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2009年5月20日水曜日

書評 『プーチンと柔道の心』(V・プーチン/ V・シェスタコフ/A・レヴィツキー、山下泰裕/小林和男=編、朝日新聞出版、2009)




やっと日本語版がでたか、そういう思いである。もしプーチンが首相という形で最高権力者として残らなかったら、本書出版企画は流れたことであろう。

 「プーチン大統領(当時)が柔道の本を書いた!」、そういう噂は2002年頃、ニュース配信されていたので覚えている。翻訳してほしいものだ、と思っていたがその件はすっかり忘れていた。

 ロシアの大統領が柔道をたしなんでいる、しかしそれは決して不思議なことではない。
 私は、仕事の関係で1998年に仕事で合計3週間ロシアにいったときにさまざまな話を見聞しているが、ロシアでは柔道、剣道のみならず、合気道、空手も広く愛好されている。ただし、空手は危険だというので、ソ連時代は禁止されていたという話をロシア人の空手愛好家から聞いた。

 日本武道を通じて、日本的な礼儀作法とその精神が、日本人が思っている以上に浸透していると考えるべきだろう。日露関係は相思相愛ではないが、もしかするとロシア側の片思いの関係なのかもしれない。エリツィン大統領時代に来日したキリエンコ首相(当時)は、趣味はアメリカンポップスと剣道、合気道、とのことであった。

 それにしてもプーチン首相(前大統領)という国家の最高指導者が、日本の武道を少年時代から本格的にたしなんできたというのは、実にうれしいことではないか。そしてまた、日本の至宝、「世界の山下」とも非常に親しい、これもまたうれしいことだ。

 本書を読むに当たってはまず、山下泰裕氏による解説、元NHKモスクワ支局長の小林和男氏によるプーチン本人と、柔道の師匠へのインタビューを読むことを奨める。その上で、抄訳された本文を読むと、本書が単なる柔道の実技解説本ではないことが実感されるはずだ。柔道の歴史に始り、道着についての解説、礼に始って礼に終わる心など、本格的な柔道入門書になっているのだ。

 過度の競技スポーツ化により、「勝ちさえすればいい」という堕落が目に余る昨今の国際柔道界であるが、本書のような日本武道の精神面にまで踏み込んだ柔道書で指導されたロシア柔道界は、数少ない希望といえるかもない。

 また、であるからこそ、プーチンという政治家は侮れないのである。柔道を通じての人格陶冶、これは決して古臭い考えでも何でもない。プーチンは「大切なことはすべて柔道から学んだ」と述懐している。私自身、合気道を通じて同様な感想を抱いているので大いに共感できるものがある。

 2003年に行われた小林和男氏によるインタビュー後記にこうある。

「報道官はますます私たちを急かす。それもそのはずだった。私の後には中国の胡錦濤総書記が初めてのロシア公式訪問でプーチン大統領と会談する予定になっていたのだ。中国との首脳会談の時間を押してまで柔道の話を続けるプーチン大統領の柔道への思いは・・(以下略)・・」。

 この文章にすべてが言い尽くされているといえよう。



*この書評は下記のインターネット書店サイトに投稿、すでに掲載済みです。

■bk1掲載:「やっと日本語版がでたか・・」(2009/05/19 掲載)
■amazon 掲載: 「やっと日本語版がでたか・・」(2009/05/20 掲載)