2024年8月22日木曜日

地下鉄の冠水対策はタイに学べ! ー タイの首都バンコクの地下鉄(MRT)の駅舎は雨期に道路が冠水しても水が浸入してこない構造になっている(2024年8月22日)

 (「道路が冠水しても地下鉄は安全だ」とアピールするMRTのバナー広告 筆者撮影)


昨夜(2024年8月21日)の東京は「線状降水帯」の発生による「記録的大雨」(=ゲリラ豪雨)でたいへんだったようだ。 

東京メトロの市ヶ谷駅は、地下鉄駅の改札まで濁流が流れ込んでいた様子が、動画に撮影されて SNS の X に投稿されていた。その状況はすさまじいの一言に尽きる。 

どうやら、東京は、いや日本全体があらたな時代状況に突入しているようだ。東京をはじめとする大都市では、20世紀の早い頃から地下鉄や地下街が発展してきたが、地球温暖化が原因の、水の猛威に対する対策が喫緊の課題となりつつあるのではないか? 


■地下鉄の冠水対策はタイに学べ!

そんなときに思い出すのが、タイ王国の首都バンコクの地下鉄駅の構造である。バンコクには、そのむかし、仕事の関係で暮らしていたことがある。 

地下鉄は、正確には MRT(Metropolitan Rapid Transport) というが、地下鉄の駅舎の入り口は地面より高く設定されており、昇降用の階段が設けられているのだ。 


(バンコク中心部の金融街にあるシーロム駅 筆者撮影)

最初はなぜそうなっているのかわからなかったが、あとから洪水対策なのだということがわかった。


(バンコク北部のホイクワン駅 筆者撮影)


雨期になるとタイではひんぱんに発生する洪水だが、たとえ道路が冠水しても、あふれた水が地下鉄駅に流れ込まないようになっているのである。 


(バンコク中心部のルンピニ駅仏教国タイらしい駅名 筆者撮影)


もちろん対応が困難な場合は、土嚢(どのう)が積み上げられることになる。2011年の大洪水の場合がそうだったが(*下記の写真参照)、たいていの場合は問題ない。 ただし、日本と違って、突発的に大洪水となるような事態はそれほど多くない。


2011年の大洪水が引いたあとの地下鉄駅入り口 土嚢が残されている 筆者撮影)


バンコクの地下鉄システムは基本的にドイツのシーメンス社のものだが(・・建設資金は日本からの円借款)、後発組であるだけに、その土地の特性に応じた対応が取られ、最新の技術が導入されている。 

日本は、地下鉄の技術にかんしては先進国であるが、地球温暖化時代の対応は、後手後手に回ってしまっているようだ。 まさに想定をはるかに上回る事態が発生し、それが常態化しつあるのに対応が追いついていないのだ。

いまからでも遅くないから、地下鉄の冠水対策はタイに学ぶ必要があると思う。 

ただし、バンコクのMRTにかんしてはスロープが設置されていないので、バリアフリーだとは言いがたい。実際問題、キャスターつきのスーツケースは持ち上げて運ばなければならないのは面倒なことだった。

地下鉄の入り口に階段を設けるためには、バリアフリーを意識して、スロープを設置するなどで対応可能だろう。あらたに建設されるベトナムやインドネシアの状況は、はたしてどうなっているのだろうか?


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