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2015年2月26日木曜日

二・二六事件から79年(2015年2月26日)ー「格差問題」の観点から「いま」こそ振り返るべき青年将校たちの熱い思い

(丹生誠忠中尉の説明を聞く二・二六事件の反乱軍兵士 wikipediaより)

本日(2015年2月26日)は、二・二六事件から79年。関係者のなかで生存している者がほとんどいない現在、もはやテレビニュースでも取り上げられることがなくなって久しい。 
 
だが、格差問題が叫ばれる「いま」こそ、想起されるべき「事件」ではなかろうか。
  
1936年(昭和11年)当時、東北地方は冷害による不作と、朝鮮米流入による米価低下による経済的困窮状態のため、娘が身売りに出される(!)といった事態となり、そんな社会情勢に義憤を感じていた青年将校たちが、やむにやまれぬ気持ちから立ち上がったのである。
  
1936年当時は、2015年現在とは比べものにならないほど「格差問題」は酷かった。だからこそ、「格差問題」という観点から二・二六事件を振り返ってみる必要があるのではないかと思うのである。

もちろんクーデターや革命が望ましいものではない。青年将校たちにクーデター成功後の青写真があったわけでもない。基本的に軍事技術を扱う軍人は理工系であって、たとえ人文系の教養を備えていても、社会問題を解決するための社会学的素養を著しく欠いていたことは否定しようのない事実であった。

だが、「格差問題」を解決しなければこの国に未来はないという熱い思いがあったことに、おおいに共感を覚えるのである。

二・二六事件をおこした青年将校たちは、いわゆる「皇道派」であった。これと対比されるのが「統制派」であり、前者が国力の身の丈にあった「小国主義」をとるのに対し、後者は積極的な攻勢によって拡大路線を追求する「大国主義」であったというのは、右翼思想の研究者・片山杜秀氏である。

二・二六事件のクーデターが失敗に終わった結果、「統制派」が陸軍内の覇権を握ることになり、総力戦への道を突き進むこととなる。その結果は、あらためて言うまでもない。

だが、たいへん皮肉なことに戦争による国土と資産の徹底的破壊、戦後の財閥解体と農地改革によって富は平準化され、「格差問題」はいったん解消された。多大な犠牲を出したものの、敗戦によって国民みなが貧しくなった結果、猛烈なガンバリによる高度経済成長を可能としたのである。

「格差問題」を解消するために立ち上がった青年将校たちの思いは、かれらの意図するところとはまったく関係のない真逆の形で実現したことになる。

「禍福はあざなえる縄のごとし」という表現が日本語にはあるが、まことにもって「意図せざる結果」そのものだといえるかもしれない。

とはいえ、いまふたたび「格差問題」がテーマとなっているいまこそ、格差問題を解消したいという純粋な思いと動機をもった青年たちが存在したことは特記しておきたいのである。

その手段がクーデターや革命ではなく、べつの形であれば、なおよかったのであるが・・・。






<関連サイト>

青年日本の歌(昭和維新の歌)(YouTube)

映画「動乱」特報・劇場予告 (YouTube)
・・映画 『動乱』(1980年の日本映画)。2014年に亡くなった高倉健が主演






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書評 『未完のファシズム-「持たざる国」日本の運命-』(片山杜秀、新潮選書、2012)-陸軍軍人たちの合理的思考が行き着いた先の「逆説」とは


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