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2016年10月24日月曜日

映画 『奇蹟がくれた数式』(英国、2015年)を見にいってきた(2016年10月23日)-天才数学者ラマヌジャンもまた夭折した「神に愛された天才」


映画 『奇蹟がくれた数式』(英国、2015年)にいってきた(2016年10月23日)。

ヒンドゥー教の神に愛されたインド人天才数学者シュリニヴァーサ・ラマヌジャンの短い生涯を描いたヒューマンドラマ。第一次世界大戦を挟んだ時期の英国とその植民地であったインドに生きた二人の数学者の「友情」がテーマである。

英国人とインド人。いまでこそ対等の関係であるが、100年前の第一次世界大戦の時期はそうではなかった。衰退傾向にあったとはいえ大英帝国、第一次世界大戦後の「民族自決」の流れのなかで独立志向を高めていったインド。

帝国と植民地という真逆の関係。ケンブリッジ大学教授と、無名で学歴もないインド人の若者という真逆の関係。信仰にかんしては無神論者と熱烈なヒンドゥー教信者という真逆の関係。そんな真逆の関係でありながら、英国人の天才数学者と無名の天才インド人を結びつけたのは、ただ一つ、「数学愛」であった。


英語のオリジナル・タイトルは、The Man Who Knew Infinity(無限を知っていた男)。「無限∞」を知っていた男とは、この映画主人公、夭折の天才ラマヌジャンのことである。

この英語のタイトルに注目する必要がある。「無限を知った男」(The Man Who Got to Know Infinity)ではない、「無限を知っていた男」(The Man Who Knew Infinity)なのである。「無限」につづく「素数」のなかで生きていた人なのである。

熱烈なヒンドゥー教信者であったラマヌジャンにとって、「無限」とは当然のことながら神が創ったものである。だから、ラマヌジャンが「発見」した数多くの公式は、彼みずから編み出したものではなく、神に教えられたものなのだという発言につながるのだ。これは嘘偽りのない発言だと受け取るべきだろう。

「神に愛された者は若死にする」というフレーズがあるが、天才数学者ラマヌジャンもまたそうだったのだろうか。

もちろんラマヌジャンが短命に終わった理由はいくつでもならべることができる。

出身地の南インドのマドラス(・・現在のチェンナイ)と英国の気候風土の違い、バラモンの家系に生まれたためにベジタリアンであったものの当時の英国では菜食主義にかんする理解が一般的に乏しかったこと、結核に感染していたがベジタリアンのため十分な栄養が取れなかったこと、無理解な英国人社会のなかでのマイノリティとしての苦痛、第一次世界大戦の最中であり故郷に残してきた妻と再会できなかったことによる孤独など。



だが、100年かかって、現在ようやっとラマヌジャンの公式の証明が進みつつあるという事実が示すように、あまりにも時代の先をいっている内容であったことに、夭折の理由があったような気もする。数学者のコミュニティ内部での無理解にもとづく癒やされることのない孤独感。

天啓によって数学の公式を知ったラマヌジャン自身の認識においては、熱烈に神を信仰していた彼は、また同時に神の加護にもとにあったというものだったのではないだろうか。日本人の天才数学者・岡潔(おか・きよし)もまた、晩年は熱烈な念仏信者となっていたことを想起する。

天才の脳内の仕組みは、正直いってよくわからない。数学の天才も、宗教の天才もまた、常人の理解を超えた存在である。だから、「神に愛された天才は若死にする」といっても、かならずしも的外れな指摘とは言えないのではないか。

いまから100年前の話だが感動的な内容の映画である。そしてこの映画をみたあとは、天才数学者ラマヌジャンが生きた存在として、映画を見た人の脳内に生き続けることになるであろう。







<関連サイト>

映画 『奇蹟がくれた数式』 公式サイト(日本公開版)

The Man Who Knew Infinity – Official Trailer

現代の数学者を悩ませ続ける「100年前の数学の魔術師」シュリニヴァーサ・ラマヌジャン(WIRED.jp、2016年10月21日)


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・・「著者は、とくに知識層としてのバラモン階級がヒンドゥー教徒としての「心の内なる規制」が足かせになっていたことを、実例をもって指摘している。 同時に、宗教上の理由から行われてきた詠唱(チャンティング:chanting)がインド人科学者たちの論理的能力のバックボーンにあることも著者は指摘している。詠唱によって、まとまった長い文章を記憶する訓練。 そして、サンスクリット語の論理的厳密性が、現在でもインド人科学者たちの論理的思考能力の支えになっている」




(2012年7月3日発売の拙著です)







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