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2015年5月9日土曜日

書評 『中国人が選んだワースト中国人番付-やはり紅い中国は腐敗で滅ぶ-』(遠藤誉、小学館新書、2014)-中国国民の腐敗への怒りが臨界点を超えたとき中国は崩壊する


『中国人が選んだワースト中国人番付-やはり紅い中国は腐敗で滅ぶ-』(遠藤誉、小学館新書、2014)というタイトルだけでもインパクトがあるが、「ワースト中国人番付」は中国語の原文では「クズ中国人番付」となっているという。

「クズ中国人番付」とは、2014年元日に中国のネットに掲載されたものである。「悪魔は怯えている。専制は必ず滅亡する!」という文言つきで中国人が選んだものだ。その背景には6億人(!)を超える中国のネットユーザー「網民」(ワンミン)の存在がある。

「クズ中国人番付」につては、「第2章 中国人が選んだ中国人クズ番付」で詳細に紹介しているが、このリストに登場する中国人の腐敗度合いはすさまじい。まさにクズのクズである。

日本のテレビの情報番組でも、中国共産党高官の腐敗についてはたびたび取り上げられて報道されているが、腐敗しているのは政府高官だけではない。中国社会のありとあらゆる側面で、汚職にまみれた腐敗官僚が跋扈(ばっこ)しているのである。国民の怒りがいかにすさまじいか。

中国国民党の腐敗ぶりを徹底的に批判し、清廉をうたい文句に人民の支持を集め、政権を奪取しることに成功した中国共産党が1949年に建国した中華人民共和国の現在の惨状なのである。

中華人民共和国は、1949年の建国以来、中国共産党にによる事実上の一党独裁を守ってきたことをアタマのなかに入れておかねばならない。つまり中華人民共和国イコール中国共産党であり、すべては中国共産党のためにある。

「改革開放」によって解き放たれた欲望は、ときには行き過ぎることがあるにせよ、政治改革をともなったものであれば健全な発展をとげていたことであろう。

だが、中国共産党による一党独裁を維持したまま経済の資本主義化を行った中国は、「社会主義市場経済」という歪んだ制度が生み出した拝金主義によって変質した。一党独裁の専制政治が生んだ貧富の格差は日本人の想像を絶するまでに至ってしまっている。

「絶対権力は絶対に腐敗する」という有名なフレーズがある。ある種の経験則を表現したものだが、中国共産党による一党独裁の絶対権力もまた、腐敗によって崩壊すると考えるのは不思議でも何でもない

中国共産党の崩壊はイコール国家の崩壊となる。周辺諸国の国民は半分期待しつつ、かつ恐れてもりのだが、中国国内でもっとも恐れているのは、じつは中国の最高実力者である習近平その人なのである。だからこそ、「虎も蠅も叩け!」と劇をとばして腐敗撲滅にやっきになっているのだが・・・・。

中国の腐敗官僚たちの実態については、『中国高官が祖国を捨てる日-中国が崩壊する時、世界は震撼する-』(澁谷司、経済界新書、2013)もあわせて読むといいだろう。

もはや中華人民共和国=中国共産党の命運は "days are numbered" 状態である。「残りの日々は数えられている」、つまり遠くない将来、「中国崩壊」は避けて通れないということだ。

それがいつの時点で発生するかは現時点ではわからないが、中国の国民の怒りが臨界点を超えたとき、その日が訪れることになる。かつて中国国民党が大陸の覇権をめぐって中国共産党に敗れ去ったとおなじように。






目 次

はじめに 
第1章 習近平はなぜ反日デモを抑えたのか
第2章 中国人が選んだ中国人クズ番付
第3章 死刑判決を受けた鉄道大臣-劉志軍
第4章 腐敗の構造と噴き出す矛盾
第5章 毛沢東を利用し、生き残りに必死の習近平
第6章 中国はどこへ向かうのか
おわりに

遠藤誉(えんどう・ほまれ)

1941 年中国吉林省長春市生まれ。1953 年帰国。東京福祉大学国際交流センター長。筑波大学名誉教授。理学博士。中国社会科学院社会学研究所客員研究員・教授などを歴任。著書に『チャイナ・セブン 〈紅い皇帝〉習近平』『チャイナ・ナイン 中国を動かす9人の男たち』『チャイナ・ジャッジ 毛沢東になれなかった男』『卡子(チャーズ) 中国建国の残火』(以上、朝日新聞出版)、『完全解読 「中国外交戦略」の狙い』(WAC)、『ネット大国中国-言論をめぐる攻防-』(岩波新書)、『中国動漫新人類 日本のアニメと漫画が中国を動かす』(日経BP 社)など多数。





<関連サイト>

中国問題研究家 遠藤誉が斬る (連載 2013年10月2日から現在) 


<ブログ内関連記事>

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(2015年5月15日、17日 情報追加)



(2012年7月3日発売の拙著です)











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