ことし3月に起こった「抗議船」の転覆事故について、総力をあげて徹底取材を行った労作だ。
取材を深めるなかで浮かび上がってきた闇の数々。闇の解明はまだ始まったばかりだ。本書はその中間報告である。
「平和学習」という名目の研修旅行で「抗議船」と知らずに乗せられたうえ、転覆事故で亡くなった同志社国際高校の17歳の女子生徒。あまりにも痛ましい。ご遺族の気持ちは察するに余りあるものがある。この場を借りて哀悼の意を表したい。
事件の詳細については、スクープを連発した新聞記事を再構成して本書に収録されている。
「本という形」で重要なのは、この事件をめぐり闇を多面的に取材し、考察を行った内容が整理されていることだ。
「抗議船」を出していた「抗議団体」という闇、当該高校と抗議団体との接点にある闇、いわゆる「平和活動」する牧師を支えてきた日本基督教団の闇、そして政治とメディアにかかわる沖縄の闇。それぞれ、当事者でないとわからないようなことばかりだ。
今回の事件にかんしてもっとも重要なことは、文部科学省がしびれを切らして本格的に調査に動いたことだ。調査の結果、「教育基本法」(1947年制定)が誕生して以来、当該高校に対してはじめて「違反認定」を行ったのである。
具体的には「教育基本法」の「第14条第2項」に定められた「教育における政治的中立性」にかんする事項に対する違反である。条文を書き出せば、「法律に定める学校は、特定の政党を支持し、又はこれに反対するための政治教育その他政治的活動をしてはならない」となる。
けっして「平和学習」そのものが悪いのではない。平和はきわめて大事である。教育においては「政治的中立」を遵守しなくてはならない、この原則が重要なのだ。
文科省による調査については、「同志社国際高等学校の研修旅行等について(これまでの把握事項と文部科学省の見解)」として公開されている。本書の「資料編」にも再録されているので、教育関係者は熟読する必要がある。
この事件については、最初から取材で追っていたのは産経新聞社だけだった。この経緯については SNS の X でわたしもずっと見てきたが、事件発生の現場である沖縄、学校のある京都、そして文部科学省のある東京と、組織力を活かして広域にわたる取材を総力をあげて行ったことに敬意を表したい。
と同時に言わなければならないのは、産経以外の新聞社もTVメディアも、ほとんどが見て見ぬ振りをしてきたことだ。申し訳程度に後追い記事を出しているのみだ。この罪はきわめて大きい。
新聞社が「社会の木鐸(ぼくたく)」を標榜するなら、関係者に忖度することなく事実の究明を行うのが使命ではないのか?
いわゆる「オールドメディア」には、ジャーナリズム精神の原点に立ち返るよう、猛省を促したい。
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目 次はじめに第1章 17歳の命を奪った「人災」第2章 同志社国際と抗議船の結節点第3章 認定された「政治的中立性」違反第4章 不作為と無責任の連鎖第5章 「平和活動家」牧師の実像第6章 立ち上がった遺族第7章 防犯カメラがとらえた決定的瞬間第8章 抗議団体に問う第9章 沖縄メディア報道の内幕資料編 文部科学省の調査報告書
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・・「共産党員やそのシンパ、左翼思想に染まった弁護士たち、それとは別個に統一教会をキリスト教異端とみなし、徹底的に叩くことに執念を燃やしたプロテスタント系の牧師たちと合流することで反統一教会活動のネットワークができあがり、「被害者救済」を名目にした「正体を隠し」の活動が行われてきたのだ。」
➡ 構造的に「抗議船」と同類系であるだけでなく、人的な関係もあるのではないか?日本基督教団の左派活動家たちの闇の解明はいまだ緒についたばかり
・・現実の社会問題から目をそらし、キレイ事を叫びまくる左派への異議申し立て
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