今年もまたウェーサーカ祭の季節となった。5月12日(土)、渋谷区文化総合センター大和田で行われたウェーサーカ祭にいってきた。
ウェーサーカ祭とは何か? 主催者の日本テーラワーダ仏教協会 http://www.j-theravada.net/ による説明を引用しておこう。
ウェーサーカ祭とは、すべての生命の幸せを願い、人々に教えを説かれたお釈迦様の「誕生」・「成道」・「般涅槃」という三つの聖なる出来事を祝う祭典です。
日本テーラワーダ仏教協会による今年のウェーサーカ祭は、比丘サンガをお招きしての仏讃法要やスマナサーラ長老の記念法話に加え、初めて参加される皆さまにも楽しめる歌や踊りなどのウェーサーカイベントを織り交ぜ、これまで以上に趣向を凝らした祝祭を考えております。
お釈迦様の大慈悲と比丘サンガの祝福があふれるウェーサーカ祭にご家族揃って、またご友人・お知り合いをお誘い合わせてどうぞご参加ください。
日本各地で行われるようだが、ウエサク祭とかさまざまな名称があるようだ。wikiledia でウェーサーカ祭の項目をみると、上座仏教圏でもさまざまな呼び方がされていることがわかる。
ウェーサーカ祭(ウエサク祭、Vesak、カンボジア:Visaka Bochea、インド・バングラデシュ・ネパール: Visakah Puja, Buddha PurnimaまたはBuddha Jayanti、タイ王国: ウィッサーカーブチャー、Visakha Bucha、ベトナム:Phật Đản、インドネシア:Waisak、スリランカ・マレーシア:Vesak (Wesak)、中国語文化圏:佛誕、fó dàn 、チベット:and Saga Dawa、ラオス:Vixakha Bouxa)
あまり肩肘張ってどれがただしいと主張するまでもないようだが、わたしはは毎年この東京で開催される、日本テーラヴァーダ仏教協会主催のウェーサーカ祭に参加しているので、ウェーサーカ祭と言うことにする。
当日のプログラムは以下のとおり。
プログラム
13:30 開場 お釈迦様への献花(自由にお花を1本お持ちください)
書籍販売
13:45 スライドショー
14:00 開式
-お練り・献花・諸国からのメッセージただし、今回は別の予定があるので途中から参加した。一般参加で入場無料。プログラムと小冊子をいただく。
-仏讃法要:
-比丘サンガ&超宗派日本仏教僧侶方
-ウェーサーカイベント: 仏教国カンボジアの舞踊&「慈悲の冥想」のうた を予定
休憩
16:30 記念法話:スマナサーラ長老
祝福の読経:比丘サンガ(*希望者にはお坊様方から聖糸と聖水が授与されます)
19:00 終了予定
*
小冊子のタイトルは、『教えて、お釈迦さま 学ぶのは何のため?』(アルボムッレ・スマナサーラ長老、日本テーラヴァーダ仏教協会、2012)。人間らしくいきるために「学ぶ」。これは仏教の基本的姿勢である。
ウェーサーカ祭だが、あいかわらずタイムマネジメント(時間管理)がなっていないので、前半の予定は30分遅れ、休憩時間は一時間から30分に短縮されたのだが、これはもともとバッファーとして用意していたのかどうか。
仏教だから時間はなあなあでいいとはいえないだろう。本気で仏教を普及したいのなら、現代日本人の生活リズムにあわせるべきである。それがたとえスリランカや東南アジアとは異なるものであろうと思うのだが。
スマナサーラ長老の法話は、今回も拝聴することができた。というよりも、これが参加の主目的である。
テーマは、「世尊釈迦牟尼仏陀の言葉-在家はどのように生きればいいのか お釈迦様の提言-」というものである。法話はすべて日本語である。
スマナサーラ長老のプロフィールは以下のとおりである。あえて説明するまでもないほどの有名人となっているはずであるが、知らない人は知らないであろうから掲載しておこう。
スマナサーラ長老(Ven. Alubomulle Sumanasara Thero)
テーラワーダ仏教(上座仏教)長老。1945年スリランカ生まれ。国立ケラニヤ大学で仏教哲学の教鞭をとる。現在は日本テーラワーダ仏教協会で初期仏教伝道とヴィパッサナー冥想指導に従事。
NHK「心の時代」出演。朝日カルチャー講師などでも活躍。著書に『怒らないこと』『無常の見方』『自分を変える気づきの瞑想法』(サンガ)『原訳スッタ・ニパータ』(佼成出版社)『一生、仕事で悩まないためのブッダの教え』(知的生き方文庫)など多数。(サンガのサイトによる)
今回は頭痛がして体調が思わしくないので、スマナサーラ長老の法話を聞いただけで帰ることにした。ということで、聖糸もまいてもらわずに終わったのは残念ではあるが、まあそういうこともあろかな、と。
今回で4回目で毎年連続の参加だが、やや新鮮味を感じなくなってきたのも否定できない。仏教儀式だから新鮮もなにもないのだが、やはり上座仏教そのものが日本人にとってはエキゾチックなものであることは否定できないのではないだろうか。
長老自身は「仏教は宗教ではない」と明言されているが、セレモニーは上座仏教そのもの。その点が、エキゾチックである。
上座仏教は原始仏教の復興運動からうまれてきた、キリスト教でいえばプロテスタントのようなものだから、大乗仏教徒が圧倒的多数の日本人にとっては、まだまだ慣れない存在であるのは確かだ。中村元博士が精力的に翻訳された原始仏教経典は、あくまでも書物の世界として受け取っている人が大半だろうし。
その意味では、まだまだ試行錯誤が続くということだろう。スマナサーラ長老という傑出した仏教学者で説法者の存在を抜きにして普及をすすめられるかどうかが、組織としてのカギであることは当事者も十分に理解しているはずだろう。
<関連サイト>
国連ウェーサクの日
<ブログ内関連記事>
「ウェーサーカ祭2014」にいってきた(2014年5月24日)「記念鼎談」におけるケネス・タナカ師の話が示唆に富むものであった
「ウェーサーカ祭 2013」(2013年5月12日)に参加してスマナサーラ長老の法話を聴いてきた+タイ・フェスティバル2013(代々木公園)
「釈尊成道2600年記念 ウェーサーカ法要 仏陀の徳を遍く」 に参加してきた(2011年5月14日)
今年も参加した「ウェーサーカ祭・釈尊祝祭日 2010」-アジアの上座仏教圏で仕事をする人は・・
(2014年5月26日 情報追加)
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