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2018年3月11日日曜日

書評『日本やきもの史入門(とんぼの本)』(矢部良明、新潮社、1992)ー この入門書はわかりやすくて、しかも質が高い


別に骨董好きではないのだが、陶器の技術史的側面に関心があって『日本やきもの史入門(とんぼの本)』(矢部良明、新潮社、1992)を読んでみた。amazonで類書を探していて、この本が良さそうだったからだ。

この本は、面白くてじつに理解しやすいスグレ本だ。ビジュアル本で豊富なカラー写真と問答体スタイルなので読みやすい。 陶磁器は三次元構造物なので、ほんとうは二次元の画像ではリアルさに欠けるが、それは仕方がないこと。ホンモノを見るだけでなく、触って使い込んでみないと陶器は理解できないことは重々承知している。

著者は、東京国立博物館陶磁室長(出版当時)。いきなり「第一部 世界最古の土器は日本製!」という章で縄文土器の話から始まるが、その後の弥生時代以降は、先進技術文明である中国の陶磁器製作技術の影響などもからめた技術史的アプローチがよい。

 「第4部 世界が驚く桃山のやきものオブジェ」という章も読んでいて気持ちいい。技術もさることながら、茶の湯とのからみで美意識を重視した作品の数々抽象芸術としては西欧社会よりも400年早い!というのは、日本人としてはうれしいではないか!

秀吉の朝鮮出兵後に朝鮮の陶工たちが大量に日本に来たのは、技術者を必要としていた九州の諸大名が誘致したからだという説明には納得。技術移転は人間の移動をともなうものであり、来日した陶工たちにとっても歓迎される土地の方がよかったのだろう。

そのほか、さりげなく知見の数々が紹介されており、入門書にしては質が高い

 一読して、なんとなく日本の陶器の歴史がわかったような気持ちになった。現在は「品切れ重版未定」のようだが・・・。ぜひ重版するか、あるいはサイズを小さくして文庫版で復刊するべきだ。






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