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2018年8月11日土曜日

念願かなって「地下宮殿」を見学してきた(2018年8月11日)-世界最大級の「首都圏外郭放水路」がすごい。百聞は一見にしかず!

(「首都圏外郭放水路」の「調整水槽」 筆者撮影)

ようやく念願かなって「地下宮殿」に行ってきた。「首都圏外郭放水路」の「調整水槽」のなかに入ることができたのだ。場所は、埼玉県春日部市にある。


かなりの人気スポットで、事前に予約しないと見学できない「地下宮殿」。その存在は真前から知っていたが、ネットニュースで以下のような記事で取り上げられていた。


埼玉に巨大な「地下神殿」…観光資源化目指す(読売新聞 2018年7月20日)「地下神殿」の異名をとる埼玉県春日部市域などの治水施設「首都圏外郭放水路」を観光資源として活用する社会実験が8月1日から始まる。19日には報道機関に社会実験についての説明が行われ、これまで非公開だった「第1立坑」も公開された。(・・中略・・)国土交通省江戸川河川事務所によると、社会資本観光の「インフラツーリズム」の施策として同放水路の活用も検討され、同省や春日部市などで作る協議会が、旅行会社の東武トップツアーズ(本社・東京)と協定を結んで社会実験としての見学会を行うことになった。(・・中略・・)見学会は土日・祝日も行われ、1日7回実施(各回50人)。見学料は8月は500円。予約はインターネットhttp://www.ktr.mlit.go.jp/edogawa/gaikaku/index.html で。

思い立ったが吉日! すぐに検索して予約サイトを見たら、どの日も満杯だ。自分の場合は、平日は無理なので土日休日しかいけないのが痛いところだが、8月11日(土)の13時からの回に1人だけ(!)空きがあったので即申し込みした次第。8月中は500円。ふらりと立ち寄っても内部には入れないので要注意!


(日本の「地下宮殿」 筆者撮影)
 
「地下宮殿」といえば、イスタンブールの地下宮殿が有名だ。

オスマン帝国によって占領される前はコンスタンティノープルと呼ばれていたことからわかるように、ビザンツ帝国(=西ローマ帝国)の首都コンスタンティノープルの地下貯水槽のことだ。ここを首都としたコンスタンティヌス帝の命で建設されたという。

ローマの土木技術の水準の高さについては、あらためて書くまでもないだろう。


(イスタンブールの「地下宮殿」 wikipediaより)

モスクワの地下鉄の駅もまた「地下宮殿」と呼ばれることもある。

核戦争に備えて深い地下に建設されたという説まであるほど、長い長いエスカレーターを下っていかないと地下鉄の駅には到着しない。私も実際に体験しているが、ソ連の社会主義政権のもとで作られた地下鉄の駅は、ほんとうに豪華で「地下宮殿」と呼ばれるのにふさわしい。


(モスクワ地下鉄のキエフスカヤ駅構内 wikipediaより)


■日本の「地下宮殿」は洪水対策の地下巨大構造物

さて、日本の「地下宮殿」はイスタンブールと同様に地下貯水槽ではあるが、飲料水を著図するのが目的ではない。豪雨にともなう洪水対策のための貯水槽であり、貯まった水は随時に安全な河川に放流する施設なのだ。だから、首都圏外郭放水路」という。

「首都圏外郭放水路」とは何か、その説明を公式サイトから引用しておこう。


首都圏外郭放水路とは、埼玉県の東部に建設された、世界最大級の地下河川です。 首都圏外郭放水路は国道16号の地下約50メートルに建設された延長6.3キロメートルの地下放水路です。施設は、各河川から水を取り入れる流入施設、地下で貯水したり、流下する地下水路、そして地下水路から水を排出する排水機場等で構成されています。


