本日(2019年7月21日)は参院選の投票日だが、一部の熱狂的な動きを別にしたら、残念ながらいまいち盛り上がりに欠けるようだ。
日本では1945年(昭和20年)に「普通選挙権」が男女ともに認められてからすでに74年。「権利」というものは、それがあって当たり前のものになってしまうと、そのありがたみを感じることもなくなってしまう。
民主主義の先進国といえば英国だが、その英国においてすら女性参政権が実現したのは1928年である。おなじ年に、日本では、成年男子の普通選挙権が認められている。
英国における女性参政権運動の闘士たちを描いた映画『未来を花束にして』(原題:Suffragette、2012年、104分)を Prime Video にで初めて視聴した。歴史物のヒューマン・ドラマである。日本では2017年に公開されたようだが、つい最近までその存在を知らなかった。
映画の背景は、ロイド=ジョージ首相時代の1912年の英国。映画は、その100年を記念して製作されたものだ。
ミドルクラスの知識階層からワーキングクラスの労働者まで、階層横断的に運動に参加していたのが、戦闘的な女性参政権獲得運動「サフラジェット」(Suffragette*)。目的実現のためにはメディアで取り上げられることが重要であり、そのためには暴力も辞さないというのが特徴。
(右が運動の中心にいたパンクハースト Wikipediaより)
この映画を見ていると、つくづく「権利」というものは闘い取るものだと思うのである。「サフラジェット」たちのように暴力に訴えるのはどうかと思うのではあるが、運動の犠牲者(=殉教者)がでたことで、歴史が動いたことは否定しようのない事実なのである。
関心のある人には、見ることを勧めたい。
(*注)suffrage とは、参政権のこと。「普通選挙権」は universal suffrage となる。
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