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2010年6月22日火曜日

Two in One, Three in One ・・・ All in One ! -英語本は耳で聴くのが一石二鳥の勉強法


 「一粒で二度美味しい」というのは、手をあげて走る人のロゴマークで有名なグリコのキャラメルのキャッチコピーだが、一度に二つ(Two in One)、三つ(Three in One)、あるいはすべてを同時にやってしまう(All in One)のが、実は効率が良いだけでなく、効果的な方法論でもある。


「ながら」は悪いの?

 私が中学生の頃は、ラジオを聴きながら勉強していると親からよく「ながら」はやめろといわれたものだ。「ながら」とは、「何々しながら」の略だが、たしかに日本語の音声を聴きながらでは集中力が落ちるのは否定できない。どうしても面倒くさい勉強より、ラジオでしゃべっている DJ のトークのほうに注意がいってしまうためだ。

 私はいま英語の音声を流しながら書いているが、これはリズムつくりの上で非常によい。ビジネス情報専門のBloomberg TV がウェブサイト上で無料で放送しているので(・・無料だと画像の質が悪いが、音声は問題ない)、画面を見ないで音声だけ聴いている。いや聞いているというべきか。 英単語は断片的に耳に飛び込んでくるが、集中して聴かないと内容までは理解できない。まあ、これは日本語でも同じことだろう。

 むかしコンサルティングファーム勤務時代にやっていたのは、残業中にヘッドフォンで音楽を聴きながら、キーボードに向かって文章を書いていたことだ。
 これはきわめて効率的である。まわりの人間の雑音をいっさいシャットアウトし、音楽のリズムにあわせてそれこそリズミカルに両手の指が動くからだ。

 幼名を厩戸豊聡耳皇子(うまやどとよとみみおうじ)といった聖徳太子ではないので、すべての音声を同時に処理することは人間には不可能だろう。一説によれば、聖徳太子は10人が同時にしゃべる音声を理解できたのではなく、当時の国際情勢のなかで渡来人も多い環境のなかで、いろんなコトバを聞き分けていたということらしい。


行き帰りの通勤電車のなかで英語本の朗読テープを聞く

 音声にかんしては、会社にはいってからだが、こういうことをやっていた。英語の勉強のために、行き帰りの通勤電車のなかで英語のテープを聞いていたのである。これは、米国留学に出発した27歳より前のことである。

 むかし流行していた教材に「ヒアリング・マラソン」というのがあって、電車のつり革広告でいつもお目にかかっていた。オーソン・ウェルズが朗読するシドニー・シェルダンの小説をひたすら聞くという教材で、たしか『家出のドリッピー』とかいう小説だったと思うが、私はまったく聞いたことがないのでわからない。

 私がやっていたのは、米国のビジネス書を朗読したテープを、行き帰りの通勤電車のなかでヘッドフォンステレオ(≒ウォークマン)で聴くということだった。その当時の英語力では一回聴いただけではもちろん理解はできなかったが、「読書百遍、意自ずから通ず」ではないが、英語音声も何度も繰り返し聴いているとわかってくるのが面白い。
 こうやって聴いたテープでいまでも覚えているのは、「リー・アイアコッカ自伝」(・・クライスラーを再建したCEO)、「ドナルド・トランプ自伝」(・・不動産王、現在も復活して活躍)などなど。何度も耳で聴いた内容は、思った以上に血となり肉となっている(?)のである。

 米国ではいまでもカセットテープ版があるのは(・・現在は CD や iPod 向けもある)、自分でクルマを運転しながらこうしたテープを聞く人が多いからだ。目で読むことができないので、耳を使う。時間節約術としても、効果も点でも耳で聴くのは理に適っている。


通勤電車のなかで英語版新約聖書の朗読テープを聴く

 音声を使った勉強法で、私がやってみた最大のものは、通勤電車のなかで英語版新約聖書(New Testament)のテープを聴いていたことだろう。①新約聖書、②英語リスニング、③通勤時間活用、の3つの要素を一体化してしまうという方法である。

 大学時代、「新約聖書時代のユダヤ史」という授業をとったことがある。英語の文献を読みながら、イエスが生まれる前のユダヤ史を勉強するというもので、私はキリスト教徒ではないが知的関心から参加したのである。
 授業内容はさておき、教授がいっていたコトバで記憶に残ったのは、「国際ビジネスマンを目指しているのであれば、常識として聖書ぐらい読みなさい」というものだった。文語訳の旧新約聖書はもっていたが、当然のことながらほとんど読まないままビジネスマンになってしまったのである。

 勤務先が当時は大手町だったので、ときどき日本橋の丸善本店にいっては洋書売場にいっていたのであるが、あるとき見つけたのが英語版の新約聖書を朗読したカセットテープのセットだった。いくらしたのか忘れてしまったが、そんなに安くはなかったような気がするが、とにかく買ってしまった。
 New King James Version だったと記憶しているが、格調高い King James Version(欽定訳聖書)をより現代風に改訂したものだろう、これを最初から最後まで全部聴いたのである。
 気になるものは何度も繰り返し聴き、信者でない私にはまったく関心のないものは一回聴いたらそれで終わり、というやり方でとにかく全部聴き通した。
 「福音書」や「黙示録」といった面白い内容のものは何度も聴いたものである。おかげで、福音書のなかのさまざな登場人物のセリフが耳に残っている。イエスを主人公にしたハリウッド映画にもでてくるものだが、画像なしに耳で音声だけを聴いていると、なぜか非常に強い印象として訴えるものがあるのだ。

 Crucify him ! Crucify him !(その男を磔にせよ!)
 You will deny me three times until dawn.(夜明けまでにあなたは私を3回否認するだろう)
 
 こういったセリフは20年以上たっても記憶に新しい。
 視覚記憶よりも聴覚記憶のほうが、より人間の内面に訴えるものが強いのだろうか。

 というわけで、この通勤電車のなかで新約聖書の英語版のテープを聴く勉強法は、ぜひおすすめしたい。

 このほかにも、チベット仏教徒としても著名なハリウッド俳優のリチャード・ギアが朗読した、『チベット死者の書』(Tibetan Book of Death)や、『英訳 孫子の兵法』(The Art of War)など、いい教材がたくさんある。
 聖書は西洋文明の基礎教養だが、東洋の教養である「孫子の兵法」も、米国のビジネスパーソンのあいだでは比較的よく知られていることも付け加えておこう。たとえば、To win without fighting is best. などという表現がでたら、それはいうまでもなく「戦わずして勝つ」の意味である。


視覚だけでなく聴覚の活用も

 耳で聴くのは目が疲れないだけでなく、視覚情報とは異なる聴覚情報という特性がある。五感(視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚)をうまく活かした勉強法があるということは知っておいたほうがいいのではないか?
 現代人は視覚情報に80%以上を依存しているというデータもある。視覚以外の五感がフルに活用されているだろうか。

 一つの目的に一つの方法だけでなく、複数の目的達成を一気にやってしまうと、効率的だけでなく効果的なのである。相乗効果といっていいかもしれない。

 これが Two In One(ツーインワン)、Three in One(スリーインワン) あるいは All in One(オールインワン)という時間活用法である。




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"try to know something about everything, everything about something" に学ぶべきこと 

(2014年8月17日 情報追加)




(2012年7月3日発売の拙著です)








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