2009年6月) 総目次
「三度目のミャンマー、三度目の正直」 総目次 および ミャンマー関連の参考文献案内(2010年3月)
(2015年10月4日 項目新設)
(2012年7月3日発売の拙著です)
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