2020年2月2日日曜日

書評 『日中と習近平国賓-激突!遠藤 vs 田原-』(遠藤誉/田原総一郎、実業之日本社、2020)-だから習近平の「国賓来日」には断固反対だ!



2020年1月31日に出版されたばかりの『日中と習近平国賓-激突!遠藤 vs 田原-』(遠藤誉/田原総一郎、実業之日本社、2020)を読了。  

「習近平国賓来日反対」の立場を一貫して主張してきた中国ウォッチャーの遠藤誉氏と、"自称ジャーナリスト" の田原総一郎氏の激論である。 

これほどの激論は近来まれにみるものではないか? 

「習近平国賓来日反対」の立場に立つ遠藤氏の必死で気迫に満ちた論陣に一方的に押され気味の田原氏。ジャーナリストの本文を忘れて自民党政治家への影響力を誇る、電波芸人のなれの果てがあらわになっている。 

それよりも重要なことは、なぜ遠藤誉氏が「習近平国賓来日反対」を一貫して主張してきたのか、その理由が首尾一貫したロジックで、これでもか、これでもかと、たたみかけるように説明される。この論拠に注目するべきだ。 

「目次」を紹介しておこう。 
 
第1章 香港を斬る!-デモに凝縮されている構造 
第2章 香港民主派圧勝と香港人権民主法を斬る! 
第3章 ペンス演説を斬る! 
第4章 台湾、韓国、「一帯一路」協力を斬る! 
第5章 中国経済とハイテク国家戦略を斬る! 
第6章 習近平国賓招聘問題を斬る! 

遠藤氏の説明に納得しない日本人は、ふたたび1992年の天皇訪中の過ちを繰り返し、一党独裁の強化に手を貸すことになることを自覚しなければならない。 

ビジネス関係者は、中国共産党にへつらうのはやめたほうがいい。その点にかんして、以下に引用する遠藤氏の発言に私もまったく同感だ。


遠藤 民間企業がそれぞれのビジネス上のニーズに応じて中国と交易することは良いことだと思います。それは自由であるだけでなく、中国共産党による一党支配体制が崩壊したときには、日中双方にとって重要な経済的支柱になる可能性があります。
しかし国家として中国にへつらい、習近平を国賓として招くことは、中国の言論や人権への弾圧を肯定するというシグナルを全世界に発信することになるので、それをすべきでないと言っているのです。結果的に中国の力を強くさせていきますから国益に適いません。(*太字ゴチックは引用者=さとう によるもの)



たとえ中国共産党が崩壊したとしても、生き延びることが間違いないの中国企業の代表がファーウェイ(Huawei)だ。国営企業は中国共産党の崩壊とともに消滅するが、自力で行きのびる力のある企業はたくさんあることは、中国発のIT系ハイテクベンチャーをみてみればすぐにでもわかる。 

この激論がなされたのは、今年1月から全世界に拡散中のコロナウイルスによる「新型肺炎」のパンデミック以前のことだ。この件にかんしても中国共産党はふたたび情報隠蔽を行っている。いま現在進行中のこの事態を逆手にとって、習近平国賓来日阻止のチャンスとできるかどうか。 

何度でも繰り返し言おう。習近平の「国賓来日」には絶対反対だ!







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