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■形から入って自信をつける-これは武道の「型」にもつうじるきわめて実践的な訓練方法だ■
この本に紹介されている「3分間トレーニング法」は、現在40歳台後半の私自身も、20歳台前半以来すべて実地に試して身につけたものばかりだ。
だから著者の言うことには全面的に賛成だ。
武道に限らず日本の芸事(げいごと)においては、「型から入って型を超える」というのが、伝統となっている。
独創性を発揮する前に、まず「型」から入るのである。「型」から入ってもいいじゃないか、というのではなく、そもそも「型」は身につけなくてはいけないのだ。
だからこの本は、自信をつけるための「型」の習得法といってもよい。
かつての日本企業では、会社の上司や先輩が、職場内や飲みの席で、マンツーマンでいやおうなく、この本に書かれている内容を教え込んでくれたものだ。
だが、2011年現在の職場環境では、これはなかなか期待しにくいだろう。いい意味でも悪い意味でも、濃厚な空気は現在の職場にはない。
だから、自信がないのは、あなただけの責任ではない。世の中は変わってしまったのだ。あなたの「意識」と「行動」を変えるしかないのだ。
自信がつけば精神的なゆとりができる。精神的なゆとりがあればチャンスも確実につかむことができるようになる。なぜなら、自信のある人にはチャンスが集まりやすいのである。
この本を読めば金持ちになるとか、アタマがよくなるとか、そういうあやしげな話はいっさいない。そこは、この本と著者が信用できる点だ。
まずは著者の表現をそのまま使えば、著者の言うことをTTP(=徹底的にパクる)してみることだろう。いいとこ取りすればいい。毎日一つづでいいい。継続して実行することだ。自信というものは一朝一夕に身につくものではない。日々の小さな努力があってこそのものなのだ。気がついたら「絶対的な自信」がついている。そういうものだ。
私自身、最初に書いたように、この本に書かれた内容はほぼすべて20歳前半から実行してきた結果、知らぬ間に「自信過剰」とさえ言われる人になってしまっていた(苦笑)。社会人になる前は、引っ込み思案で人前で話すものイヤだったのだが。
「型から入る自信の付け方」は、だからこそ、自信のない人には薦めたい一冊である。
<初出情報>
■bk1書評「形から入って自信をつける-これは武道の「型」にもつうじるきわめて実践的な訓練方法だ」投稿掲載(2011年1月19日)
目 次
第1章 ストレッチ編-自信のないあなたの考えを変える
学歴も肩書きもただの“記号”
それは自意識過剰なだけ
負ける戦をしてはいけない
"あこがれていること" を "やったことがある" へ
「3」は夢を叶える魔法の数字
コラム① 自信に根拠はなくていい
第2章 トレーニング編-3分であなたの印象をアップさせる!
01 なぜ「靴をキレイに磨く」ことが、自信の第一歩なのか?
02 低予算で見た目をグッとよくするには
03 時計を「3分」進めておくだけで ・・・ほか
コラム② スキルアップ! 仕事始めは「やることリスト」の作成から
「あなたの仕事態度を変える」3分間トレーニング
12 デキる人、デキない人は「背中」でわかる
13 声を大きく、低音でゆっくり
14 話は常に "言い切り" で ・・・ほか
「あなたの人生を変える」3分間トレーニング
23 机がかたづけば人生は好転する
24 「あとで使うかも」は一生ないと思おう
25 話を「聞く」だけで自信がつく ・・・ほか
コラム③ スキルアップ! 自分のテーマソングを持とう
第3章 総仕上げ編-「絶対の自信」を手に入れよう
32 あこがれの人を「TTP」してみる
33 有言実行で自分を追い込め!
34 自信のある人は自己紹介がうまい ・・・ほか
コラム④ スキルアップ! 自信をつかんで飛躍した人たち
エピローグ
続けていれば自信は確信に変わる
著者プロフィール
松尾昭仁(まつお・あきひと)
セミナープロデューサー(=自主開催セミナーの専門家)、起業コンサルタント(=個人プランディングの専門家)、ネクストサービス株式会社代表取締役 CEO。1967年、埼玉県生まれ。駒澤大学卒業後、世界最大級の総合人材サービス企業に入社。同社を退社し、父親の経営する建設会社に転職、無気力な毎日を送る。親から金銭的な援助を受け、2003年ネクストサービス株式会社を設立、代表取締役 CEO に就任。試行錯誤の末、多くの優秀なビジネスパーソンとのネットワークづくりを成功させる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)。
<書評への付記>
著者の松尾昭仁氏は個人的に知っているが、はじめて会ったときから、ある意味「自信過剰」とも見える人あった。
そういう人が、「かつては自信がなかった」というのは、にわかには信じがたいことだ。だが、本書に目を通してみて、「自信獲得」のプロセスがよくわかった。
中身は非常に具体的なので、「自分に自信がない」と思っている人は、だまされれたと思って一読し、書かれている内容を実際にやってみるといいと思う。読みやすいのですぐに読める本だが、そのまま読み捨てにしてしまってはもったいない。
自信をつけるための小技が満載の本である。
その効果については、私が書評に書いたとおりである。
ただ、恥ずかしながら、私は現在にいたるまで机の上がキレイではない。子どもの頃から、社会人になってからも言われ続けているのだが・・・(苦笑)
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What if ~ ? から始まる論理的思考の「型」を身につけ、そして自分なりの「型」をつくること-『慧眼-問題を解決する思考-』(大前研一、ビジネスブレークスルー出版、2010)
・・思考もまた「型」から入るのが王道である。考える自信がつく。
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