本日(2月11日)が「建国記念の日」として国民の休日になったのは、いまから45年前、戦前は「紀元節」といっていたそうですが、根拠は『日本書紀』に基づくのだとか。
ことし2013年は、皇紀2673年となります。昭和15年、すなわち1940年に「皇紀2600年記念祭」が挙行されたという歴史的事実をアタマのなかにいれておけば、簡単に暗算できますよ。
まあ、賛否両論でいろいろ意見もあるでしょうが、2月11日が建国の日というのは、「歴史」というよりも、あくまでも 「神話」ととらえておくべきでしょう。
「物語」といってしまえば「歴史」と同じではありますが、そもそも「紀元節」は明治時代になってから、近代国家としての日本で制定されたものは記憶にとどめておきましょう。
建国記念の日、すなわち紀元節は、『日本書紀』の記述に基づいたものですが、読んで面白いのは、むしろ『古事記』のほうです。
写真の角川文庫版は、わたしがはるかむかしの中学生のときに買ったもの。現代語訳だけ読みましたが、子どもの頃に読んだ内容は、かなり覚えているものですね。ただし、古代のおおらかでエッチなシーンはわざと訳し落としていることは、高校時代に本格的に古文を学んでからわかりましたが(笑)
『古事記』もさることながら、子どものころからずっと、文庫本の表紙に写真として掲載されている「勾玉」(まがたま)が気になってました。
なぜ古代日本人は、胎児のような形の玉を大事にしていたのか? まずはその形と色に大いに興味をそそられます。生物学の教科書の進化論の説明にでてくるイラストそっくりですね。爬虫類、両生類、鳥類、哺乳類を経て人間に進化していく系統図のあれです。
大人になってずいぶんたってからやっと勾玉を入手しました。京都の八坂神社と奈良で入手したものに自分でひもを通してみました。玉(たま)は魂(たま)、勾玉はパワーストーンですね。ネコの「たま」が、玉や魂と関連があるのかどうかはわかりません。
日本と日本人を極めるためにも、『古事記』と「勾玉」にはおおいに注目していただきたいものです。
ちなみに、角川文庫の旧版の『古事記』の訳注を行った武田祐吉は折口信夫の同級生。角川書店の創業経営者の角川源義は折口信夫の弟子にあたる国文学徒です。
出雲大社も大きな催しですね。『古事記』編纂と60年ぶりの出雲大社遷宮ですね。伊勢神宮も式年遷宮ですし、ことしはめでたいと年になりますね。女優の浅野温子の「古事記語り」も聞いてみたいいなあ。
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書評 『折口信夫 霊性の思索者』(林浩平、平凡社新書、2009)
書評 『折口信夫 独身漂流』(持田叙子、人文書院、1999)
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