(画像をスマホでキャプチャ 以下同様)
アマゾンの prime video に『復活の日』があったので、はじめて視聴してみた。2時間36分。
1980年の角川映画。いまからもう40年前!の映画か。たぶん当時は大学受験勉強中だったためだろう、この映画の存在も知らなかったように思う。まったく記憶にないのだ。
原作は『日本沈没』で有名な小松左京のSF作品。中学生の頃、ベストセラーになって社会現象となったいたことを覚えている。『日本沈没』は読んだ記憶がある。だが、『復活の日』のほうがSF作品としては古いのだな。原作は読んでないが、1964年の発表らしい。
こんなストーリーだ。米軍が開発したウイルスによる生物兵器が何者かによって盗み出されて漏洩、これが原因となって原因不明の感染が拡大。しかも、いちばん最初に感染が爆発したのがイタリアのミラノというのが、今回の新型コロナウイルスとよく似ており、偶然とはいえ不思議な感さえある。謎の肺炎は「イタリアかぜ」と名づけられ、全世界に感染が拡大していく。
次々と起こる医療崩壊。そして、感染拡大はとどまるところなく、全世界がほぼ滅亡。残ったのは、たまたま寒冷地の南極基地にいた各国の人間と、潜水艦の乗組員などのみ。南極基地には2年分の食糧があるので、残された男性たちと圧倒的に少数の女性たちだけが生き残ることになる。
米ソ冷戦時代ということもあり、生物兵器だけでなく、核兵器も炸裂し人類は2度絶滅するという、なんとも救いのない設定だ。もちろん、「復活の日」というタイトルなので、最後に救いらしきものはあるのだが・・・
日本映画なのだがセリフのほとんどが英語で(日本人のセリフもかなりの部分が英語)、キャスティングもほとんどが外国人。出版業以外に多角化した事業でブイブイ言わせていた頃の角川春樹は、こんな映画を制作していたのだなあという感慨。興味のある人は、見たら面白いと思う。
設定自体は妙にリアリティがあるが、なんせ40年前の作品なので、妙に古くさい気がしなくもない。まあ、これだけテクノロジーの発展スピードが速い時代に生きていると、それはそれで仕方がないかな、と。
<関連サイト>
小松左京はなぜ『復活の日』を書いたのか(デイリーBOOKウォッチ 2020年4月10日)
(2020年4月17日 項目新設)
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梅棹忠夫の幻の名著 『世界の歴史 25 人類の未来』 (河出書房、未刊) の目次をみながら考える
・・「梅棹忠夫は、「科学や知的探求は、人間の業(ごう)であるから制御できない」という意味の発言を1970年の時点でしていたという。(・・中略・・)思えば、1970年頃は梅棹忠夫のような発言はけっして異様ではなかった。当時でたローマクラブによる暗い未来図など、進歩がうたわれる反面でかなり暗い未来図が提示されていた時代であった」
書評 『梅棹忠夫の「人類の未来」-暗黒の彼方の光明-』(梅棹忠夫、小長谷有紀=編、勉誠出版、2012)-ETV特集を見た方も見逃した方もぜひ
・・「1970年前後というのは「未来学」がブームになっていた頃である。その未来学をリードしたのが梅棹忠夫や小松左京といった人たちだ」
(2020年4月1日 情報追加)
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