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2010年1月4日月曜日

「龍馬精神」(ロンマー・チンシャン)






 2010年度のNHK大河ドラマは「龍馬伝」。主役はいうまでもなく坂本龍馬である。

 昨日(1月3日)放映の初回からいきなり楽しませてくれた。福山雅治の龍馬はハマリ役といってよい。福山雅治は、すでに龍馬に成りきっている。

 原作は存在しないドラマだということだが、それまたよいことだ。いいかげん司馬遼太郎はウンザリだからね。正月だし食傷気味だ。

 今度の「龍馬伝」は、幕末土佐藩の閉塞状況から脱したいという「人間」たちの物語だから、同じように閉塞状況にある現代日本にはうってつけのテーマだろう。初回の視聴率23.2%というのもうなづける話だ。

 身分制度の存在した当時、武士身分のなかにすら、上士(じょうし)下士(かし)という身分差別が存在した土佐藩。TVを見ていた私も、思わず下士たちに感情移入しているのを覚えたくらいだ。もっと若い頃の自分だったら絶対に血気にはやっているところ。龍馬はなんて大人なんだろうか、と思ってしまう。

 来週からの放送が楽しみである。


 ところでこの「龍馬」というのは何だろうか? 読んで字のごとく龍と馬であるが、この組み合わせは、あまり日本的な響きではない。

 『漢字源』(藤堂明保/松本 昭/竹田 晃=編、学習研究社、1993)で調べてみると、もともとの意味は次のようだ。ただし、竜の字は龍に変えてある。

龍馬】リュウバ・リョウバ  
 ①昔、伏羲(ふくぎ)のとき、黄河から八卦(はっか)図を背にしてあらわれ出たという神馬。 
 ②「竜駒」と同じ。 
 ③年老いて壮健な人のたとえ。

龍駒】リュウク・リョウク  
 ①走ることがはやいすぐれた馬。『竜種リュウシュ・リョウシュ・竜駿リュウシュン・リョウシュン・竜孫リュウソン・リョウソン・竜馬リュウバ・リョウバ』 
 ②幼いときから聡明な少年。

 つまるところ、龍馬というのは、もともとは中国神話での縁起物の神馬だ、ということだ。


 華人世界では「龍馬精神」という四字熟語がよく使われる。

 私も、よく知らない頃は、日本人・坂本龍馬の精神をなぜ華人が?、と思ったのだが、これは無知蒙昧もいいところで、龍馬は華人世界が本家本元なのであったことは、漢和辞典にもあるとおりなのだ。

 「龍馬精神(longma jingshen:ロンマー・チンシャン)とは、"vigorous spirit in old age".ということ、つまり「年老いても壮健な精神」を称揚する表現なのである。



 「龍馬精神」(longma jingshen)という歌がある。YouTube にアップされているので聴いてみよう。

 どちらかというと、華人世界の旧正月である春節(CNY:Chinese Nerw Year)がらみの縁起物の歌謡である。おめでたい歌なのだ。チャイヨーと合いの手が入っている。

 王雪晶という少女歌手が歌っているが、ネットで調べたところ、2001年から2005年まで活動していた M-Girls(四个女生)という、マレーシア華人の美少女アイドルグループのようだ。公式サイトがある(・・音声が大きいので注意!)

 現在では、春節用の歌をリリースするのみだというが、なんせ華人向けマーケットは世界全体にまたがっているから、規模が大きいからねえ。ちなみに、冒頭に掲載した「龍馬精神」の写真は、マレーシアのマラッカで撮影したものである。二枚目の写真はバンコクで撮影。

 東南アジア以外の華人世界でも同様なのだろうか?
 
 ちなみに本年2010年の春節は2月14日(日)、太陰暦を使用するので毎年変わってくる。話題としてはちょっと早すぎたかも知れないが、ご参考まで。

 若い人だけでなく、お年を召された方こそ大いに「龍馬精神」を発揮していただきたいものですね。

 新春の言祝ぎ(ことほぎ)とさせていただきます。

                   

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『新版 河童駒引考-比較民族学的研究-』(石田英一郎、岩波文庫、1994)は、日本人がユーラシア視点でものを見るための視野を提供してくれる本
・・中国の「龍馬」伝説について。十二支では龍のつぎが馬。巳年の蛇をはさんで連続してます。水神である龍と馬との関係には深いものがあるこおとがこの本にくわしく書かれています

『龍と蛇<ナーガ>-権威の象徴と豊かな水の神-』(那谷敏郎、大村次郷=写真、集英社、2000)-龍も蛇もじつは同じナーガである

(2014年1月6日 情報追加 ただし本文に手は入れていない)




(2012年7月3日発売の拙著です)





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