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2016年12月14日水曜日

アニメ映画 『この世界の片隅で』(2016年、日本)を見てきた(2016年12月14日)-ごく普通の一女性の目を通して見た、そして語られた「戦前・戦中・戦後」


アニメ映画 『この世界の片隅で』(2016年、日本)を見てきた(2016年12月14日)。東京テアトル70周年記念企画とのことだ。すばらしい内容なのだが、いかんせん全国的な映画館網での展開でないので、上映中の映画館が限定されているのがちょっと残念だ。

内容は、瀬戸内海に面した広島市の漁村に生まれ育って、その後、広島県の呉市に嫁いだ、ごくごく普通の一女性の目を通して見た、そして語られた、「戦前・戦中・戦後(少し)」を描いた作品。生活範囲は嫁ぎ先の家族と親族に限定される。庶民視点の「近代日本」といえるかもしれない。

NHKの朝の連続テレビ小説のような時代設定である。一人の女性の半生がテーマだが、主人公の「すず」は有名人でも何でもない。知られざる人物というわけでもない。海辺に生きた女性を描いた点は、現代の東北地方『あまちゃん』にも似ている。それが理由というわけではないだろうが、奇しくも主人公の声を担当しているのは、改名後の「のん」(・・本名は能年玲奈)である。主人公の声はこれ以外ありえないという思わされる。



主人公は、絵を描くのが大好きな、やわらかい印象の、のんびりやさん。 だが、嫁いだ先の呉は、瀬戸内海の軍港だ。戦艦大和が建造された海軍の町である。もちろん当時は、住民にとっても軍港は軍事機密であった。

どこにでもあるような近代日本の日本人の生活。それなりに,苦労も伴うが、穏やかな日々がつづいていた。だが、戦争が始まり戦争が長引くにつれ、直接は戦場にはならなかった日常生活にも、だんだんと影響が出始める。物資が不足がちになるだけでなく、戦死者も出るようになってくる。

そして軍港であった呉市にも行われた空爆と機銃掃射、焼夷弾投下。主人公もかけがいのない命を不発弾の炸裂で失い、しかも自分自身も大きな負傷を負ってしまう。空爆される側からの視点で描かれた映像を見ていると、昔の話ではなく、いまもなお世界中で被害にあっている人たちのことを想起してしまう。

原爆もテーマの一つであるが、被爆地の広島ではなく、広島から少し離れた呉で体験したという設定が、独特の距離感を生んでいる。

映画は敗戦では終わらず、しばらく戦後までつづく。日常生活を描いているのだから、人間は未来に向かって現在を生きていくのだから。

映画を見ていてつくづく思うのは、「近代日本」は、じつに無理に無理を重ねていたのだなあ、という感慨だ。人口の大半が農村や漁村に居住していた時代である。高度成長前の日本である。軍事産業もその一つである重工業と、前近代を引きづったままの世界が同時に存在する社会なのであった。

戦争もまた避けることのできない自然災害のようなものであった、というのが当時の庶民の感覚であったのだろうか。これは単純な反戦映画と受け取るべきではない。それはこの映画をじっくり見ればわかることだ。時代考証は徹底的に行われているという。

瀬戸内海を舞台にした、ゆったりとした時間の流れ。もちろん、気候も穏やかな瀬戸内海地方は、冷害による飢饉に苦しんでいた同時代の東北地方とは異なることもアタマには入れておきたい。

こうの史代氏による原作のマンガも、ぜひ読んでみたい。 原作は「漫画アクション」に連載されたものだという。大人向けの媒体である。

上映している映画館がまだ多くないが、ぜひ一度は見て欲しいと思う。かならずや静かな感動を覚えることだろう。見る価値のある映画だ。







<関連サイト>

『この世界の片隅で』 公式サイト




『この世界の片隅に』監督が語る、映画に仕込んだ“パズル”(上) 片渕須直・『この世界の片隅に』(ダイヤモンドオンライン、』

『この世界の片隅に』監督が語る、映画に仕込んだ“パズル”(下) 片渕須直・『この世界の片隅に』監督インタビュー

「この世界の片隅に」は、一次資料の塊だアニメーション映画「この世界の片隅に」片渕須直監督(前編) (日経ビジネスオンライン、2016年12月8日)

「本来は、アニメは1人で作れるものです」アニメーション映画「この世界の片隅に」片渕須直監督(後編) (日経ビジネスオンライン、2016年12月9日)


「この世界の片隅に」北米配給が決定!今夏、劇場公開へ(映画ニュース、2017年2月1日)

「この世界の片隅に」興収20億円突破、14週連続トップ10入り アメリカやフランスでも上映予定(ハフィントンポスト、2017年2月14日)

(2017年2月1日・15日 情報追加)



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・・「高度成長」によって日本近代化は完了した。「高度成長」のビフォア&アフターの違いはきわめて大きい




(2012年7月3日発売の拙著です)







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