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2010年7月30日金曜日

『つぶやき進化論- 「140字」が Google を超える! -』( エリック・クォルマン、竹村詠美 / 原田卓訳、イースト・プレス、2009)をレビューする




 2010年7月29日日発売の『つぶやき進化論- 「140字」が Google を超える! -』( エリック クォルマン、竹村詠美/原田卓訳、イースト・プレス、2009)を読む機会に恵まれたので紹介しておきたい。

 なお、R+(レビュープラス)様のご厚意として、出版直前の単行本を PDFファイルで読ませていただいたことを記しておく。





「「140字」が Google を超える!」??

 いま現在の日本で、「140字」が何を意味するのかわからないビジネスパーソンは、さすがにそう多くはないだろう。もちろんビジネスパーソン以外でも、「ツイッタ-」が何を意味するかぐらいは知らないことはないだろう。

 ただテレビを見ていると、アナウンサーは「ツイッター」(Twitter)のことを、ミニブログだとか、簡易版のブログと紹介していることが多いが、それは正確な理解とはいい難い。
 もしかすると、実際にツイッターなり、ブログを読んだり、書いたりして日常的に接している者でも、それぞれのメディアの違いや本質については、あまり考えたことはないかもしれないのではないだろうか。

 本書は、昨年2009年8月に米国で出版された Erik Qualman, Socialnomics: How Social Media Transforms the Way We Live and Do Business, Wiley, 2009. の日本語訳である。

 日本語に直訳すれば、『ソーシャルノミックス-ソーシャルメディアがわれわれの生き方とビジネスのやり方をどう変えつつあるか-』とでもなろうか。
 ソーシャルノミックス(Socail-nomics)は、著者の造語だろう。ソ-シャルメディアが主導する経済という意味だと思われる。

 ここでいうソーシャルメディア(SNS)とは、ツイッターやブログ、そしてフェースブックなどの、個人が実名で発信することが可能な(・・ツイッターやブログは実名でなくても構わない)メディアの総称である。
 日本では「ツイッター」がまだまだ旬だから、また米国にも劣らず活気のあるメディアとなっているので、日本語タイトルが、「140字」が Google を超える! なんてものになったのだろう。


この本の内容

 本書に書いてある内容は、ツイッター(Twitter)やフェースブック(Facebook)を日常的に使用し、その世界にある程度まで浸かっている人間なら、それほど目新しいものではない。

 下手な要約をするよりも、実際に読み物として目を通すのが一番だ。
 とりあえず、目次だけでも見ておこうか。

目 次

はじめに 「みんなの経済」(ソーシャルノミックス)の時代がやってきた
1章 クチコミは世界をかけめぐる!(*注)
2章 Twitter 上は360度「ガラス張り」
3章 Twitter の中の「自慢したがり」な面々
4章 「ソーシャルメディアが大統領にした」男
5章 「みんなのメディア」は“みんなの迷い”を吸い込んで成長する!
6章 「自分以外のもの」になれない時代
7章 「140文字」の世界で覇者たるには?
8章 「みんなの経済」時代の消費者は「ガラスの家」に住む(** 注)
訳者あとがき いまこそ個人の「資力(resourcefulnes)」を高めるべきとき

(*注 英語原文では、 Word-Of-Mouth(WOM:クチコミ)と World-Of-Mouth をかけたダジャレになっている) 
(**注 英語原文は、"Glass House Generation"としている。「温室世代」というと日本語では違うニュアンスをもってしまうので、やはり「ガラス張りの家」が適当か)


 本書の内容は一言で言ってしまえば、本文にもあるように、「フツーの人が主役の経済」が、「ソーシャルノミックス」だということだ。
 組織内の階層構造のなかではなく、年齢の上下関係でもなく、個人個人のそれぞれフラットな水平な関係によって成り立つのがソーシャルメディア(SNS)の世界。
 実名が基本であるから、リアルな世界を反映しているものの、リアル世界そのものではない。
 ソーシャルメディア世界のなかでの振る舞いや作法は、当然のことながら存在する。ネガティブな情報は外にださない、ポートレートの写真は慎重に選択する、などなど。
 
