ボリウッド映画 『恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム Om Shanti Om』(インド、2007)を見てきた。東京・渋谷のシネマライズにて。
ここのところボリウッド映画の日本での上映機会が増えてきたのはありがたい。レディー・ガガじゃなくても、「ハリウッドよりもボリウッド」のほうが面白い。なぜなら、ボリウッド映画はあまりに濃厚なインド・テイストに圧倒されるから。万人向けを狙って薄味になっているハリウッド映画を面白く感じないのは当然といえば当然なのだ。
日本での上映がありがたいのは、タミル語映画であれヒンディー語映画であれ、日本語訳字幕がつくから。日本公開ではなくてもDVDになっているものはあるが、英語字幕も読むのが面倒くさいことがある。
さて、『オーム・シャンティ・オーム』だが、2007年製作のヒンディー語映画。ボリウッド映画だから、うるさいまでに過剰、過剰、過剰なまでの濃厚なてんこ盛り。音量もでかいし、役者はしゃべりまくるし、歌に踊りのシーンがでてくるわ、そこまで描かなくてもいいだろというまであまり関係ないシーンまで登場する。
「シャンティ」とは、平和とか平安。「オーム・シャンティ」で、安らぎをという意味だが、タイトルと映画とは一致しないと思って見たほうがいい。
むしろ日本語版の『恋する輪廻』のほうがふさわしい。輪廻転生の物語である。映画のなかでは輪廻転生は "cycle of life" と英語で表現されている。そして愛と復讐の物語。「何度生まれ変わっても、また君に恋をする」という日本語版の宣伝コピーが効いている。
(インド版ポスター)
内容は、映画解説の文章をそのまま引用させていただくとしよう。
ボリウッドを代表する俳優シャー・ルク・カーンが主演を務め、インドで大ヒットを記録したミュージカル・エンタテインメント。1970年代。脇役俳優のオームは人気女優シャンティに恋をするが、シャンティはプロデューサーの男と密かに結婚・妊娠していた。しかし、シャンティは、彼女を疎ましく思う夫の罠にはまり殺されてしまい、シャンティを救おうとしたオームもまた命を落としてしまう。30年後、シャンティの息子はオームと名づけられ、スター俳優として活躍するが……。
主演のシャー・ルク・カーンはムスリム(イスラーム教徒)のインド人。だが、映画のなかでは輪廻転生の結果、腕に神聖なオームの文字のスティグマが浮かび上がるというヒンドゥー教徒を演じている。こういうことを知っていて映画を見ることも面白いかもしれない。知らなくてもべつにかまわないのだが。
ヒンディー語映画なので、サンスクリット語を多少でも知っていれば、ところどころ単語が聞き取れる。また英単語や英語のフレーズがかなりでてくるので、その部分は日本語字幕を見ていれば聞き取れるだろう。英語字幕版では英語のセリフには字幕がつかないのが普通だ。
上映時間が 169分とやや長いが、編集して圧縮しないのがボリウッド流。筋にはあまり関係ない歌や踊りが入るが、いわゆるミュージカル映画というのともまた違う。伝統的なインド舞踊風あり、バングラビートあり、ディスコ調ありと音楽にかんしてもてんこ盛りだ。
最後のほうでは、『オペラ座の怪人(ファントム・オブ・オペラ)』のような曲が使われていたが、まあ最初から最後までうるさいこと。静かに鑑賞する映画ではないのがボリウッド映画ですね。
(インド版 サントラCDジャケット)
<関連サイト>
『恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム Om Shanti Om』 オフィシャルサイト ・・映画内容や劇場情報については公式サイトを参照
『恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム Om Shanti Om』 フェイスブックページ
Om Shanti Om - Theatrical Trailer (インド版トレーラー)
Dhoom Taana Full HD Video Song Om Shanti Om (ダンスシーン)
Om Shanti Om Full Movie (映画全編 ただし字幕なし)
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(2015年2月8日 情報追加)
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