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これから「ミャンマー再遊記」と題して、12年ぶりの本格的訪問での見聞と考察をトピック形式で記していきたいと思う。
「再遊」記などと題したが、今回は物見遊山の旅ではない。国際機関 日本アセアンセンター(東南アジア諸国連合貿易投資観光促進センター)主催の「投資ミッション」のメンバーとしてミャンマーを訪れたのである。
期間は、2009年6月14日から20日までの6日間だったが、私はバンコク立ち寄りのため、また溜まりに溜まっているマイレージ消化のためもあり、ミッションのメンバーとは別行動で、ミャンマーには早く入り、一日遅く帰国することとなった。マイレージ利用にともなうさまざまな制限のためである。
なお、ミャンマーは2006年に日本アセアンセンターに加盟し、投資ミッション派遣は今回が3回目だという。投資ミッションだと入国ビザが比較的簡単におりるのはありがたい。ただし入国日から2週間のみ。
今回は、「農業・食品産業関連」がテーマということであったが、たしかにミャンマーは基本的に農業国であり、非常にターゲットがよく絞り込まれたミッションであった。
私自身は、だいぶ昔の経営コンサルタント時代に、食品加工業、飲食業には若干タッチしたことがある程度で、とても専門家とはいえないのだが、まあ「コンサルタント」という肩書での参加が許されたのは、豚インフルエンザのため海外出張禁止にしている大企業が多く、参加者が比較的少なかったためかもしれない。
ミッションは、ヤンゴンからマンダレーへは国内航空の Air Bagan で、マンダレーからヤンゴンまでは途中新首都ネーピードーに立ち寄るため、陸路をバスで戻るという、かなりの強行軍であった。これに加えて、旨いので食べ過ぎたミャンマー料理の油がたたって、帰国前からすでに消耗、帰国したらこれがまた梅雨まっただ中の高温多湿の日本でさらに疲弊、というのが実態なのだった・・・
このブログに書いた文責はすべて私にあり、とくにミャンマー現地のミャンマー人の方々に無用な迷惑をかけないために、情報源についてはいっさい特定しないこととする。もちろん、人の話を鵜呑みにするわけにはいかないので、あくまでの私というフィルターを濾過した情報のみ記す。
世の中のすべてについてあてはまるが、ミャンマーについても百人百様の見方があり、あくまでも「私の、私による、私のための」情報整理であることは、特に断っておきたい。
ミャンマーとビルマの関係については以下の考え方に従う。国名についてはミャンマー連邦、多民族国家である国民はミャンマー人、料理も広義のミャンマー料理、ただしビルマ語については言語学的には「ビルマ・チベット語族」の一つであり、事実上の公用語であるからミャンマー語とはせず、ビルマ語と表記する。
ではまず何よりも、滞在期間中まったくブログを更新アップロードできなかった理由から始めるのが一番だと思うので、ミャンマーの通信事情について、自分が体験した範囲内で記しておきたい。
ミャンマー最新情報については、乞うご期待!?、なんてブログに書いたが、すいません、それが不可能であったことは身をもって体験いたしました。しかし、転んでもたたでは起きませんよ!
(1) 通信状況
ヤンゴンのホテルではインターネット接続可能だということなので、できればヤンゴンからブログにアップしてみたいと思ったが、残念ながらブログはアクセス拒否されて、何度試みても表示できない。Gmail 自体はアクセス可能なのだが、なぜ Google blog はダメなのか・・・
ヤンゴンで宿泊していたのは、Traders Hotel Yangon というシャングリラホテル(シンガポール)系列のヤンゴンでは高級ホテルで、インターネットは部屋で Wi-Fi(無線LAN)が無料というのは大変ありがたいのだが、アクセス制限は免れ得ないようだ。
首都は人工都市ネーピードーだが、もちろん現在でもヤンゴンが実質的な中心都市である。ちなみに現在は雨期なので、観光はオフシーズン、ホテルも比較的安いようだ。
国際ローミングは不可能なので、国際対応電話であっても日本からの通話や携帯メールは使えないとのことだ、という話を事前にきいていたが、やはり「圏外」表示が出て、通話不可能だった。
困ったことだな。これで国際ビジネスやれ、というのは無理があるのではないかな?
もちろん、現地でミャンマー国内でのみ使用可能なSIMカードを購入し、ミャンマー国内のみで使用可能な携帯番号をもらえば、国内でのみ通話可能であるとのことだ。
絶対に信頼できる担当者に権限委譲して、現地において完全にまかせる、これ以外の方法はムリだろう。国際ローミングが不可能な以上、バンコクや東京から遠隔操作することはできないと考えておいたほうがよい。輸出入でも、現地法人つくってのビジネスでも、通信に制限があるようでは、ビジネスインフラに不備があるといっても過言ではない。
インターネットについては先に述べたとおりだが、なぜか Google mail は、回線さえつながっていれば、ほぼリアルタイムでの通信が可能である。日本やバンコクとの通信に使用した。メールでやり取りした方々は気が付いていないだろうが・・・
通信がつながる、ということがどれほどありがたいことか、改めて気がつかされた。
なぜなら回線が切れることもまた多いからだ。
原因は主に停電の多さである。頻繁に停電するのである。高級ホテルなどは自家発電装置を備えているから、比較的早期に復旧するが、そうでないと停電は長く続くようである。
とくに雨期の夕方に降る豪雨の際、また落雷などあると簡単に停電する。じっさいに、ヤンゴンの高級ホテル滞在中も何度も停電があり、インターネットもつながらないことが多く、本当に困らされた。ものの本によると、40年前のバンコクもそうだったらしいが・・
今回は久々に旅行用変圧器を持参したのは正解だった。これとパソコン専用のタップコードがあれば、停電があろうと落雷があろうと大丈夫(なハズ)である。
アクセス不能なウェブサイトも多数ある。 "Access has been denied" という表示がでてなんどやってもつながらない。私のブログはなぜかだめであった(写真参照)。
これは書いた内容のためというより、Google側の事情あるいは政権がブロックしているのであろう。Irraawaddy News など政権にとって不都合な内容のウェブサイトも、当然のことながらアクセス不能であった。
何らかのキーワードが”有害ウェブサイト”排除のための自動フィルタリング・ソフトウェアに引っ掛かっていることも考えられる。これは2006年9月無血クーデタ後の戒厳令下タイ王国の軍事政権下でも体験しているので不思議でもなんでもない。肯定するわけではないが、シンガポールでも、中国でもやっていることである。
しかし不思議なことに、BBCやYahoo! News などはパソコンからアクセス可能であったし、ホテルのTVではBBCもCNNも視聴可能であった。金持ちや権力者は情報にアクセスできるということだろう。イラン情勢はBBCとCNNでみれたので手に取るように把握していたが、ミャンマーのニュースの場合は、実際に遭遇してないのいでわからない。
とまあ、長らくブログをアップできなかった事情について説明した。臨場感がなくなったのは仕方がないが、あらためて頭の中を整理しながら、これからいくつかのトピックによってミャンマー最新事情についてまとめていきたいと思う。今度こそ本当に、乞うご期待!?
ミャンマー再遊記-(2)につづく
<ブログ内関連記事>
「ミャンマー再遊記」(2009年6月) 総目次
「三度目のミャンマー、三度目の正直」 総目次 および ミャンマー関連の参考文献案内(2010年3月)
(2015年10月4日 項目新設)
(2012年7月3日発売の拙著です)
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