2024年9月22日日曜日

映画『Winny』(2023年、日本)を視聴(2024年9月22日)ー 技術開発と著作権をめぐる冤罪もののリーガルドラマでありヒューマンドラマ

 

昨夜のことだが、映画『Winny』(2023年、日本)を amazon prime video で視聴した。劇場公開から比較的早い段階で「無料」で視聴できるのはありがたい。126分。 

ファイル共有ソフトの Winny の開発者で、天才プログラマーだった金子勇氏を主人公にした冤罪もののリーガルドラマである。法廷もののヒューマンドラマである。英語の映画なら Based on a true story. という表示がされることだろう。 

金子勇氏が逮捕されたのはいまから約20年前の2003年、映画のなかでも言及されていたが、米国では Napster など「ファイル共有ソフト」を支える「P2P」(pier to pier)対「著作権」が大きな争点となっていた時代だ。 

ファイル共有が当たり前となり、動画が「無料」で公開され、自由に共有される現在から考えると、隔世の感さえ抱かされる。 Winny は登場するのが早すぎたのかもしれない。 

プログラミングが生きがいとさえなったいた金子勇氏は、プログラマーとしての活動を封じられることになった。だが、日本のエンジニアが萎縮することなく自由に開発に専念できる世の中にするため、法廷闘争に注力することを受け入れる。 

最初の逮捕から、なんと7年半かけて最高裁で「無罪」判決を勝ち取った金子勇氏と弁護士団だが、その半年後の2013年に金子勇氏は帰らぬ人となった。死因は急性心筋梗塞、42歳の生涯であった。さぞ無念であったろう。 

技術というものは、本来それじたいは価値中立的なものである。だが技術は善用することもできるし、悪用することもできる。Google の社是にあるように「邪悪にならない」ことが大事なのだ。 

技術開発が世の中のためになると信じ、開発に専念していた金子勇氏のような「性善説」に立つ天才プログラマーの命を奪い、技術開発の芽を摘んだ「性悪説」に立つ検察の愚かな所業は、日本人は絶対に忘れるべきではない。 

そして、金子勇氏のような天才プログラマーが存在したということもまた忘れるべきではな い。そのためにもこの映画を見るべきなのだ。
 

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