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2012年11月23日金曜日

公開講演会 『海のことは森に聞け-コトの本質に迫るには-』(畠山重篤)にいってきた(国際文化会館 2012年11月17日)-「生きた学問」とはまさにこのことだ!


今年もまた生ガキのうまい季節になりました。

冬の生ガキといえば、関東では三陸海岸の宮城県産が定番だったのですが、一気に供給不足になってしまったのは1年8ヶ月まえの「3-11」。大津波に飲み込まれて、カキの養殖場も流されてしまったからなのです。

「『海のことは森に聞け』~コトの本質に迫るには」でお話をされた宮城県のカキ養殖家でNPO法人の代表をつとめる畠山重篤さんもまた、「3-11」を境に人生が激変した人の一人です。

その話はまたあとでするとして、まずは講演会について書いておきましょう。


[新渡戸国際塾 公開講演]
「『海のことは森に聞け』~コトの本質に迫るには」
講師: 畠山重篤(NPO法人森は海の恋人 理事長)
日時: 2012年11月17日(土) 1:30~3:00 pm
会場: 国際文化会館講堂
会費: 無料
用語: 日本語(通訳なし)



1943 年上海生まれ。高校卒業後より気仙沼湾で家業である牡蛎、帆立の養殖に従事する。1989年より漁民による植林活動「森は海の恋人」運動を進めると同時に、環境教育の手助けとして子
どもたちを養殖場に招く体験学習にも力を入れている。2012年、国連森林フォーラム(UNFF)から森林の育成や林業の健全な発展などに貢献した人物に与えられる「フォレスト・ヒーローズ」の、初代受賞者の一人に選出される。


畠山さんは、NPO法人「海は森の恋人」の中心を担ってきた方です。そのキッカケはつぎのようなストーリーです。

カキがよく生育する環境は、淡水と海水がまじりあう、いわゆる汽水域とよばれる場所です。

畠山さんは家業であるカキ養殖をついだのはいいのですが、高度成長時代の公害による環境汚染や生活排水の悪影響で海が汚染され赤潮が発生するようになって、カキの養殖事業にダメージを被るようになってきました。

問題はそれだけではなく、ダム開発で上流から流れてくる豊かな栄養分を含んだ水が海に流れてこなくなったことにもあったのです。

畠山さんがそのことに気づき、動き始めるまで、海の民は上流の森の民のことを知らず、森の民は下流の海の民のことは、お互いにほとんど没交渉のまま過ごしていたのでした。

一人の漁民が動き始めてつながったのが、川の上流にある森と、川の下流にある海。

海と森が相互に交流するようになって、はじめて川でつながっているという実感をお互いに抱くようになり、森に木を植える運動をつうじて人々の意識が変わり、ひいては豊穣な海が取り戻されていったわけです。

カキ養殖の立場から、カキの生育に必要なものが何かを突き詰めて考えていくうちに、川をさかのぼり森にまで至ったというわけですね。

源流へ、源流へとさかのぼることで視点の転換が行われる。森からみた海、海からみた森。そして森と海をつなぐのは川。そう、すべてはつながっているのです。「六次のへだたり」とか、そんなアタマでっかちな話ではありません。

自分の立ち位置であるカキ養殖場から発して、川へ森へとさかのぼり、地域でさかんであった和歌と出会い、「海は森の恋人」というコンセプトに結実していったわけです。そこには、理科系と文化系の垣根もありません。まさに文理融合です。

お話を聞いていて、まさに 「すべてはつながっている」ということを実感させてくれる「生きた学問」ともいうべき、いい内容の講演でした。


「3-11」後の三陸海岸のカキ養殖について

この講演を聞く前に、すでに畠山さんの存在や代表作である『森は海の恋人』(文春文庫、2006 単行本初版1994)は読んでいました。

このブログにも書評を載せようと思っていたのでしたが、「3-11」で畠山さんの養殖場も壊滅的被害を受けたということをTVでみて、断念したのでした。

ですが、今回のお話をきいて安心しました。

すでにカキもホタテも養殖は完全に復活。むしろ、想像以上に早い生育を示して、予定よりも早い大量収穫が可能となったそうです。

大津波で海底がかきまわされたこともあるのでしょうか、植物性プランクトンが大量に発生し、豊穣の海が早くも戻ってきたようなのです。

まさに、自然の回復力のすごさを感じさせてくれるようなお話でした。人智を超えた自然のパワーというべきでしょう。そして、いままでの運動が意味あるものであることも再確認されたのだとか。

だからこそ、なんども大津波に襲われながらも、漁師は海辺を離れないのだとも。リアリティの裏付けのある説得力のあるお話です。

そして、いまや「海は森の恋人」の活動を全世界に拡げるために、英語での発信も始めたそうです。

そしてできたのが次の英文。The forest is longing for the sea, the sea is longing for the forest. 森は海を恋慕し、海は森を恋慕する、といった意味です。皇后美智子様の示唆もあったそうです。 

「森は海の恋人」の、ほんとうにすばらしい英訳ですね。

ぜひこの運動が、全世界にひろまっていきますよう!








<ブログ内関連記事>

”粘菌” 生活-南方熊楠について読む-
・・鶴見和子の名著によって「南方マンダラ」というネーミングが拡がったことにより、「すべてはつながっている」ことが真言密教的理解のもとに把握されていたことが常識となったが、畠山はそれとは関係のないところから作りあげた「生きた学問」である・・・・




(2012年7月3日発売の拙著です)





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