TVアニメ『ブルーロック』を amazon price で視聴した。第1シーズンの全24話と第2シーズンの14話をあわせて38話を3日間で。
「まもなく配信終了」なので急いで視聴することにした。「切迫感」というものは、人をして行動に移らせるものがある。それは「追い詰められ感」という言い方も可能かもしれない。*
* ということで切迫感に駆られて視聴したのだが、引き続き amazon prime で視聴可能になっているのでご安心! もちろんその他のネット配信もある 2026年10月4日記す)
タイトルだけは知っていたものの、ストーリーをよく知らないまま見始めた。第1話からいきなりぶっとんだ展開になって、どんどん先を見たくなる。
「ブルーロック」とは、日本サッカーをワールドカップで優勝させるという至上命題を実現するための実験的プロジェクトだと設定されている。
日本人選手に欠けているのはゴールを奪う攻撃力であり、世界レベルのストライカーを作り出さなければ、世界一など実現不可能だという認識がある。
日本全国から高校生を300人集めて隔離された特別な施設で合宿生活を行い、そのなかから「世界一のストライカー」を選び出す。3次にわたる過酷な「選別」をクリアして生き残ったものだけに、最後のチャンスがあたえられる。究極の「レッドオーシャン」状態である。
デスゲームのような展開であり、主人公たちとともに参加しているような気分で、思わずのめり込んでしまう。
「ブルーロック」を貫いてる基本哲学はじつに興味深い。しかもまったく理にかなっている。それは「エゴイストになれ!」というものだ。強烈なまでの「エゴ」を持てというものだ。
とかく「協調性」が強調され、「仲間意識」を大事にしろと繰り返し刷り込まれるのが日本社会である。欧米人と違って日本人は「エゴ」(=自我)が弱いと言われているが、そんなことでは世界で戦うことなどできるわけがない。この哲学は説得力がある。
まずは「エゴ」(=自我)を確立することだ。強い自我をもつことだ。「エゴ」(=自我)は「志」(こころざし)と言い換えてもいいかもしれないが、日本社会で否定的に語られる「エゴ」ということばがもつインパクトは、強烈なまでに効果的だろう。
このアニメ全編をつうじて、「仲間」とか「友情」など前面にでてくることはない。しかも、「切磋琢磨」や「成長」ということばもでてこない。「根性」でもない。なるほど、原作のマンガは『少年マガジン』(講談社)の連載か。ということは、『少年ジャンプ』(集英社)のアンチテーゼということなのかな?
重要なのは個人の「エゴ」であり、自分自身を「進化」させることだ。ステージを上げることだ。そのためのシステムが「ブルーロック」というシステムにビルトインされている。
自分の「強み」を的確に認識すること。短所を克服するのではなく、徹底的に自分のアタマで考え抜き、自分に欠けている強みをピースとして加えていくこと。それが個人レベルの「進化」であり、現場での「実践」(=実戦)をつうじて「覚醒」が起これば、さらなる「進化」が加速していく。徹底的な目的合理性の世界。そのためのアスケーゼである。
チームを組むのは、あくまでも「協調」することが「合理的」だからだ。チーム先にありきなのではない。一番できるヤツが、自分エゴを貫くのに必要なヤツを選抜してチームをつくる。勝てるチームとは、こういう性格のものだろう。いわゆる一騎当千の精鋭集団である。
こんな認識が全編をつうじて展開されるこのアニメは、中学生や高校生だけでなく、ビジネスパーソンにも刺さる要素が多い。「モチベーション」にかんする行動心理学などの知見をベースにしており、その主張はまったく理にかなっている。「ゾーン」だけでなく、なんと「フロー」の概念まで登場するくらいだ。
もちろん、「ブルーロック」は脱落者が大量に発生するシステムである。だが、脱落者は去るのみであり、脱落後のケアなどまったく想定されていない。そんな点は、おそらく教育界から批判されることだろう。
とはいえ、やる気のある若手社員が、「ぬるま湯」的な職場に愛想を尽かして次から次へと退職する、そんな現象が実際に発生していることを知るべきではないか?
ブラック企業の真逆で、楽園であるはずのホワイト企業で、なぜ退職者が続出するのか? その意味と理由を知りたければ、このアニメを視聴したらいい。
恋愛要素も皆無だが、スポーツアニメの新展開ということか。 つまらないビジネス書を読んで時間をつぶすより、はるかに意味ある体験となるだろう。
<関連サイト>
TVアニメ『ブルーロック』公式サイト
<ブログ内関連記事>
・・「世界一の歌舞伎役者」はこうして生み出される
・・「1985年には、河合隼雄につよく依頼されて京都で開催された「第9回トランスパーソナル国際会議」のディレクションを担当しているが、吉福伸逸も河合隼雄とおなじ問題意識をもっていたようで興味深い。それは、欧米人とは違って、自我(エゴ)の確立しない日本人が、自我を超えることを意味するトランスパーソナルにはまることの危険性についてである。」
・・セルフ(自己)とエゴ(自我)の違いについて
・・「エゴの塊のようだったジョブズがなぜ、禅仏教と出会って生涯にわたって多大な影響を受けることになったのか、その意味もあきらかになっていく。」
・・強烈なまで名エゴによって大成功しても、その後エゴを飼い慣らすことができるかどかが問われる
(2023年11月25日発売の拙著です 画像をクリック!)
(2022年12月23日発売の拙著です 画像をクリック!)
(2022年6月24日発売の拙著です 画像をクリック!)
(2021年11月19日発売の拙著です 画像をクリック!)
(2021年10月22日発売の拙著です 画像をクリック!)
(2020年12月18日発売の拙著です 画像をクリック!)
(2012年7月3日発売の拙著です 画像をクリック!)
end
.png)











