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2009年11月18日水曜日

タイのあれこれ (12) カオ・マン・ガイ(タイ料理) vs. 海南鶏飯(シンガポール料理)・・・





 カオマンガイとは、タイの代表的な庶民料理である。分解すると、ガイ(=鶏)のカオ(=飯)、つまりチキンライスである。

 しかし、日本でいうチキンライスとはまったく異なる。日本ではチキンの入った焼き飯のことをチキンライスというが、カオ・マン・ガイは炊き込みご飯と、店頭に何匹もつるしてある茹でた鶏をその場で中華包丁で骨ごと食べやすく切ってのせ、あっさりしたスープとともに供されるスタイルのきわめてシンプルな料理である。

 鶏肉は水煮して油が適度に抜けており、あっさりして美味い。またご飯は鶏肉を煮た煮汁で炊いたもので、鶏の味が沁みてこれもまた美味い。

 こういう単純な料理だけに、店によって全然味が違うのである。美味いカオマンガイは実に美味いが、そうでもない店が多いのもまた事実だ。


「緑のどんぶり」は味のお墨付き

 たまたま私がオフィスにしていたビルの近くのビルのフードコートに、実にうまいカオマンガイの店があって、よく食べに行っていた。スープがついて30バーツ、日本円なら100円程度でうまい昼飯が食えるのだから恵まれたものだ。

 ここは何の変哲もない店なのだが、なんと"緑のどんぶり"のお墨付きの店なのであった。

 "緑のどんぶり"とは、王族出身のタナットシーというグルメ評論家として有名な人が、個人的にお忍びでタイ料理、とくに庶民料理の評価をしているもので、まあいってみればタイのミシュランみたいなものである。緑のどんぶりのマークは、うまい飯のお墨付きとしてタイではよく知られた目印になっている。
(右上に「緑のどんぶり」の表示がある))

 この店の場合は、10・2・35 とあり、つまり仏歴2535年(=1992年)2月10日認定、ということである。

 ただ惜しむらくは、個人でやっているものなので、追跡調査がなされておらず、認定された店の味がキープされているかどうかはわからないことだ。これはお店の繁盛具合と自分の舌で判断するしかない。


 タイ人も日本人もあまり気がついてないが、カオマンガイは間違いなく華人が持ち込んだ料理で、シンガポールの海南鶏飯(ハイナン・チーファン)と起源を同じくするものだろう。シンガポールあるいはマレーの華人がもちこんだのか、海南系華人が海南島からダイレクトに持ち込んだのか、もしこれが実証されれば(・・どの料理本にもタイ料理の歴史については詳しい記述がない)、タイでは少数派の海南系華人が持ち込んだことになる。

 日本でもシンガポール料理の海南鶏飯は、海南鶏飯のチェーン店があるので食べることができるが、マオマンガイはタイ料理店ではまずメニューにないだろう。ただ、ネットで調べたらカオマンガイ専門店が東京の神田にできていたらしい。そのうち食べに行ってみようかな。


華人がタイに持ち込んだ料理

 タイ料理は、中華料理、とくに潮州系華人がもちこんだ潮州料理とハイブリッドになることで、飛躍的に味が進化したことは間違いない。焼き飯や麺だけでなく、その他もろもろの庶民料理はかなりの程度まで東南アジア共通のものがあり、各地に華人が持ちこんだ庶民料理がベースだから、味も外見も似ていて当たり前なのである。

 インド系のカレーぶっかけ飯とともに、庶民料理の双璧をなしている。
 
 タイでは中華料理といえば潮州料理がもっとも一般的で、海鮮を中心にした味はあっさりしたものが多く、上海料理よりもはるかに日本人の舌にあうはずである。なんといってもフカヒレが比較的安く食べられるのが、バンコクの潮州料理の最大のメリットだろう。ぜひバンコクではお試しいただきたい。

(ラチャダには雲南省出身の「新華僑」も多い)

 このほか、雲南料理も食べることが出来る。先週バンコクにいった際にラチャダの雲南料理店で食べてきたが、ピリ辛だが四川料理よりは辛くない。

(バンコクでは雲南料理も食べられる)

 中国の雲南地方はタイとは直接国境を接していないが、シーサンパンナー(・・タイ語ではシプソンパンナー)はタイ族の故郷であり、現在も少数民族としてタイ族が住んでいる。ぜひいってみたいと思っているが、チャンスを逸してしまったので、いついけることやら。

 マジョリティの潮州系や広東系、客家といった華人はみな海を越えて移住してきた華人なので英語では Overseas Chinese といわれるが、雲南系華人は山を越えて移住してきた華人なので、Over Mountain Chinese とよばれることもあるらしい。


タイ料理の世界はハイブリッド

 食文化の世界は本当に面白い。食べてよし、語ってよし。

 特に東南アジアは気候に恵まれているので海のものも、山のものも食材が豊富だし、インド料理、中国料理に加え、旧植民地では西洋料理、最近では日本料理の影響も混ざり合って、実にハイブリッドな、バラエティに富んだ多様な味ができあがっている。

 パクチー(香菜:シャンツァイ)の匂いがキライだから、ナンプラー(=魚醤:ベトナムではヌクマム)の匂いがキライだから東南アジア料理はいや、などと食わず嫌いなセリフは口にするのはやめて、大いに食を楽しみましょう。

 パクチーがキライといっているあなた、乾燥したパクチーはコリアンダーとして西洋料理では香辛料として隠し味として使われているのをご存じではないのかな。

 うまいものを食べて、うまい酒を飲む。人生の楽しみはこれに尽きるのに・・・







PS 読みやすくするために小見出しをつけ、写真を大判に変えたほか、<ブログ内関連記事>をあらたに加えた(2014年1月28日)。  写真1枚を追加した(2014年2月1日)。



<ブログ内関連記事>

「タイのあれこれ」 全26回+番外編 (随時増補中)                   
     

タイのあれこれ (2)-オースアン(タイ料理のひとつ)

タイのあれこれ(5)-ドイツ風ビアガーデン

タイのあれこれ(9)-華人系タイ人の"キンジェー"(齋)について

イサーン料理について-タイのあれこれ(番外編)

仏歴2553年、「ラオス新年会」に参加してきた(2010年4月10日)-ビア・ラオとラオス料理を堪能

『タイ食材図鑑』(アライドコーポレーション、2012)-タイ料理をつくって食べる人は必携の図鑑。もちろん、食べるだけの人も見て読んで楽しい図鑑





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