「アタマの引き出し」は「雑学」ときわめて近い・・日本マクドナルド創業者・藤田田(ふじた・でん)に学ぶものとは?

◆「アタマの引き出し」つくりは "掛け算" だ : 「引き出し」 = Σ 「仕事」 × 「遊び」
◆酒は飲んでも飲まれるな! 本は読んでも読まれるな!◆ 
◆一に体験、二に読書、その体験を書いてみる、しゃべってみる!◆
◆「好きこそものの上手なれ!」◆

<旅先や出張先で本を読む。人を読む、モノを読む、自然を読む>
トについてのブログ
●「内向きバンザイ!」-「この国」日本こそ、もっとよく知ろう!●

■■ 「むかし富士山八号目の山小屋で働いていた」全5回 ■■
 総目次はここをクリック!
■■ 「成田山新勝寺 断食参籠(さんろう)修行(三泊四日)体験記 」全7回 ■■ 
 総目次はここをクリック!
■■ 「庄内平野と出羽三山への旅」 全12回+α - 「山伏修行体験塾」(二泊三日)を中心に ■■
 総目次はここをクリック!


「個」と「組織」のよい関係が元気をつくる!

「個」と「組織」のよい関係が元気をつくる!
ビジネス寄りでマネジメント関連の記事はこちら。その他の活動報告も。最新投稿は画像をクリック!



ご意見・ご感想・ご質問 ken@kensatoken.com にどうぞ。
お手数ですが、コピー&ペーストでお願いします。

© 2009~2024 禁無断転載!



2024年8月11日日曜日

書評『限界突破の哲学 ー なぜ日本武道は世界で愛されるのか?』(アレキサンダー・ベネット、集英社新書、2024)ー「限界突破」のためのカギは「自分に勝つ」ことを目的にした「日本の武道」にある!

 

 今回のオリンピックの「柔道」で話題になっているのは、「勝てば官軍」的なフランス人選手の振るまい。ネガティブな反応が X など SNS ではうずまいている。 

わたしは、競技スポーツ化した「JUDO」と「柔道」は、もはや別物だと理解しているので、とくにこれといった感想はない。競技スポーツ化すれば、「勝利至上主義の毒素」に蝕まれていくのは必然だからだ。 

そんな状況のなか、先月のことであるが、『限界突破の哲学 ー なぜ日本武道は世界で愛されるのか?』(アレキサンダー・ベネット、集英社新書、2024)という本が出版されていることを知った。  

著者のアレックは、ニュージーランド出身高校時代の交換留学で剣道に出会って以来、長年にわたって日本で剣道に打ち込んできた武道家

現在は剣道7段のほか、薙刀(なぎなた)や居合道(いあいどう)、さらには銃剣道(じゅうけんどう)など合計30段であるという。 

かつて18年前の2006年には、『ボクは武士道フリークや!  ニュージーランドの学生が日本武道にハマってさあ大変』(小学館、2006)という本を出版しているので、知っている人もいるかもしれない。  




「武士道フリーク」の彼だが、剣道7段から最終段位である剣道8段への昇格にはことごとく失敗しているという。「大きな壁」にぶつかっているのである。つまり「限界突破」に迫られている当事者なのだ。 

本書は、「限界突破」のために必要なことはなにか、みずからの剣道人生の軌跡をふりかえり、剣道の実践に即して内省し、考察を行った内容の本だ。 

50歳台の著者は、80歳の剣士に負けたのだという。その理由はなぜかについて考えることが出発点になっている。 

200ページ超の厚さで、しかも「ですます調」で書かれていて、けっしてとっつきにくい内容ではない。

にもかかわらず、けっして読み飛ばせない内容なのは、具体的な剣道における実践に即して、みずからの弱みも直視した内容であるからだろう。その「もどかしさ」がダイレクトに伝わってくるのだ。

もちろん剣道においても試合が存在するので、剣道にも競技スポーツ的な側面がないわけではない。それでも、「他人に勝つ」」ことよりも、「自分に勝つ」ことが「武道」しての剣道の本質であることを悟り、修行に励む日々である。それは求道者の姿勢である。 

剣道に即した内容であるので、剣道についてまったく知らないと理解がむずかしいかもしれない。ある程度は、なんらかの武道の心得があることが望ましいが、日本の「芸道」になんらかのたしなみがあれば、理解できないことはないだろう。 

いや、ニュージーランド出身の「武道フリーク」に目を開かせてもらことも、いまの日本人には必要なことなのかもしれない。 少子化で武道人口が減少傾向にある日本とは逆に、日本以外ではむしろ武道愛好家が増加傾向にあるのだから。 

目覚めよ、日本人!! グローバル社会で生き抜く時代だからこそ、日本人には武道が必要だ。 


画像をクリック!


目 次 
プロローグ 私が80歳の剣士に負けた理由/武道で限界を突破する 
第1章 限界突破の作法 
第2章 身体の整え方 
第3章 心の整え方 
第4章 勝負の実践哲学 
第5章 人間の壁を越えて 
エピローグ マルチカルチャーだから見えること

著者プロフィール 
アレキサンダー・ベネット(Alexander Benett) 
1970年、ニュージーランド出身。関西大学国際部教授。国際武道大学附属武道・スポーツ科学研究所所長。京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程修了、博士(人間・環境学)。カンタベリー大学言語文化研究科博士課程修了、Ph.D(Japanese Studies)。剣道七段(教士)の他、居合道、なぎなた、銃剣道でも段位を取得、総計30段を超える武道家として著名で、NHKの武術番組「明鏡止水」シリーズ出演。英文著作多数。



<ブログ内関連記事>







(2023年11月25日発売の拙著です 画像をクリック!

(2022年12月23日発売の拙著です 画像をクリック!

(2022年6月24日発売の拙著です 画像をクリック!

(2021年11月19日発売の拙著です 画像をクリック!

(2021年10月22日発売の拙著です 画像をクリック!

 (2020年12月18日発売の拙著です 画像をクリック!

(2020年5月28日発売の拙著です 画像をクリック!

(2019年4月27日発売の拙著です 画像をクリック!

(2017年5月19日発売の拙著です 画像をクリック!

(2012年7月3日発売の拙著です 画像をクリック!


 



ケン・マネジメントのウェブサイトは

ご意見・ご感想・ご質問は  ken@kensatoken.com   にどうぞ。
お手数ですが、クリック&ペーストでお願いします。

禁無断転載!








end