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2021年8月14日土曜日

『MITテクノロジーレビュー〔日本版〕vol.4/summer 2021』(アスキームック、2021年)で「世界を変える10大技術」を読む-それでも、テクノロジーは社会を変えるチカラをもっている!

 

モニタープログラムに応募したところ採用され、無償でいただいたので読んでみた。メルマガ登録して、ふだんは主要記事の目次に目を通している程度だが(・・ときどき記事本体も読んでいる)、まとまった形でムック版を読むのは初めてだ。 

特集「世界を変える10大技術」は、米国版の『MIT Technology Review』で20年前からつづいている特集「10 Breakthrough Technologies」の最新版だ。その年のもっとも重要なテクノロジーを選んだものだ。 


1. メッセンジャーRNAワクチン(Messenger RNA Vaccines) 
2. GPT-3 
3. TikTok の「おすすめ」アルゴリズム(TikTok Recommendation Algorithms) 
4. リチウム金属電池(Lithium-Matal Batteries) 
5. データ信託(Data Trust) 
6. グリーン水素(Green Hydrogen) 
7. デジタル接触追跡(Digital Contact Tracing) 
8. 超高度精密側位(Hyper-Accurate Positioning ) 
9. リモートシフト(Remote Everything) 
10. マルチスキルAI(Multi-Skilled AI) 


■コロナワクチンに採用された「mRNA治療技術」は過去20年間の研究蓄積があってこそ花開いたテクノロジーだ
 
「10大技術」のいちばん最初にくるのが「メッセンジャーRNAワクチン」であるのは、この時節柄ほとんど誰にも異議はないだろう。 

新型コロナウイルス感染症対策として、日本でいま接種が推進されている「ファイザー」( ビオンテックの共同開発)と「モデルナ」の2大主要ワクチンは、いずれも mRNA 技術にもとづくワクチンだ。 

感染爆発から1年もたたないうちに開発に成功したのは、20年にわたる研究蓄積があったからだ。その背景となるストーリーが興味深い。 

「mRNAテクノロジー」を含めた「10のテクノロジー」は、世界に与えた(あるいはこれから与えるであろう)インパクトに注目して選出されたようだが、順位に意味のある「ランキング」として捉えるべきではないだろう。 

もちろん、話題性といった要素も加味されているだろう。だが、技術の内容そのものや、経済やビジネスという観点からだけ捉えられたのでもない。あくまでも社会とのかかわりから、その技術の重要性と可能性に着目したものだ。テクノロジーは、それじたいが素晴らしいものではない。 

前書きに記された文章に説得力がある(*太字ゴチックは引用者による)

振り返ってみると、2020年はこうした以前から「出番待ち」だったテクノロジー花開いた花開いた1年だったといえる。人びとが道具や方法を変えながらも、何とかして仕事や学び、遊びを維持し、生活を取り戻そうとしたとき、、テクノロジーは実際に役立ったのだ。

テクノロジーは社会をよい方向へ変えるチカラをもっていることは、多くの人びとが実感しているところだろう。

すくなくともコロナウイルス感染症対策のワクチンにかんしては、ワクチン拒否派すら、ワクチンの有効性を認めざるをえない方向に向かうことを余儀なくされつつある。


■2001年版の「10大技術」の20年後の「振り返り」が興味深い

関連記事として「技術楽観主義の再来-テクノロジーは明るい未来を照らすのか?」と題して、20年前の2001年に発表された「ブレークスルー10」の解説が興味深い。

20年後の振り返りから得られた教訓が4つあげられている。 

「教訓1 進歩は得てして遅い」 
「教訓2 危機で状況が一変することもある」 
「教訓3 思いもしない方向へ行くことがある」
「教訓4 どう進歩するかが重要となる」 

この4つの教訓は、いずれも大いに納得されるものだ。 

2021年版の「世界を変える10大技術」もまた、10年後や20年後に振り返ったら、面白い結論が得られるに違いない。現在話題になっている技術も、期待通りに(予想通りに)進歩するという保証はないからだ。 

