2018年10月4日木曜日

映画『クレイジー・リッチ!』(2018年、米国)を見てきた(2018年10月3日)ー 21世紀は英語を話す新世代「アングロ・チャイニーズ」の世紀である


映画『クレイジー・リッチ!』(2018年、米国)を見てきた(2018年10月3日)。米国では大ヒットだという。オリジナルのタイトルは Crazy Rich Asians、本年2018年の製作公開のハリウッド映画だ。じつに面白い映画だった。

この映画の特徴は、なんといってもハリウッド映画であるにかかわらず、登場人物のほぼ100%が中国系のアジア人であることだ。 しかも彼らは、完璧なアメリカ英語を話す。

主人公の女性レイチェル・チューはニューヨーク大学(NYU)で教鞭を執る中国系アメリカ人の経済学教授で、専攻はいま流行の行動経済学。完璧なアメリカ英語を話すニューヨーカー。恋人役の男性ニコラス・ヤンは彼女の同僚で、なんとスーパーリッチなシンガポールの不動産王の跡取り息子であった、という設定。つまるとことはロマンティック・コメディ。 

同じチャイニーズであっても、個人重視の中国系アメリカ人と家族重視の華人系シンガポーリアンではカルチャーが違い、一般ピープルとスーパーリッチでは当然のことながらカルチャーが違う。そのカルチャーギャップと、そこから生じるカルチャーショックによるゴタゴタが面白いのだ。 

基本的にシンデレラストーリーというべきなのだが、山あり谷あり、そしてまた大どんでん返しの結末で、最後の最後まで大いに楽しめる120分。本日はTOHOシネマズの「レディースデー」だったからかどうかはわからないが、観客は圧倒的に女性が多かった。ある意味、嫁(候補)と姑(候補)戦争のような普遍的ストーリーでもあるからだろうか。 だが、この映画はいろんな見方が可能だ。



米国のトランプ大統領が仕掛けた「米中経済戦争」がいま旬のトピックだが、それはあくまでも中国共産党が支配する大陸中国の話。チャイニーズは、中国大陸以外にも世界中に分散しており、とくに東南アジアとアメリカに集中していることは「常識」にしておくべきことだろう。いわゆる「華僑華人」である。英語でいえば Overseas Chinese だ。

経済力をもち英語を話すチャイニーズが、世界の主流になっていることは間違いない。「アングロ・チャイニーズ」と言い換えていいかもしれない。そしてこの映画にでてくるような華人系「スーパーリッチ」が実際に存在することも「常識」にしておきたい。だから、こんな映画が製作可能なのだ。 

もちろんコメディなのでやたら誇張や戯画化も多いとはいえ、この映画が描き出している世界は、「日本人が知らない世界」として見ておくべきなのだ。 そういった観点から、ビジネスパーソンも見ておくべき映画だと言っておきたい。

まあ、そんな話はさておき、ロマンティック・コメディとして大いに楽しめる娯楽映画である。こんな映画が、人種も民族にも関係なく米国で大ヒットしていているのだ。実際に映画館で見て、その理由がよくわかった。

すでに2017年には、登場人物のほとんどすべてがアフリカ人とアフリカ系アメリカ人の ハリウッド映画 『ブラックパンサー』(2017年、米国)が米国で大ヒットしている。そして、登場人物のほとんどすべてが中国系アメリカ人と華人系新がポーリアンのハリウッド映画が大ヒットした。

つぎは、インド系アメリカ人とインド人が登場人物のほとんどを占めるハリウッド映画が大ヒットすることになるのだろうか?






<関連サイト>

映画『クレイジー・リッチ!』公式サイト(日本語版)

Crazy Rich Asians トレーラー(英語版)(YouTube)


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