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2013年6月16日日曜日

「生誕100周年記念 中原淳一展」(横浜そごう)にいってきた(2013年6月15日)-「装う、暮らす、生きる。すべてに "美" を求めた芸術家」


「生誕100周年記念 中原淳一展」(横浜そごう)にういってきました。

生誕100周年でかつ没後20年。中原淳一(1913~1983)は雑誌編集からファッションデザイナーにとどまらずマルチな才能を発揮した芸術家です。

百貨店の企画展ではなく巡回展であるようですが、この展覧会は百貨店にはふさわしい。なぜなら、中原淳一は「芸術のための芸術」ではなく、日本の少女たちに、外面も内面も美しくなってほしい思いを貫いて生きた人だったからです。

中原淳一作品を販売する「ひまわり屋」のサイトにはこうあります。

生誕100周年記念 中原淳一展 (朝日新聞社主催) 中原淳一生誕100年を記念し、原画を中心に雑誌や付録など約400点を展示。 中原淳一の軌跡を浮き彫りにします。 初公開となる「ひまわり」の表紙絵3点や、淳一を敬愛するファッション・デザイナー 丸山敬太さんによる豪華なドレスの再現などが話題を呼んでいます。

中原淳一は、いわゆる芸術家(アーチスト)というよりも、「美」の伝道者として職人(アルチザン)として一生にわたて手仕事をつづけた人です。

日本女性に与えた影響は圧倒的なものだといっていいでしょう。じっさい、この展覧会では、「かつての少女」とおぼしき高齢の女性たちが、思い思いの感想をくちにしながら展示物をみている姿を多く目にしました。圧倒的に女性比率の高い美術展です。

(チケット当日券)

『それいゆ』や『ひまわり』、そして『ジュニアそれいゆ』といった雑誌はスタイルブックでもあり、読者みずからがそのパタンにしたがって洋裁することも想定していたようです。

かつての日本の家庭にはミシンがありました。いまはもう家庭でミシンを踏む主婦は皆無に近いのではないかと思いますが、家庭にかならずミシンが一台はあった時代、中原淳一の提案するファッションは家で母親が娘のためにミシンを踏み、あるいは少女がみずからミシンを踏みという光景があったのでしょう。

「洋裁」という日本語も、すでに死語と化しているのかもしれません。洋裁は「お直し」という形で家庭の外に出て外部サービス化しているのが現状ですが。

(展示会カタログにマグネット2点)

フランスやパリがまだまだふつうの日本人からはあまりにも遠い世界であった頃、中原淳一がイラストレーションとともに提案したライフスタイルは日本の少女たちに夢を与えた存在でしたが、「装う、暮らす、生きる。すべてに "美" を求めた芸術家」といえば、「愛と美」を説き、中原淳一を絶賛している美輪明宏を引き合いにださなければならないでしょう。

人間にとってもっとも大事な価値といえば「真善美」となりますが、日本人にとってもっとも大事なのは「美」美という価値には外面的な美しさだけでなはく、内面的な美しさ、つまり倫理までが含まれるからです。

展示の最後にある著名人多数による「中原淳一賛」の数々。そのすべてをひとつひとつ読んでいくと、中原淳一が日本の一般大衆の夢をはぐくみ育てた近代(モダン)という時代の意味を感じ取ることができると思います。

中原淳一という存在があったからこそ、日本と日本人を代表する概念として「かわいい」がいまや世界的なものとなっているのではないだろうか、そんな気持にもなってきます。

現在からみれば「昭和レトロ」といった印象もある中原淳一のイラストレーション。竹久夢二の大正ロマンの作風の模倣から出発した中原淳一は、独自の世界をつくりあげることに成功しました。

この抒情性あふれるイラストレーションは、日本人にとってはどんなハイカルチャーよりもはるかに意味をもっているのではないかと思います。

(美術館に再現された中原淳一流にコーディネートしたモダンなお部屋)


モノのない時代に工夫することで人生を幸せにする方法を説いてやまなかった中原淳一は、低成長がつづいているいまのような時代にこそ、ふたたび顧みられるべき存在でしょう。

たとえ所得があがらなくても、人生を幸せにするのは、気持ちの持ち方とちょっとした工夫であるのだから。

最後に、中原淳一が『女の部屋』創刊号(1970年)に記した詩を引用しておきます。

もしこの世の中に、風にゆれる『』がなかったら
人の心はもっともっと、荒んでいたかもしれない。

もしこの世の中に『』がなかったら、
人々の人生観まで変わっていたかもしれない。

もしこの世の中に『信じる』ことがなかったら、
一日として安心してはいられない。

もしこの世の中に『思いやり』がなかったら、
淋しくて、とても生きてはいられない。

もしこの世の中に『小鳥』が歌わなかったら、
人は微笑むことを知らなかったかもしれない。

もしこの世の中に『音楽』がなかったら、
このけわしい現実から逃れられる時間がなかっただろう。

もしこの世の中に『』がなかったら、
人は美しい言葉も知らないまゝで死んでいくだろう。

もしこの世の中に『愛する心』がなかったら、
人間はだれもが孤独です。





PS. 美術展の会場でこんな本をみつけました。中原淳一ショップ「それいゆ」がそごう横浜店内に限定出店されています(美術館のすぐ前のスペース)。

『中原淳一の幸せな食卓-昭和を彩る料理と歳時記-』(中原淳一、集英社be文庫、2004) 昭和レトロでいい味だしてます。




中原淳一に大きな影響を受けた一人が美輪明宏。『愛と美の法則』(美輪明宏、PARCO出版、2009)の「第4章 マルチに生きる」で中原淳一との交友が取り上げられています。この本の表紙には中原淳一の「蝶々夫人」がつかわれています。




<関連サイト>

「生誕100周年記念 中原淳一展」(横浜そごう)
・・会期は、2013年7月15日まで。そごう横浜店6階。入場は午後8時まで。

中原淳一(Junichi Nakahara)OFFICIAL (フェイスブックページ)


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(2012年7月3日発売の拙著です)





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