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2010年8月29日日曜日

猛暑の夏の自然観察 (2) ノラネコの生態 (2010年8月の記録)




ノラネコに思う

 暑い日の夕方、クロネコの母ネコが、キジトラネコの子ネコに、寝そべりながら授乳していた。のどかというか、警戒心のまったくない状態というか。私がいま住んでいる建物のすぐ近くに、夕方になるとかならず出現する二匹組のノラネコである。
 キジトラネコは、なんだかリスか、瓜子(ウリコ)のような縞模様。イノシシの子供の瓜子みたいだ。母ネコが真っ黒けなので、余計コントラストがはっきりしている。

 先日、「子猫のノラネコがいる。なんでこんなちっちゃな子猫が一匹だけでいるのか。ねこちゃん、母親とはぐれたのかい?」なんて思ってたら、実は模様違いの母子として行動していたのだった。
 「ああ、それなら安心だ」という気持ちとともに、この組み合わせは実の親子なんだろうかと思ってしまった。




 ノラネコであっても、子ネコはかわいい。
 4頭身のカラダが、子ネコらしさいっぱいで、実にかわいいのだ。





 子ネコは、歩き方にもまだ敏捷さがないので、ヒョコヒョコ歩きである。まだまだ筋肉が発達していない。
 芝生のなかによこたわる子ネコは、サファリパークのライオンのようだ。弱そうだが、たくましい。なんせ、生まれてからずっと屋外で生きてきたのだから、たくましくて当然なのだ。





 あまりもの色違いに、まさか母子だとは思っていなかった。
 ネコの場合、捨てネコなどの孤児の子ネコが不憫だからオッパイ飲ませてあげるなんて、母性愛のある(?)メスネコは存在しないと思うので、おそらく間違いなく母子なのだろう。でも、もしかしたら・・・

 子ネコのほうは、まだ乳離れできていないから、生まれてから2ヶ月はたっていないのだろう。ネコにとって、永遠に慕うべき存在は、いうまでもなく母ネコの面影である。これはオスネコだろうメスネコだろうと変わらない。

 この二匹は、いつもつかず離れず、ほぼ一緒に行動している。
 母一匹子一匹。子猫が一匹だけというのは珍しいような気がする。

 同時に生まれたハズの子ネコたちは、生まれてからすぐに母ネコに食べられてしまったのか、あるいはカラスに持ち去られたのか、途中で衰弱して死んでしまったのか・・。ノラネコの世界で起こっていることは、人間にはよくわからない。

 なんせネコの死骸というのは、不幸にも交通事故でクルマにはねられたものぐらいしか目にすることがないからだ。子ネコは動作が敏捷でないので事故に遭遇する確率も高いだろう。

 私は、ノラネコにはエサはやらない、餌付けも絶対にしない。
 集合住宅では、「ネコにエサをやらないでください」という立て札がある。

 別に禁止されていなくても、ノラネコにはエサをやるべきではないと私は考えている。
 なぜなら、ノラネコは「野生動物」(・・"準"野生動物くらいか)、生き抜けるかどうかはネコ次第。自分でエサをとる術をいもたないノラネコは生きのびることができないのは、自然の掟だからだ。
 エサを獲るチカラが衰え、カラダが弱ったら、間違いなくカラスやトンビなどの肉食鳥の"航空部隊"の餌食になる。これが自然界の掟だ。だから、ノラネコの死骸をみることはほとんどないのだろう。死に場所を求めて、こうした肉食鳥の目につきにくい場所に身を潜めるらしいが。

 逆にいえば、ノラネコは小鳥を狙っているし、ネコは本質的に肉食獣なのだ。子供時代以来、ネズミを加えたノラネコは目撃したことがないのだが・・・。

 ノラネコは、イエネコが野生化したものなので、種としてはイエネコと同じだ。
 だが、生活環境がまったく異なるので、飼い猫に比べて寿命が著しく短いようだ。ノラネコの寿命は、せいぜい 4~5年らしい。去勢手術もしないから、基本的に発情期も一年に1~2回(?)だけ。まあこれが、本来の野生動物としてのライフサイクルなのだろう。


ノラネコの生態をフィールドワークする

 やはり面白いことにノラネコの観察を動物生態学として学問としてフールドワークしている研究者が存在するのだ。
 
 子供向きにやさしく書かれた本が2冊入手できる。

『ノラネコの研究-たくさんのふしぎ傑作集-』(伊澤雅子=文、平出 衛=絵、福音館書店、1991)
『わたしのノラネコ研究』(山根明弘、さえら書房、2007)

 この二人は先輩後輩の関係にあり、時間的に前後しているが、同じフィールドでノラネコの生態を研究している。フィールドは福岡県の漁村・・島。全部で200匹くらいノラネコがいるという。
 前者はノラネコの一日の記録を絵本にしたもの、後者は研究を引き継いで、生態学のフィールドワークさらに遺伝子分析を合体させたもの。

 さすが、日本の動物学は、今西錦司に始まる独創的な研究を積み重ねてきた。
 たとえば、「サル学」などは、世界に誇る、日本発の学問である。なんせ、観察対象であるニホンザルはそこら中に住んでいるし(・・最近では市街地に現れては悪さをするもののすくなくない)、「個体識別法」というメソッドによって、サルを一匹一匹ごとに識別して観察するノウハウを確立したことが大きいのだ。
 これは、『高崎山のサル』(伊谷純一郎、講談社学術文庫、2010)という本に詳しく書いてある。大学時代に読んで実に面白いと思った本だ。動物園のサル山の観察も実に面白い。

