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2025年6月23日月曜日

書評『学歴狂の詩(うた)』(佐川恭一、集英社、2025 )ー こんな世界と人間たちが、いまだに存在するのか! ラットレースにしのぎを削る「学歴狂」たちの青春群像

 

『学歴狂の詩(うた)』(佐川恭一、集英社、2025)という本を読んだ。これまた笑えるノンフィクション型エッセイだ。  

このタイトルは、水島新司の名作マンガ『野球狂の詩』のもじりだろう。「受験戦争」などとうの昔に終わった話だと思っていたが、21世紀のいま現在も「学歴狂」なるものが存在するのかというオドロキ。 




京大文学部卒の作家である著者のネーミングによる「学歴狂」とは、偏差値や大学ブランドに異様なまでに執着する人間たちのことだ。どうやら、いったん身についたこの習性は一生抜けないようである。 

京都の「中高一貫男子進学校」の「特進クラス」が舞台であるが、こんな極限的に狭い世界から「学歴狂」が生まれるのだなあ(笑) 著者は一浪しているので、舞台は京都の予備校から、さらに進学先の京大まで拡がる。 

著者の京大ライフを読んでいて、そういえば1980年代前半には「西の京大、東の一橋」というフレーズがあったなと思い出した。京大といっても人文社会科学系学部限定の話だろうが、入ってしまえば、あとは楽勝なレジャーランドという意味である。実際は、かならずしもそうではなかったのだが・・・

生まれは京都(府)だが、関東に移住した家庭で育ち、しかも進学校ではあるが県立の男女共学校で、しかも「一般クラス」に通っていた自分にとっては、よく知らない世界を垣間見る面白さもある。会話が関西弁なのは、ローカル性が明確になっているのでリアリティがある。



この本のなにが面白いかといったら、読んでみたらわかるとしかいいようがない。「目次」を見たら、その面白さが想像できようというものだ。著者によるひねりのきいたタイトルに、思わず読書欲がそそられるのではないかな?


第1章 〈田舎の神童〉の作り方 
第2章 「こんなんもう手の運動やん」とつぶやいた〈天才〉濱慎平 
第3章 〈東大文一原理主義者〉内山とスーパー学歴タイム 
第4章 〈伝説の英語教師〉宮坂の恐怖政治 
第5章 〈努力界の巨匠〉菅井が教えてくれたもの 
第6章 ノートに apple と延々書き続ける〈大物受験生〉永森 
第7章 京大生のヌルすぎる就職活動 
第8章 佐川恭一以来の神童と呼ばれる〈後継者〉国崎くん 
第9章 〈二浪のアニオタ〉柴原が深淵をつづった詩集 
第10章 〈数学ブンブン丸〉片平のあまりに危険な戦法 
第11章 神戸大学志望を貫いた〈足るを知る男〉本田 
第12章 「二十時間勉強法」ですべてを突破した〈極限坊主〉野々宮 
第13章 〈別次元の頭脳〉で学問の面白さを教えてくれた中村さん 
第14章 『ルックバック』で思い出す〈神童覚醒前夜の親友〉大城 
第15章 マウント柔術の使い手〈非リア王〉遠藤 
第16章 京大卒無職〈哲人王〉栗山 


つまるところ、「学歴狂列伝」といった内容である。気になった人は、連載の一部が公開されているので、読んでみたらいいだろう。単行本に収録されてないものもあるようだ。 

しかしまあ、「学歴狂」という人間が生み出されてくるメカニズムは興味深いが、東大であろうが京大であろうが、その後の人生が幸せなものとなるかどうかは、その人次第ということなのだろうねえ。 


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著者プロフィール
佐川恭一(さがわ・きょういち)
1985年、滋賀県生まれ。京都大学文学部卒業。2011年「終わりなき不在」で第3回日本文学館出版大賞ノベル部門を受賞。2019年「踊る阿呆」で第2回阿波しらさぎ文学賞を受賞。(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)



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