2010年6月16日水曜日

Eat Your Own Dog Food 「自分のドッグフードを食え」


               
 "Eat Your Own Dog Food" という表現が英語にあることを先日はじめて知った。直訳すると、「自分のドッグフードを食え」となる。かなりエグイ表現だな。

 ところで、高校で学ぶはずだが、よく知られた英語の表現に Mind Your Own Business. というものがある。「自分の頭のハエを追え」という日本語の表現とはほぼ同じコノテーションである。「自分のビジネスのことを考えろ」、つまり「あんたの知ったことじゃない」という意味

 坂下昇という、『白鯨』で有名な作家ハーマン・メルヴィルの研究者で翻訳家が、かつて敗戦後しばらくたった頃にビジネスマンとしてニューヨークに滞在していた人が、米国南部でこういう表現を聞いたということを紹介している。高校時代に愛読していた『アメリカニズム-言葉と気質-』(岩波新書、1979)にでているはずである。ここでいうアメリカニズムとは、アメリカ英語らしい表現のこと。著者のデビュー作だが、すでに亡くなってから久しい。

 前置きがながくなったが、米国南部の表現とは、こういうものだ。

 Mind your Own Funeral.

 funeral とは葬式のことだ。これまた極めつけにエグい。意味は同じく「自分の頭のハエを追え」=「あんたの知ったことじゃない」。


 さて、"Eat Your Own Dog Food" 「自分のドッグフードを食え」に戻ろう。

 これは、検索して調べてみたところ、米国のIT業界でよく使われるスラング的表現らしい。製品として市場で販売する前に、自社で使い勝手を試してみる、ということだそうだ。
 なるほど、たしかにIT業界では、自社を実験場としてテストしてからということが多い。また実際、ソフトウェアの場合、それができるのはIT業界の強みである。内部にいる社員は、次から次へと新製品を使いこなさないといけないので大変なようであるが・・・

 むかし米国に滞在しているとき、その当時はかなりの不況だったので、カネのない人間は、真面目な話、ドッグフードやキャッツフードを食べているという話を聞いたことがある。
 スーパーマーケットのコーナーの一角に、ペットフードのコーナーがあるので、カートを押しながらその前をとおるとき、いつもそんなことをよく考えていたものである。
 まあ、ペットフードは、栄養面にかんしてはまったく問題ないだろうが・・・

 私自身は、"Eat Your Own Dog Food" 「自分のドッグフードを食え」などといわれたことがないので、実際に食べたことはないが、ビジネス関係者の心構えとしては正しいといえるだろう。

 要は、「実証済みなのでご安心してご活用下さい」、ということになるのだから。「毒味済んでます」ということであるし。

 しかし、そうはいっても、エグイというか、えらくストレートな表現だなあ。



<ブログ内関連記事>

put yourself in their shoes  「相手の立場になって考える」

When Winter comes, can Spring be far behind ? (冬来たりなば春遠からじ)




Clip to Evernote 

                      
P.S. 写真とブログ内関連記事を追補した(2011年10月20日)