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2010年3月23日火曜日

Google が中国から撤退!?(その3)



              
 Google が中国での検索事業から撤退するというニュースが、NHKではトップニュースとして今朝から何度も放送している。中国におもねりがちな「日本の公共放送」である「みなさまの NHK」 にとっては、太平洋を挟んだ米国と中国のつばぜり合いは「対岸の火事」として済ませるわけにはいかない一大事なのだろうか?
 Google なんて何のことかさっぱりわからないような、アナログ世代のシニア世代の多くの日本人にとって、果たしてトップニュースの意味があるのだろか? という感想がなくもない。Google をただ単に便利な検索ツールとしてしか思っていないような人たちにとっても、このニュースが果たして大きな意味をもつのかどうか?

 もちろん、私は重大事件だと考えているが、このブログでも過去二回にわたってこのテーマで書いているので、驚きはまったくない。
 ◆Google が中国から撤退!?-数週間以内に最終決定の見通し(2010年1月14日)
 ◆Google が中国から撤退!?(続き)(2010年1月15日)
 原理原則の国である米国を代表する企業 Google と、同じく原理原則の国である中国の共産党政権が、お互いの原理原則をぶつけあった結果、でてきた結論に過ぎないからだ。

 とりあえず、後日の検証目的で、ネット上の報道を要約して紹介しておこう。中国での検索事業からの撤退は以下のような内容である。

・2010年3月22日 12:03:00 PM(米国時間)にアップロードされた公式ブログのなかで、Google は、で、中国本土での「ネット検索サービス」を同日停止したと発表。
・Google は、中国政府による検閲の中止を求めてきたが、認められないことが明らかになったためとしている。
・中国版サイト「Google.cn」にユーザーがアクセスすると、香港版サイト「Google.com.hk」に自動転送される。
・検索停止の一方で、中国における研究開発事業や営業活動は継続する意向。

 実際にこのとおりかどうかは、直接自ら確かめていただきたい。

 Google の公式ブログにアップロードされた文章は、 A new approach to China: an update と題されている。ここらへんについては、英語の表現に気をつけてみておく必要がある。
 The new approach ではなく、A new approach と単数形の不定冠詞 a を使用している。そしてコロンのあとは an update とこれまた、単数形の不定冠詞である。
 つまりどういうことかというと、中国政府の検閲政策に対して、数ある対抗策の一つとして、Google が3月22日付けの結論に達したという現状報告を示しているわけである。
 定冠詞も不定冠詞ももたない日本語や中国語では表しにくいニュアンスを示しており、ある意味ではまだまだ交渉の余地がありますよ、譲歩の余地はお互いにあるのではないですか、というニュアンスを表明しているわけである。
 おそらく中国政府が折れることはないだろうが、今後は Google が採用した「新しいアプローチ」である、香港のサーバーに「検閲のない簡体字で検索」(uncensored search in simplified Chinese)できるサービスが果たしていつまでつづけられるかが焦点になることだろう。

 実際、Google は、Mainland China service availability というページで、Google が提供するサービスのうちどれが中国国内で可能で、どれが不可能かを毎日アプデートすると表明している(We will therefore be carefully monitoring access issues, and have created this new web page, which we will update regularly each day, so that everyone can see which Google services are available in China.)。
 後学のために、3月21日(米国時間)現在の状況は以下の通りである。左の画像をクリックすると拡大した画像をみることができます。
 
 Web(グーグルのウェブサイト): No issues(=問題なし*)
 Images: No issues(=問題なし)
 Youtube(動画サイト): Blocked(=完全にブロック)
 Sites(グーグルでつくるウェブサイト): Blocked(=完全にブロック)
 News(ニュース): No issues(=問題なし)
 Ads(ウェブ広告): No issues(=問題なし)
 Docs(ドキュメント): Partially Blocked(=一部ブロック)
 Gmail(メール): No issues(=問題なし)
 Blogger(グーグルでつくるブログ): Blocked(=完全にブロック)
 Picasa(画像投稿サイト): Partially Blocked(=一部ブロック)
 Groups(グループ): Partially Blocked(=一部ブロック)