ノラネコの研究にあたっては、同じく「個体識別法」が採用されているが、ネコはサルに比べると、格段に個体識別は容易である。なんせブチの模様はネコさまざま、素人の私でもネコを一匹一匹ごとに識別するのは簡単だ。

 こうして得られたネコの観察の結果については、ぜひ上掲の二冊をご覧になっていただくのがよい。
 ネコの一日を追跡した伊澤雅子の本は絵本としてもすごく面白いし、ネコの行動範囲と繁殖について調べた山根明弘の本も非常に面白い。
 ネコの行動範囲はけっこう広く、しかしいつも同じ時間帯に同じ場所に出現するのは、行動範囲が決まっているからで、いっけん気まぐれなノラネコの行動も、実はパターン化されたものであることがわかる。

 すごく重要なアドバイスが伊澤雅子の本に書かれている。
 それは、ノラネコとは目をあわせるな(!)ということでる。ノラネコは、ノラネコどうしでも目をあわせないようにしているらしい、なんだか「ガン」をつけるのも、「ガン」を飛ばされるのも、極度にいやがっているようでおかしい。
 そして、ノラネコは上から見下ろされるのを極度にいやがると。自分が上から見下ろすのはいいらしい。ガンを飛ばされたり、上から目線で見られるのが極度にイヤだというノラネコの習性、知ってみると実に興味深い。
 私も授乳中のまっくろ母ネコから、ものすごい形相で睨まれている。

 ノラネコがどういう行動をしているか地道に追跡して調査する姿勢、最近は東京でもタヌキなどが生息しているようだが、なんといってもノラネコほど豊富に存在して、容易に観察できる野生動物はいない。

 身近な動物も、こういう観点からあらためて観察してみると、実に面白いものだ。

 今年はもう遅いが、来年あたり、「子供の夏休みの宿題」のテーマとして面白いかもしれない。


ノラネコと人間の関係

 ノラネコにはノラネコなりの行動論理があり、人間が勝手に感情移入しても、ノラネコの行動論理はいっさいゆるがない。
 これはカイネコ(飼い猫)でも似たようなものだろう。

 ネコにはネコの世界があり、ネコにはネコなりの行動論理がある。
 ネコが考えているのは、ヒトが考えるのと同じことではないのは当たり前といえば、当たり前だ。

 「ヒューマニズム」(humanism)とは「人間中心主義」のことだが、ネコの立場からすれば「キャッティズム」(catism ?)あるいは「アニマリズム」(animalism ?)となろうか。ネコは、あくまでもネコ中心にものを捉えている

 人間との関係でいえば、そりゃあ、ただでエサくれれば、エサを探す苦労がなくなるのでネコの立場からすればラクにはなるが、だからといって人間の勝手な思い込みはネコにはまったく通用しないし、ネコには関係がない。
 
 ノラネコがかわいいとか、かわいそうだとか、あるいは逆に邪魔だとか、そういう観点はいろいろあろう。
 ただし、ネコをいじめるのは論外、人間のすることではない! 
 とはいえ、人為的にノラネコを増やすことになる捨て猫にかんしては、私は捨て猫には賛成ではないので、飼うなら去勢手術すべしといっておきたい。

 ノラネコはノラネコのままほっておくべし(let them be)、絶対に餌付けするなかれ、といっておきたいのは、先にも書いたように、エサを獲れなくなったらノラネコは死ぬのが自然界の掟だからである。



 通りすがりのノーブルな(=高貴な)ネコが、カメラを向ける私を一瞥(いちべつ)して、ゆっくりとした歩みで去っていった。
 ヒョウのようにしなやかで、見事な毛並みと長い脚をもったこのネコは、どこかの家の飼い猫かもしれないが、首輪もなにもつけていない。このネコの目つきからみて、ノラネコっぽいと私は思ったのだが・・・

 このネコからすれば、私はいったいどのような存在として認識されているのだろうか? こういうことにかんしては、擬人化しても意味はない。ネコがネコとしていかなる認識をもっているのかについて、関心があるのだ。

 この件については、次回の 猛暑の夏の自然観察 (3) 身近な生物を観察する動物行動学-ユクスキュルの「環世界」(Umwelt) で考えてみたい。


<読書案内>

『ノラネコの研究-たくさんのふしぎ傑作集-』(伊澤雅子=文、平出 衛=絵、福音館書店、1991)



『わたしのノラネコ研究』(山根明弘、さえら書房、2007)





<関連サイト>

炸裂するキャッツ・ファイト!オスネコどうしのガチンコ対決
・・これはわたし自身が近所で撮影に成功した「キャッツ・ファイト」の動画(1分55秒)。とにかくすさまじのでご覧あれ!(YouTube アップロード: 2011年6月4日)



荒野の決闘! 野良猫対決 オスネコの戦い 【冬枯れの荒野編】

野良猫『白昼の決闘』(1/2) 因縁の対決・・・オス猫バトル再燃!
・・私は眠気覚ましにこの YouTube映像をときどき見る。間合いを取りながら威嚇しあう二匹の雄猫、そしてついに炸裂するキャッツ・ファイトのすさまじさ。「その2」のネコの巴投げがスゴイ。ネコは本質的に猛獣なのだ!

猫バトルcats fight 
 取っ組み合いのすえ、絡み合ったまま屋根から落ちる二匹のネコ。その後どうなったのか?


<ブログにゃい関連記事>

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猛暑の夏の自然観察 (1) セミの生態 (2010年8月の記録)







(2012年7月3日発売の拙著です)








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