2011年の「福島原発事故」を体験している以上、日本人だけでなく人類全体が、脳天気なまでの手放しの「技術楽観主義」は、もはや持ち得ないものとなっている。

だが、それでもテクノロジーは社会を変えるチカラをもっていることは力説すべきだろう。地球環境問題など、解決しなければばらない問題は山のように存在するからだ。 

テクノロジーが本来的に抱えている「負の側面」をいかに制御しながら、社会をよくするために善用していくか、そのためには専門技術者以外の一般人も、技術を読むリテラシーを高めていくことが必要不可欠だと、あらためて感じている。 本書は、その一助となるだろう。

この特集号を、隅から隅まで読んでみて、そう思った次第だ。 





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2021年8月9日月曜日

2021年に開催された「TOKYO 2020」を振り返る-「ホスト国」の日本は「無観客開催」によって結果として「フェアネス」を貫いた!

(「TOKYO2020」のメダル獲得数 Wikipediaより)

2021年7月23日から17日間にわたって開催された「TOKYO 2020」を振り返ってみよう。

結論としては、「ホスト国」(=開催国)の日本は、結果としてではあるが、「フェアネス」を貫いたといっていいのではないだろうか。

「オリンピック TOKYO 2020」が閉幕した。日本のメダルラッシュ(総合3位)と躍進、しかも新型コロナウイルス感染拡大の同時進行の17日間であった。 

開催中止、あるいは来年に再延長でもよかったのではないかと個人的には思っている。だが、それでも「1年遅れの開催」で、しかも「無観客開催」となった。 

個人的には、「無観客開催」となったことは、あくまでも結果としてではあるが、意外にも、大いに評価すべきであると考えている。なぜなら、これによって「ホスト国の日本」は「フェアネス」を貫くことができたからだ。 

そうでなくても、「アウェイ」開催に対して「ホスト国」が有利になるのは理の当然だ。しかも、この状態で、海外からの入国制限を行ったうえで日本人観客のみ入れるとなったら、外国人選手の立場からすればフェアであるとは言い難い。大会関係者を除いて、観客の9割以上が日本人という異常な状態となっていたからだ。

誤審問題がヒートアップした可能性があることは、近隣諸国の反応をみれば明かであると言うべきだろう。SNSを中心にした誹謗中傷では済まなかった可能性もある。 

つまり、ホスト国の日本が、無観客開催でこれだけの成果を出すことができたということが素晴らしいのだ。そう評価すべきではないだろうか。 

言うまでもなく、今回の「TOKYO2020」は、開催前に問題噴出となった。ギリギリのところでイベントそのものは、関係者の献身的な努力で、かろうじて最後までオペレートすることができた。 

「人権問題」をはじめ、日本社会が抱えるさまざまな「闇」が明かにされたが、こんな機会でもなければ顕在化すことはなかっただろう。そう考えれば、日本再生のためにチャンスをもらったと前向きに捉えるべきではないかもしれない。 

「記録か、記憶か?」という問いがある。好成績を叩き出した「記録」もさることながら、結果としては、さまざまな意味で「記憶」に残るオリンピックになったことは間違いない。

前回の1964年大会は、「戦後復興」ということで、高度成長への道筋をつけたことに意義があり、これが韓国や中国にも「モデル」として採用されたくらいだが、おそらく今後はオリンピック熱は大きく減退していくことだろう。50年後にオリンピックが開催されているかどか不透明になってきたかもしれない。

♪ 東京でやる五輪は これが最後ねと さみしそうに 君がつぶやく

イルカの「なごり雪」をもじって、こんなことをくちずさんでしまう人もいるかもしれない。

とはあれ、今回の「TOKYO2020」を 後世にどう語りつぐか、それは日本国民のそれぞれにとっての課題となる。マスコミによる世論誘導を離れた、ノンフィクション作家たちの仕事を楽しみにしている。 


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