 1970年代後半から1990年代後半に生まれた世代のことを、米国では「ミレニアム世代」(Millennials)というが、幼児期からデジタルライフを送ってきた彼らにとって、ソーシャルメディア(SNS)は、水や空気のように自然なものだろう。

 たとえば、メールでのコミュニケーションではなく、SNS上でコミュニケーションを行うこと。それも公開上でやってしまうこともある。
 これは私自身もツイッターやフェースブック上ですでに行っていることなので、特に奇異な印象は受けない。やりとりを公開することで、対話者以外にも対話に参加する機会を作り出すことができるわけだ。これはリアル世界での雑談にも似ている。クチははさまなくても、耳をそばだてる人はいるだろうというのと同じことだ。

 しかし、ミレニアム世代より上の世代にとっては、なかなか理解しがたいものがあるかもしれない。おそらくアタマで考えるだけで、体感できないからだろう。もちろん私も「ミレニアム世界」よりはるかに上の世代なので、ソ-シャルメディアに触れ始めた頃は抵抗がなかったわけではない。
 たとえアタマで理解できたとしても、ココロが納得しないということだ。

 でももうこの流れは止まることはない。
 慣れるしか仕方ないのだ。いつの時代でも新しいメディアが現れたとき、抵抗する者はかならずでてくる。しかし、いったん流れができてしまえば、もはや抵抗は不可能となる。
 そうであるなら、流れに跳び込んでしまった方がいい。あとは溺れないように泳ぎ切れば、自然と泳ぎ方が身についているはずだ。

 まずは、本書のような良質なビジネスノンフィクションを読んで、イマジネーションを働かせることが重要だろう。


「140字」をめぐる日本語状況と英語状況の違い

 ただし、本書のような英語のビジネスノンフィクションの翻訳本について思うことがある。

 米国の先進事情はわかった。でも「ツイッター」と 「Twitter」 は同じではないのではないかという疑問だ。「つぶやき」と「さえずり」の違いといっていいかもしれない。Twitter の本来の意味は、小鳥の「さえずり」のことだ。
 実際に日本語でツイッターを使っている人は気がついていると思うが、日本語と英語とではツイッターのもつ意味あいに、かなりの違いがあるのではないだろうかということだ。

 「140字」のもつ情報量が、日本語と英語とでは大幅に違うのだ。日本語は漢字と平仮名と片仮名の併用が基本なので一般的に情報量は多い。試験問題でも通常100字から200字以内にまとめよ、というのを経験しているはずなので理解はできるはずだ。 
 「英語の140字」というのは、単語を構成するする文字数と字間をすべてあわせて140字ということなので、思ったよりも書き込めないので情報量は少ない。実際に英語の Twitter をみていると内容的には薄いものが多い。
 ウェブサイトやブログのアドレスを短縮化して文字数を減らすツールはあるのだが、それでも英語だとあまり書き込めないのである。

 日本語でツイッターやっている人と、英語で Twitter やっている人とは、だから必ずしも同じ状況ではないといういうことだ。 
 むしろ、俳句や短歌など短い字数で深い内容を表現する文学形式に慣れてきた日本人が、ツイッターにはまったのは当然といえば当然というべきだろう。情報発信の欲求が、140字にジャストミートしてしまったということなのだろう。
 ある意味では、日本人はツイッターの使い方にかんしては、米国人とは違う可能性を見いだしつつあるのかもしれない。


なぜ米国では本格的で、良質なビジネスノンフィクションが量産されるのか・・・(ため息)

 それはさておき、米国では多数出版される本格的で良質なビジネスノンフィクション、なぜ日本ではこの手の内容のあるビジネスノンフィクション作家の層が厚くないのだろうか。

 こういう観点を踏まえたうえで、日本発の「ソーシャルメディアが社会を変える」という内容のビジネスノンフィクション(・・ビジネス書ではない!)が、続々とでてくることを期待したい。





<関連サイト>

「つぶやき進化論」著者エリック・クォルマンからのメッセージ(英語 日本語字幕つき)YouTube動画

ソーシャルメディア 革命2 (Social Media Revolution 2 日本語版) YouTube動画
・・本は読まなくても、この動画だけでも見ておいたほうがいい。ちょっと音楽がうるさいかもしれないが。