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2014年5月25日日曜日

「ウェーサーカ祭2014」にいってきた(2014年5月24日)-「記念鼎談」におけるケネス・タナカ師の話が示唆に富むものであった



「ウェーサーカ祭」への参加もこれが6回目である。それも6回連続である。仏歴2558年となっているのは、スリランカとタイでは一年ズレがあるためだ。タイでは仏歴2557年である。

ことしは会場がふたたび代々木オリンピックセンターに戻った。正式名称は、国立オリンピック記念青少年総合センター・国立青少年教育振興機構・国立青少年センター。これだけの規模の大きなイベントを行う会場を確保するのは大変なことだろう。

だが、わたしにとっては代々木のほうがありがたい。もしかするとわたしだけではないかもしれない。なぜなら、会場が代々木なら、同時期に代々木公園で開催されているイベントに立ち寄ってから、そのついでにウェーサーカ祭にもいけるから。

例年この時期には代々木公園で「タイ・フェスティバル」などの大型のイベントが開催される。ことしは「タイ・フェスティバル」は前の週であったが、そのかわり「ラオス・フェスティバル」が開催された。タイもラオスもともに上座仏教圏。その意味では、けっして縁のない話ではない。

というわけで、「ラオス・フェスティバル」に立ち寄ってラオス料理を食べたあと、代々木公園から坂をくだって代々木オリンピックセンターまで歩く。下り坂なので歩いても楽勝だ。



日時 2014年 5月24日(土)  13:30開場 14:00開演
開場 国立オリンピック記念青少年総合センター(代々木オリンピックセンター)
    カルチャー棟大ホール(定員735名)
スケジュール
13:30 開場
 ・誕生仏、成道仏、涅槃仏への献花(自由に花をお持ちください)
14:00 開式 ・おねり ・献花 ・祝辞 ・仏讃法要
15:30 特別鼎談(スマナサーラ長老・ケネス・田中師・宮崎哲弥氏)
 休憩
17:30 参加者との質疑応答(スマナサーラ長老)
18:30 祝福の読経/聖糸・聖水の授与
19:00頃 終了予定(延長される場合もあります)

わたしは、先にも書いたように「ラオス・フェスティバル2014」に立ち寄ってから「ウェーサーカ祭2014」に参加した。

ラオスを代表するビールであるビアラオを飲んでいるので、不飲酒戒(ふおんじゅかい)に反しているが、そこのところは片眼をつむって、ということで(笑) 出家しているわけではないので(・・しかも熱心さにはなはだ欠けるざ在徒だ)、お許しいただくということで。



途中から参加して「慈悲の瞑想」のセッションには参加。あまりにもすばらしい日本語の文言は、声を出して朗唱するのがよい。

「私は幸せでありますように」「私の親しい人々が幸せありますように」は当然としても、「私の嫌いな人々も幸せでありますように」とまでクチで唱えると、そういう気持ちになるというものだ。

「生きとしいけるものが幸せでありますように」。

あいかわらずタイムキーピングが厳格でない点は、いただけないのだが・・・


■「記念鼎談」におけるケネス・タナカ師の話が示唆に富む

今回の目玉のイベントで楽しみにしいていたのが「記念鼎談」。スマナサーラ長老とゲストのケネス・タナカ師と宮崎哲弥氏の3人による鼎談。
  
宮崎氏が司会進行役となり、上座仏教のスマナサーラ長老、浄土真宗のケネス・タナカ師匠(アメリカ人・日系三世)と問答を交わすという形式で、質疑応答もふくめて2時間半のセッションであった。

スマナサーラ長老については省略するが、ケネス・タナカ師と宮崎哲弥氏については、このブログでも著書を取り上げているので紹介しておこう。

ケネス・タナカ(Kenneth Tanaka)1947年、山口県生まれ。武蔵野大学教授。日系二世の両親とともに1958年に渡米。スタンフォード大学卒。米国仏教大学院修士課程修了。東京大学大学院修士課程修了。同大学院博士課程退学。カリフォルニア大学(バークレー校)大学院博士課程修了。哲学博士。国際真宗学会会長。日本仏教心理学会会長。仏教キリスト教学会理事。元北カリフォルニア仏教連合会会長。

書評 『目覚める宗教-アメリカが出合った仏教 現代化する仏教の今』(ケネス・タナカ、サンガ新書、2012)-「個人のスピリチュアリティ志向」のなかで仏教が普及するアメリカに読みとるべきもの


宮崎哲弥(みやざき・てつや)1962年、福岡県生まれ。評論家。慶應義塾大学文学部社会学科卒業。政治哲学、仏教論、サブカルチャー分析を主軸とした評論活動を行う。
  
書評 『知的唯仏論-マンガから知の最前線まで ブッダの思想を現代に問う-』(宮崎哲弥・呉智英 、サンガ、2012)-内側と外側から「仏教」のあり方を論じる中身の濃い対談

宮崎氏は、あいかわらず論文のような硬い日本語表現をつかいがちで、この人は論争志向の人であって、ぜんぜん説法向きではないなと思いながら聞いていたが、これに対してケネス師は意外に日本語が堪能で、しかもやたら日本語でダジャレ飛ばしまくりスマナサーラ長老はいつもの調子のくだけた語りでキツイ(?)発言をされていた。

(左からスマナサーラ長老、ケネス・タナカ師、宮崎哲弥氏)

今回のゲストの目玉はケネス師なので、アメリカに仏教事情から見た、「いまという時代の仏教のあり方」についての示唆が興味深いので、何点かメモ書きをもとに記しておこう。

