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2016年1月11日月曜日

映画 『ブリッジ・オブ・スパイ』(米国、2015年)をみてきた(2016年1月10日)-米ソ冷戦時代を背景にしたスリリングで重厚なヒュ-マンドラマの傑作


映画 『ブリッジ・オブ・スパイ』(米国、2015年)をTOHOシネマズでみてきた(2016年1月10日)。

スピルバーグ監督のシリアスものではイスラエル情報機関モサドによるテロリストへの報復を描いた『ミュンヘン』と同様、いやそれ以上に重厚なヒューマンドラマといっていいのではないか。まったくスキのない、練りに練られた構成の142分である。

原題は、Bridge of Spies、つまりスパイは複数形。「スパイたちの橋」。橋は異なる世界を結ぶ存在であり、異なる世界への出入り口でもある。スパイたちとは、米国内で長年活動したのちに拘束されたソ連のスパイと、撃墜された米国の偵察機U2のパイロットである。

1957年から1960年にかけての、冷戦時代の米ソ対立時代の捕虜交換秘話でをベースにしたドラマである。人類が核戦争の危機に直面していた時期であり、東西に分断されたドイツでは「ベルリンの壁」が建設された時期である。



この米ソのスパイ交換に大きな役割を演じたのは、ひとりの米国市民であった。保険専門の弁護士(insurance lawyer)としてキャリアを積んできた主人公の男は、所属する法律事務所が政府から依頼されたソ連のスパイの弁護を国選弁護士として行うことになる。

共産主義の脅威が核戦争の恐怖として声高に語られていた当時の米国においては、「敵国」ソ連の、しかも米国内で活動していたスパイ(!)の弁護を行うことなどは、まさに「非国民」であり、生命の危険さえあったのだ。それは弁護士本人だけでなく、家族にも危険が及ぶことを意味していた。

マッカーシーによる「赤狩り」が猛威を振ったのは1940年代後半、原子爆弾の秘密をもらしたローゼンバーグ夫妻がソ連のスパイとされて処刑されたのは1949年。映画の時代設定は、「赤狩り」の時代から、わずか10年しか立っていないのである。

みずから望んだわけではないものの、ソ連のスパイの弁護を引き受けた主人公であったが、絶対に口を割らないスパイに、みずからが属する国家に忠誠を誓う戦士としての敬意と人間的な親しみを感じるようになり、人道的な観点から被告のスパイを生かしておくべきだという結論をもつに至る。


だが、それは人道的な観点だけでなく、戦略的な意味にもとづくものでもあった。

米国で活動を行うスパイが存在することは、逆に相手の立場に立って考えれば、ソ連で活動する米国のスパイがいることを意味している。だからこそ、米国のスパイがソ連で拘束されることも想定内に入れておくべきなのだ、というロジックだ。手元で拘束しているソ連のスパイは「保険」になるという、交渉の専門家としての法律家として導き出されたロジカル・シンキングである。

そしてついに主人公の想定は現実のものとなる。米国空軍の偵察機U2がトルコとソ連の国境付近で撃墜され、米国人パイロットがソ連で捕虜になるという緊急事態が発生したのだ。CIAは捕虜交換を決意し、民間人の主人公がその大役を担って、米ソ冷戦の最前線で東西の壁が建設されたばかりの東ベルリンに向かうことになる。そして最後の最後までスリリングな内容が続く・・・。

ハリウッド映画なのでハッピーエンドで終わるが、アメリカ人弁護士が主人公なので、ドイツ人が主人公の『シンドラーのリスト』やイスラエル人が主人公の『ミュンヘン』とは違って、この映画にまったく違和感はない。もちろん、トム・ハンクスの演技はすばらしいの一言に尽きる。

映画の冒頭に Inspired by true events. とあるので、歴史上の諸事実をもとにドラマ化したわけだ。Based on a true story. との違いに注意しておくといいのではないかと思うが、エンターテインメントとしては非の打ち所のない、文句なしの傑作といっていい。







<関連サイト>

映画 『ブリッジ・オブ・スパイ』公式サイト (日本版)

映画『ブリッジ・オブ・スパイ』予告A(120秒) (日本語)

Bridge of Spies Official Trailer #1 (2015) - Tom Hanks Cold War Thriller HD (英語)


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書評 『ランド-世界を支配した研究所-』(アレックス・アペラ、牧野洋訳、文藝春秋、2008)-第二次大戦後の米国を設計したシンクタンクの実態を余すところなく描き切ったノンフィクション

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