『マトリックス三部作』をとおしで視聴したあとは、締めくくりとして『リトル・ブッダ』を見た。
全編とおしで視聴するのはじつにひさびさだ。1993年の公開時に劇場で見て以来、もっとも好きな映画の一つ。おなじベルトルッチ監督の『ラスト・エンペラー』と比較すると、興行的には成功とは言えなかったそうだが。
チベット仏教の高僧の転生童子が発見された現代アメリカ西海岸の都市シアトルと、ブッダによって仏教が誕生した2500年前を交互に描きながら、チベット仏教と輪廻転生(reincarnation)をテーマに「無常」(=ものごとはすべて変化すること)を描いた内容の映画。
ブッダになるまでのシッダールタ王子を演じるのは、『マトリックス』でブレークしたキアヌ・リーブス。シッダールタ王子になりきっている美青年。シッダールタ王子が登場するシーンが大好きで、これまでなんども再生して見ていた。
ひさびさに最初から最後まで全編とおして見て、チベット仏教世界について、あらためていろいろ考えていた。ダライ・ラマ14世の転生童子は、おそらくチベット以外で発見されることになるのだろうな、などと。
映画の最後のほうで「般若心経」(Heart Sutra)が唱えられるのは、チベット仏教も大乗仏教だから。「存在=非存在」について語った内容のお経である。英語での解説を聴いていると、これがまたじつに味わい深い。 あらためて、じつにすばらしい感動的な映画だと思う。
この映画を見たことだけが理由ではないが、その後1995年に私は、北インドとネパールの「ブッダロード」、そしてチベットの旅に出かけたのであった。
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