 *(注):ただし、www.google.cn から自動的に www.google.com.hk にリディレクトされる。

 なお、Google が提供しているサービスの一覧はここを参照。

 私はこのブログでも書いたように、昨日(3月21日)まで約一週間ミャンマーに滞在していたが、ミャンマーでは Google の Gmail は使用できるし、しかも2010年3月20日と21日時点では Twitter(ツイッター)も使用できたことを確認した。
 ツイッター上の、私が書き込んだ過去ログを参照していただきたい。 http://twitter.com/kensatoken1985
 後学のために、ヤンゴンから書き込んだ「つぶやき」を再録しておこう。なお、投稿時間は日本時間となっているが、日本とミャンマーのあいだの時差は2時間半(・・中途半端でめんどくさいなあ)であり、現地時間は日本時間から2時間半引いたものになる。

ミンガラバー! お久しぶり! 現在ヤンゴンです。ツイッター使えますねー やってみるもんだなあ。これから友人の結婚式&お坊さんの法話会です。時差は2時間半。昨夜まで田舎にいたので、ウェブがつながりませんでしたが、ヤンゴンの高級ホテルは問題なし。ではまた。詳し話は後ほど。
10:16 AM Mar 20th webから

ツイッターはつながったが、Bloggerによるマイ・ブログはアクセス拒否だ。残念。まあどっちにしろ詳しい話は、帰国後に「三度目のミャンマー、三度目の正直」というタイトルで、ブログで連載しますのでこうご期待。 http://e-satoken.blogspot.com/
10:26 AM Mar 20th webから

ミャンマーは一年で一番暑い4月直前で、夕方なんかものすごく暑い。タクシーもエアコンないから、熱風が窓から入ってくる。首都はクルマが増えて空気が悪い。日本の中古車が自家用車もバスも現役で走り回っている。昭和のにおいをまき散らしてるねー。治安はまったく問題なし!バンコクより安全です。
10:46 AM Mar 20th webから

昨日は、ミャンマー式結婚式に出席、たいへん貴重な体験をすることができた。大僧正の法話はパーリ語でほとんどわからなかったが、ミャンマーの人たちも必ずしも全部はわからないようだ。食事会でうまいミャンマー料理を堪能、夜も中華街で生ビール浴びるほど飲んで、快適な一日を過ごしました。マル
10:21 AM Mar 21st webから


 やろうと思えばできるのに、ミャンマー政府が Gmail も Twitter も完全にブロックしていないのは、それなりの考えがあってのことだろう。もちろん外部からは検証のしようがないのだが。
 Gmail にかんしては、ミャンマーでは半年前も現時点でも大きな変化はない。中国政府も Gmail はブロックはしていないようだ。

 インターネットの検閲は、発展途上国では当たり前のように行われている。これはたいていの国で、一カ所で集中管理が可能なためだ。中国やミャンマーはいうまでもなくタイも同様で、反政府的な内容のウェブサイトやブログはフィルタリングに引っかっかって閲覧できない。アラブ諸国も同様であると聞いている。
 いずれの国においても自国のエンジニアだけでなく、外国人の専門家を雇っているらしい。そういう話も耳にする。


 今回の問題にかんしては、中国政府が正しいのか、Google が正しいのか、「表現の自由」(free speech)という価値観(values)にかかわるものだけに、どちらが一方的に正しいとは一義的には決められるものではない
 もちろん、「表現の自由」が確保された日本という民主主義国家の国民である私は、米国のそれに近い価値観をもっているが、中国政府の抱えている問題がまったく理解できないわけでもないのである。
 Google のボードにおいても、中国からの検索事業撤退の利害得失と法的な問題にかんして、相当突っ込んだ議論と徹底的な検証が行われたものと推測されるが、おそらく中国事業を犠牲にしても、全世界における Google の評判(reputation)とブランド価値(brand equity)の維持を考慮に入れれば、撤退もやむなしという結論に達したのであろう。そう推測するのが自然である。

 この Google の意志決定が今後の米国や日本の中国ビジネスにどのような影響を与えていくのか、詳細にモニターしていく必要がある。もちろん、ソフトウェア系統とハードウェア系統はわけて考える必要があるが、現在ではほぼすべてのビジネス活動にソフトウェアが関わっているので、まったく何の影響も受けない事業活動はないと考えるべきだ。

 現時点では、まだよく見えてこないというのが正直なところである。


<ブログ内関連記事>

Google が中国から撤退!?-数週間以内に最終決定の見通し

Google が中国から撤退!?(続き)





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