さて、「首都圏外郭放水路」だが、見学の目玉は言うまでもなく「地下宮殿」、つまり「調整水槽」の内部である。コンクリート製の巨大な円柱が立ち並ぶ壮観は、まさにイスタンブールの「地下宮殿」に匹敵するといっていいのではないか。


(巨大円柱の幅は7m。水は上の標識を越えると排水される 筆者撮影)

先ほど引用した記事ので省略した部分は以下のようになっている。


公開されるのは、巨大コンクリート柱と調圧水槽のほか、これまで外部非公開だった深さ70メートル、内径30メートルの巨大な立筒「第1立坑」地下トンネルを通って上がって来た水が立坑を通じて調圧水槽にたまる仕組みだ。  

構造物としての機能という点からも、じつに興味深い。

本来の機能については、公式サイトなどで詳しく説明されているが、平野部の中小河川は勾配が低いために水がたまりやすく簡単に洪水被害が発生するので、いったん貯水槽に水をため大河川の江戸川に放流する。江戸川は勾配が比較的あるだけでなく、上流域からの増水が到達するまでに時間がかかるので、平野部の増水と江戸川の増水には1日以上のタイムラグが発生する。その時間的差異を利用したのであり、なかなかうまく考えたものだ。


(地下放水路のアウトライン。左(=東)が江戸川 公式サイトより)
   
この巨大構造物の完成によって、春日部市周辺の洪水被害はなくなったという。なんせ世界最大規模であり、海外からも視察が多いという。


■「地下宮殿」の見学

見学はガイドツアーとなる。1日で7回実施。1回あたり50分。人数は50人。写真撮影の時間はたっぷりもらえるで心配はいらない。

見学で内部に入るのは、100段以上の階段を上り下りする必要がある。見学用施設ではないのでエレベーターはないのだ。外は真夏だが、階段を降りるに従って涼しくなってくるし、湿度が高いので足下はぬれているので気をつけなくてはならない。


(地下貯水槽の入り口 筆者撮影)

内部は思っていた以上に湿度が高い。だが、真夏でも内部は涼しいので苦にならない。

そもそも貯水槽であり、洪水対策用の施設として年に何回かは実際に稼働するわけだし(・・だから、稼働日は見学は不可)、地下貯水槽の周辺には地下水がある。そのため、巨大なコンクリート製の円柱を建てて、浮力が生じないようにしているのだといいう。それが「地下宮殿」らしく見える理由なのだ。


(円柱には目の高さでもぬめりのある泥がついている 筆者撮影)

「地下宮殿」は、映画やドラマのロケにも多く使用されており、どこかで見たことがあるという人も少なくないと思う。万難を排してでも、ぜひ見学することを薦めたい。「百聞は一見にしかず」、ですからね。







<関連サイト>

台風19号での氾濫対策に「地下神殿」も貢献-東京ドーム約14杯の雨水を2日弱で排水(JBPress、2019年10月15日)

・・2019年10月12日から翌日にかけて関東地方に上陸し、東日本を縦断した超巨大台風19号は各地で豪雨災害をもたらしたが「地下神殿」はフル稼働!

(2019年10月19日 項目新設)

<ブログ内関連記事>

「韮山反射炉」を見に行ってきた(2018年4月21日)-日本人なら一度は見学しておきたい反射炉は、まさに「百聞は一見にしかず!」の産業遺産

「日米親善ベース歴史ツアー」に参加して米海軍横須賀基地内を見学してきた(2014年6月21日)-旧帝国海軍の「近代化遺産」と「日本におけるアメリカ」をさぐる

本日12月6日は「聖ニコラウスの日」
・・東京メトロ千代田線の新御茶ノ水駅のエスカレーターも長い

明治22年(1889年)にも十津川村は大規模な山津波に襲われていた-災害情報は「アタマの引き出し」に「記憶」としてもっていてこそ命を救うカギになる

「天災は忘れた頃にやってくる」で有名な寺田寅彦が書いた随筆 「天災と国防」(1934年)を読んでみる





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