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2015年4月14日火曜日

「没後50年 谷崎潤一郎展-絢爛たる物語世界-」(神奈川近代文学館)に行ってきた(2015年4月12日)-谷崎ファンなら絶対にいくべき企画展


「没後50年 谷崎潤一郎展-絢爛たる物語世界-」(神奈川近代文学館)に行ってきた。4月に入ってから雨の日が多いが、ひさびさに好天にめぐまれた日曜日は港町横浜の散歩日和であった。ミュージアムめぐりの一環として、はじめて神奈川近代文学館を訪問。

谷崎潤一郎は、1886年(明治19年)に日本橋蛎殻町に生まれ、1965年(昭和40年)に79歳で世を去った文豪。ことし2015年が没後50年であり、来年2016年は生誕130年となる。その没後50年を記念しての本格的な企画展である。


じつはわたしは谷崎文学ファン
    
小説をほとんんど読まない現在のわたしだが、谷崎潤一郎の文学作品は高校時代から大学時代にかけてかなり読んだ。「耽美派」は、わたしの好みなのである。森鷗外、永井荷風、佐藤春夫、谷崎潤一郎といった系列である。
    
『陰影礼賛』『春琴抄』『痴人の愛』そして『細雪(ささめゆき)』など。読み始めたキッカケは文学史に残る文豪というだったということだろうが、読み始めると谷崎世界にはすっかり魅了されてしまった。日本の古典文学、ことに王朝文学好きなことが影響しているのかもしれない。

わたしが高校生だったのは、いまから30年以上前だから、谷崎没後はまだ20年もたっていなかったことになる。高校三年生になると古文では『源氏物語』が満を持して(?)登場するが、クラスのなかには谷崎潤一郎による源氏物語の現代語訳、いわゆる「谷崎源氏」を使っている子もいた。作家による源氏物語の現代語訳はあまたあれど、いまなお古典的な存在が「谷崎源氏」である。

高校三年で使用した英作文の教科書に、『細雪』の神戸大洪水のシーンが使用されていた記憶がある。三省堂の『クラウン・イングリッシュ』である。谷崎の流麗な日本語の文章を英文に直すのである。考えてみれば、ずいぶん高度な内容である。

そんなこともあって、大学に入学してから中公文庫からでたばかりの一冊本の『細雪』を通読した。さすが、『源氏物語』の現代語訳を行った谷崎潤一郎ならではのものであった。

谷崎の日本語はワンセンテンスが長いが論理的である。小説によってさまざまに使い分けていた文体にも注目したい。物語世界を醸し出すチカラは、想像力と構想力、そして文章力にある。

谷崎文学は、また文学と美術のコラボレーションでもある。

『鍵』や『瘋癲老人日記』など晩年の作品では板画家の棟方志功若き日の作品『人魚・魔術師』の装画を担当した水島爾保布(みずしま・におう)。後者は、オスカー・ワイルドの戯曲『サロメ』の装画を担当したオーブリー・ビアズリーに比せられている。このほか、新聞連載中の谷崎作品に挿画を描いたのは、そうそうたる画家たちである。中公文庫や岩波文庫からは、挿絵入りで文庫化されている。

この企画展でも、そういった谷崎潤一郎の多面的な姿が紹介されている。


■「没後50年 谷崎潤一郎展-絢爛たる物語世界-」
    
今回の企画展は、予想していたよりもはるかにすばらしい内容であった。編集委員の千葉俊二氏は谷崎研究の第一人者である。

すばらしい構成と展示品の数々の企画展であった。構成は以下のとおりである。文豪の生涯を幼少期からたどることで見えてくるものがある。

序章 幼少時代
第1章 物語の迷宮(ラビリンス)
第2章 <永遠女性>の幻影
終章 老いの夢

娘あてに書かれた新発見の書簡は情愛細やかなもので、テレビニュースでも紹介されていた。谷崎潤一郎のつくりあげた「虚像」と「実像」のギャップを知ることができる。文学上の想像力と実生活との関係は、かならずしもイコールではない。

文学作品はそれそのものを味わえばいいのであって、作者がどんな人生を送ったどんな人であったかは関係ないという立場もあるが、わたしはかならずしもそうは思わない。舞台裏を知りたいという欲求は、文学作品に限らずファンにはつきものだ。

『図録』も購入したが、これで1,000円なら安い。中央公論社像業130年記念出版として、『決定版 谷崎潤一郎全集 全26巻』が刊行されるということも会場で知った。

さすがに全集まで読み込むつもりはないものの、いままで読んでいない作品もまだまだたくさんあるので、文庫本を中心に谷崎文学は機会をつくって読んでいきたいと思っている。
  
そんな気にさせられた企画展であった。2015年5月24日まで開催されている。 







PS 大佛次郎(おさらぎ・じろう)記念館

すぐ近くにある大佛次郎記念館にも立ち寄ってみたが、これは予期せぬ掘り出し物だった。大衆文学で映画の原作でもある『鞍馬天狗』のファンというわけではないし、それほど読んでいるわけではないのだが、フランス畑でネコ好きであった多作家の書斎を再現した記念館は一見の価値はある。「港の見える丘公園」の散策の途中に立ち寄りたい。


<関連サイト>

特別展  没後50年 谷崎潤一郎展-絢爛たる物語世界-(神奈川近代文学館) (公式サイト)

谷崎潤一郎メモリアルイヤー|特設ページ|中央公論新社



<ブログ内関連記事>

詩人・佐藤春夫が、おなじく詩人・永井荷風を描いた評伝 『小説 永井荷風伝』(佐藤春夫、岩波文庫、2009 初版 1960)を読む
・・谷崎潤一郎から妻を「譲り受けた」佐藤春夫

市川文学散歩 ①-葛飾八幡宮と千本いちょう、そして晩年の永井荷風
・・戦争末期に空襲で焼け出され、谷崎潤一郎宅にも疎開した永井荷風

語源を活用してボキャブラリーを増やせ!-『ヰタ・セクスアリス』 (Vita Sexualis)に学ぶ医学博士・森林太郎の外国語学習法

「旧江戸川乱歩邸」にいってみた(2013年6月12日)-「幻影城」という名の「土蔵=書庫」という小宇宙
・・谷崎潤一郎の「探偵小説」を激賞して刺激を受けた江戸川乱歩

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・・谷崎潤一郎による『現代語訳 源氏物語』は現在でも読まれているロングセラー

「ザ・ビューティフル 英国の唯美主義1860~1900」(三菱一号館美術館)に行ってきた(2014年4月15日)-まさに内容と器が合致した希有な美術展
・・谷崎潤一郎の『人魚の嘆き・魔術師』の装画を担当した水島爾保布は、オスカー・ワイルドの戯曲『サロメ』の装画を担当したオーブリー・ビアズリーに比せられている




(2012年7月3日発売の拙著です)











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