かたい話が続いたので、ここらへんでちょっとCMタイムといたしましょうか。
バンコクでTVをローカル放送のチャンネルでつけっぱなしにしたまま他のしていると、突然日本語の音声が流れてきてびっくりすることがあるんですねー
ある日、いきなりアニメの「一休さんのテーマ曲」が日本語歌詞のまま流れてきてります。なんと、アニメの放送ではなく、CMだったのでした。
タイのTVで、「ウルトラマン・タロウのテーマ曲」を日本語で聴いたときには感動したものです。作詞は阿久悠なんですね、テーマ曲は吹き替えなしでそのまま放送してます。
CMでもへんちくりんな日本語ではなくて、ちゃんとした日本語なので、余計にびっくりするわけです。
そんなCMをいくつか紹介しておきましょう。笑えるのもるし、洗練されたのもある。
こんなCMをつうじて、いまのタイ人が、とくにバンコクのタイ人が日本をどう見ているのか、よくわかると思います。
その昔、田中角栄首相が訪タイした際に、激しい反日運動が起こったなんてこと、もう日本人もタイ人も、誰も覚えてないんでしょうか。いまから40年近く前の話です。
日本語を全面に出しているのは、日本企業のCMが多いですが、タイ企業も日系以外の外資系企業も、なんらかの形で"日本"(イップン)をウリにしている会社や製品がありますね。
すでに"高度消費社会"となっているバンコクの生活シーンをかいまみる、またとない素材にもなっっているといっていいでしょう。
ではまず OISHI のCMから。「おいしい」という社名の、日本を売りにしたタイの食品会社です。日本の資本はまったく入ってません。
◆OISHI ①
スッゴーイ内容ですね。驚くでしょ。タイではシャブシ(=しゃぶしゃぶ+すし)で有名。
◆OISHI ②
OISHI製品を食べてタダで日本へ行こう!というキャンペーンCM。社長自ら機長に扮してCMにでています。目立ちたがり屋ですねえ、でも辣腕のビジネスマンです。
では次に、日本のキリンのペットボトルお茶の製品「生茶」(なまちゃ)のCM
◆KIRIN 生茶 ①
生茶先生バージョン。パンダの生徒たちがかわいいですねー、でも中国じゃなくて日本のCM
◆KIRIN 生茶 ②
"タイの国民歌手"バード・トンチャイが、日本旅行で温泉宿へ。
いくつになっても美青年ぶりが崩れない、日本でいえばジャニーズ事務所のお兄さん格、元少年隊の東山のようなバードです。たしかもう50歳を過ぎてるんですがねー
『クーガム』(1995年)で日本の海軍中尉コボリ役を演じた際は、日本語を猛特訓したとか。サントラ・アルバムのなかでは、なんと「同期の桜」を日本語で歌っています。
今度はオランダのコーヒーメーカー MOCCONA社の製品CMから。
◆MOCCONA TRIO "タイのはにかみ王子"アイスが登場。でも、日本色を全面に出すのが目的ではないようですね。タイのアイドル・スターが日本デビューで成功、というのがタイ人にもうれしいのかな、それを狙ったもの。日本語とタイ語の違いで笑いをとります。
では、次はがらっと変わって、かなりエグイCMを。あらかじめご了承いただきたく。
◆Salz Habu Toothpaste
ライオンの歯磨き粉「ザルツ」。いやあ、エグイなあ、臭ってきそうな黒田節・・・すんまへん。
◆Shokubutsu for MEN
同じくライオンの製品ブランド 「植物物語」、こちらはメトロ・セクシュアルな美青年で。
◆「マキアージュ」
資生堂の製品ブランド「マキアージュ」。伊東美咲も登場してますねー、口直しになりましたでしょうか。
◆KTC JCB カード
金城武(?)が日本語のセリフで、カッコおいいですねー。これはかなり洗練されたCMですね。クルンタイ・カード(KTC)とJCBの合弁企業です。
いやあ、タイのCMも実にバラエティが広くて面白いですねー
日本を全面に出したマーケティングがこれほど有効な国もないのではないでしょうか。
ついでといってもなんですが、かならずしも日本がらみでなくても、実におもしろおかしいCMが豊富にあるのがタイのTVです。
米国流のマーケティングと日本流のマーケティングのいずれか、あるいは両方の影響がみられて面白いですね。米国流が東京風の洗練されたものだとしたら、日本流は関西ノリですね。もちろん、簡単に分類はできませんが。
とにかく、コトバはわからなくても、笑えるCMが多い。
タイスキのチェーン店MK(エムケイ)のコマーシャル。日本ではCOCA(コカ)が有名ですが、店舗数の数においては圧倒的にMKが一番の人気店です。MKといえば京都ではタクシー会社の名前ですがお間違えなく。
◆MK ①
店舗編。CMにも一部でてきますが、従業員が全員で踊るショータイムがあるのもMKの面白いところです。
◆MK ②
タイスキ・セットのホームデリバリーサービス編。タイ語で数字の5は、ハーと発音します。ダジャレ系。
◆MK ③
MKゴールド。華人系の小金持ち階層のようですね。
◆MK CM ④
高校生の友情編。心温まる内容です。
では次にB級CMから。
◆殺蚊剤ターター
これは笑える!のキンチョールのCMにもこんなのがあったような気が・・。30秒バージョンはもっと面白いんですが、だれかアップしてくれないかな。東南アジアでは、蚊が媒介するデング熱は要注意です。
◆のど、ハナ、スッキリ! ホールズのど飴
タイの庶民には、こんなかんじの太ったおばちゃんがいますね。タイの女は強し。わかりやすいCMですね。これも日本では俳優の大泉滉が夫婦ででていたCMを思い出します。貧弱な夫にふとった奥さん。ダメおやじにオバタリアン。
◆激辛スナック TWISTIE
この極端な誇張は、わざとらしいけど笑えますねー。ヒィ~ああ辛そう。
最後に、ネスカフェのCMを。
◆NESCAFE Three in One
さすがに欧米風で洗練されてますね。バンコクの外資系企業(・・日系ではなく、欧米系!)のオフィスのような)にて。やや、ひねった笑い。コーヒーが飲みたくなってきましたね。
さあて、どうだったでしょうか。
みなさんも、タイにいったらまず、ローカル局のTVをみてみましょう。タイのおもしろCM探してみてください。
もちろん、YouTube にもいろいろアップされてますよ。
P.S.
インターネット TV でタイの TV がリアルタイムで見れます。
このファイルをクリックして見たいTV局を選んで下さい。ただしこのサイトは英語です。
http://wwitv.com/portal.htm?http://wwitv.com/television/204.htm
(2010年1月27日)
* タイのあれこれ(23)につづく。ついでに番外編もどうぞ
<ブログ内関連記事>
タイのあれこれ (3)-新聞という活字メディア
・・タイの外資系(日系含む)ビジネスパーソンは英字新聞を読む
「タイのあれこれ」 全26回+番外編 (随時増補中)
end