世界中の民主主義国で民主主義が危機的状況にあると語られることが多くなっている。その震源地とされるのがトランプのアメリカだ。
むかし中学生の頃だったろうか、語呂合わせで英単語を覚えたとき、民主主義を意味する「デモクラシー」(democracy)は「でも暮らしいい」と覚えたものだ(笑) だからこそ、デモクラシーの理念と実態は維持しなくてはならない。
それはさておき、もともとギリシア語の「デモス」(=人民)と「クラシア」(=権力)の合成語であることからもわかるように、民主主義は愚民主義に堕してしまう危険を秘めている。実際に1930年代にナチス支配を生み出したワイマール共和国という前例がある。
本日(2024年6月28日)、4年ぶりにアメリカで大統領選の前哨戦として、現大統領のバイデンと前大統領のトランプの一対一のディベート(討論会)が開催された。 Presidential Debate である。
90分の大統領選ディベートを最初から視聴したが、バイデンの老人ぶりが際だった印象が強い。4年後のアメリカを指導しているバイデンを想像するのは難しい。もちろん、トランプの発言と内容には問題も多いが、力強さは感じられた。「見た目は9割」である。
最終的にどちらが勝つことになろうと、大統領選における投票権をもたない日本国民は蚊帳の外ではあるが、民主主義国だけでなく、世界全体に与える影響はきわめつきに大きいので、注視せざるをえないのである。
そんな「アメリカン・デモクラシー」であるが、1776年の独立革命から半世紀をへた1830年、調査旅行でアメリカを訪問し、詳細なレポートを製作したフランス人がいる。
アレクシー・ド・トクヴィルである。フランス革命後に生きたフランス貴族として、先行する民主主義国アメリカを研究したのであった。
アメリカを知るための必読書とされるのが、トクヴィルの『アメリカのデモクラシー』である。1835年に第1部、1840年に第2部がフランスで出版されている。
この本は、さまざまな分析に引用されるので断片的に読んではいるが、わたしもまた、まとまった形では読んだことがない。「読まれざる古典」といえようか。
とはいえ、日々の出来事を追っていくだけでは見えてこないものがある。気合い入れて読まなくてはならないと思って10年前に購入したのだが、そのまま積ん読化して、いまだに通読していない岩波文庫版の4冊本。
そろそろ、腰を据えて読まなくてはならないと思っているきょうこの頃だ。
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