現代は「マインドフルネス」が求められる時代であり、そのなかで仏教が大きな意味をもつようになっている。アメリカでは目覚め(=アウェアネス)という観点で仏教が捉えられることが多い。

現代人の「苦」としては、東洋人は「束縛感」を感じることが多いが、西洋人は「疎外感」を感じることが多い。「疎外感」解消が仏教への接近をもたらしていることは、 Inter-dependence(相互依存)、inter-connectedness(相互の「つながり」=「縁」)といったコトバがよく使用されることにもうかがうことができる。疎外感を癒すここができるのが現代アメリカ人にとっての仏教なのである。

日本でも女性の仏教者が増えるべき。アメリカの仏教改宗者には女性が多い。その点、世襲が当たり前の日本の仏教は閉鎖的であり、在家から出家した僧侶を受け入れて「開かれた仏教」となるべき。

アメリカでは仏教が心理学の窓口になっている。心理学的にいえば仏教は「超自我」であり、健康な「自我」がないと「無我」になれないというのがアメリカでは常識

ケネス師が紹介された「棒高跳びの比喩」が面白い。助走は「自我」により、棒(バー)の助けを借りて高みに上がり(=方便)、その段階で棒(バー)は手放し、結果として「無我」となる。この比喩は、仏教には無意識な日本人には納得しやすいのではないだろうか。いずれにせよ「無我」になるためには「自我」が出発点であることは仏教は否定していない。上座仏教はこの姿勢が顕著だ。

ざっとこんな感じだろうか。

10歳で渡米しアメリカで40年過ごしてから来日し、浄土真宗の僧侶でもあるという立ち位置からの発言は、日米双方の事情を比較して捉える視点からのものであり、じつに示唆に富んでいる。、現代人にとっての仏教の意味は、アメリカ的なものを視野にいれると理解しやすいのではないか。

ケネス・タナカ師がコーディネーターの「世界に広まる仏教の現状と未来:カナダ、韓国、中国、フランス」というシンポジウムが、武蔵野大学の有明キャンパスで2014年8月29日にあるそうだ。ぜひ話を聞いてみたいと思っている。現時点で明らかになっている内容を紹介しておこう。

「世界に広まる仏教の現状と未来:カナダ、韓国、中国、フランス」

http://www.musashino-u.ac.jp/learning/extension_lecture03.html

予約不要・聴講無料(※お車でのご来場はご遠慮ください)

日時: 2014年8月29日(金)18:00~21:00
場所: 武蔵野大学 有明キャンパス 大講義室(3号館301教室)
コーディネーター: 田中 ケネス(仏教文化研究所長/本学教授)
講師: ジェシカ・メイン(カナダ ブリティッシュ・コロンビア大学講師)、金天鶴(韓国 東国大学教授)、張文良(中国人民大学教授)、フレデリック・ジラール(フランス国立極東学院教授)

「生きとしいけるものが幸せでありますように」。
「生きとしいけるものが幸せでありますように」。
「生きとしいけるものが幸せでありますように」。



<関連サイト>

ウェーサーカ祭 2014 公式サイト


<ブログ内関連記事>

「ウェーサーカ祭 2013」(2013年5月12日)に参加してスマナサーラ長老の法話を聴いてきた+タイ・フェスティバル2013(代々木公園)

「釈尊祝祭日 ウェーサーカ祭 2012」 に一部参加してスマナサーラ長老の法話を聴いてきた

「釈尊成道2600年記念 ウェーサーカ法要 仏陀の徳を遍く」 に参加してきた(2011年5月14日)

今年も参加した「ウェーサーカ祭・釈尊祝祭日 2010」-アジアの上座仏教圏で仕事をする人は・・

ウェーサーカ祭・釈尊祝祭日 2009

『ブッダのことば(スッタニパータ)』は「蛇の章」から始まる-蛇は仏教にとっての守り神なのだ

書評 『日本の未来-アイデアがあればグローバル化だって怖くない-』(アルボムッレ・スマナサーラ、サンガ新書、2014)-初期仏教の立場から「いま」を生きることの重要性を平易に説いた法話

書評 『「気づきの瞑想」を生きる-タイで出家した日本人僧の物語-』(プラ・ユキ・ナラテボー、佼成出版社、2009)-タイの日本人仏教僧の精神のオディッセイと「気づきの瞑想」入門


■「スマナサーラ長老、ケネス・タナカ師、宮崎哲弥氏による特別鼎談」関連

書評 『目覚める宗教-アメリカが出合った仏教 現代化する仏教の今』(ケネス・タナカ、サンガ新書、2012)-「個人のスピリチュアリティ志向」のなかで仏教が普及するアメリカに読みとるべきもの

ケネス・タナカ(Kenneth Tanaka)
1947年、山口県生まれ。武蔵野大学教授。日系二世の両親とともに1958年に渡米。スタンフォード大学卒。米国仏教大学院修士課程修了。東京大学大学院修士課程修了。同大学院博士課程退学。カリフォルニア大学(バークレー校)大学院博士課程修了。哲学博士。国際真宗学会会長。日本仏教心理学会会長。仏教キリスト教学会理事。元北カリフォルニア仏教連合会会長。


書評 『知的唯仏論-マンガから知の最前線まで ブッダの思想を現代に問う-』(宮崎哲弥・呉智英 、サンガ、2012)-内側と外側から「仏教」のあり方を論じる中身の濃い対談

宮崎哲弥(みやざき・てつや)
1962年、福岡県生まれ。評論家。慶應義塾大学文学部社会学科卒業。政治哲学、仏教論、サブカルチャー分析を主軸とした評論活動を行う。



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(2012年7月3日発売の拙著です)







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