本日は、1997年8月31日のダイアナ元妃の悲劇的な事故死から20年目になる。
早いもので20年か。それにしてもダイアナ元妃の人気が衰えることはない。36歳という若さで亡くなったということもあろう。生きていれば56歳。そうか、自分とは同世代の人だったのだなあ、と。
神に愛された人は早死にし、永遠に生き続けることになる。若き日のイメージはそのまま固定化する。つい先日(2017年8月16日)、没後40年を迎えたエルヴィス・プレスリーも同様だ。
(TIME誌 1981年8月10日号 マイコレクションより)
おとぎ話のようなロイヤルウェディングの華やかさ。それとはあまりにも対照的な人生の真実の数々。離婚前からすでにさまざまな憶測やスクープ合戦の対象となっていたが、真相はいまだに完全にあきらかになったわけではない。暴露合戦は死後20年たったいまなお続いている。
ダイアナ元妃は、すでに「偉人伝」」の人である。
『ダイアナ-恵まれない人びとに手をさしのべたプリンセス- (小学館版 学習まんが人物館)』(石井美樹子=監修、いちかわ のり=マンガ、小学館、1998)という子ども向けの「学習マンガ」になっている。
晩年の対人地雷廃絶運動などの活動が、同時代人でおなじく1997年の9月5日に没したマザー・テレサと並んで、世界中の人びとを感動させたことも記憶に残っている。マザー・テレサは昨年(2016年)9月5日に列聖されて「コルコタの聖テレサ」となった。
悲劇的な事故死の翌年には、『ダイアナ死して、英国は蘇る』(多賀幹子、毎日新聞社、1998)という本も日本で出版されている。ダイアナが皇太子妃として英国に登場した1981年からその死までの16年間。ダイアナ以前と以後の英国王室も英国じたいも大きく変化し、この20年間でその大きな変化を消化してきた。
ダイアナ元妃には、若くして死んだ悲劇的な美しいプリンセスというイメージがある。それとは裏腹の膨大な量のスキャンダル報道。聖性と俗性。聖女と悪女。そんな二項対立が容易に思い浮かぶ。
マザー・テレサもじつは似たような存在であることは、知る人ぞ知る話である。 『マザー・テレサCEO-驚くべきリーダーシップの原則-』(ルーマ・ボース & ルー・ファウスト、近藤邦雄訳、集英社、2012)という本には、「天使に会うためなら悪魔とも取引しろ」というマザー・テレサのポリシーも紹介されている。毀誉褒貶(きよほうへん)あいなかばする、清濁併(せいだくあわ)せのむ人だったのだ。
ダイアナ元妃と同時代を生きてきた人間としていろいろ思うことがあるのだが、長々と書いても仕方ない。ここらへんで切り上げることとしよう。
<関連サイト>
なぜ故ダイアナ元妃は世界中を魅了したのか? 6枚の写真で振り返る(ハフィングポスト、2017年8月30日)
<ブログ内関連記事>
書評 『大英帝国の異端児たち(日経プレミアシリーズ)』(越智道雄、日本経済新聞出版社、2009)-文化多元主義の多民族国家・英国のダイナミズムのカギは何か?
スティーブ・ジョブズはすでに「偉人伝」の人になっていた!-日本の「学習まんが」の世界はじつに奥が深い
書評 『マザー・テレサCEO-驚くべきリーダーシップの原則-』(ルーマ・ボース & ルー・ファウスト、近藤邦雄訳、集英社、2012)-ミッション・ビジョン・バリューが重要だ!
アッシジのフランチェスコ (4) マザーテレサとインド
(2017年9月3日 情報追加)
(2023年11月25日発売の拙著です 画像をクリック!)
(2022年12月23日発売の拙著です 画像をクリック!)
(2022年6月24日発売の拙著です 画像をクリック!)
(2021年11月19日発売の拙著です 画像をクリック!)
(2021年10月22日発売の拙著です 画像をクリック!)
(2020年12月18日発売の拙著です 画像をクリック!)
(2012年7月3日発売の拙著です 画像をクリック!)
end