「アタマの引き出し」は「雑学」ときわめて近い・・日本マクドナルド創業者・藤田田(ふじた・でん)に学ぶものとは?

◆「アタマの引き出し」つくりは "掛け算" だ : 「引き出し」 = Σ 「仕事」 × 「遊び」
◆酒は飲んでも飲まれるな! 本は読んでも読まれるな!◆ 
◆一に体験、二に読書、その体験を書いてみる、しゃべってみる!◆
◆「好きこそものの上手なれ!」◆

<旅先や出張先で本を読む。人を読む、モノを読む、自然を読む>
トについてのブログ
●「内向きバンザイ!」-「この国」日本こそ、もっとよく知ろう!●

■■ 「むかし富士山八号目の山小屋で働いていた」全5回 ■■
 総目次はここをクリック!
■■ 「成田山新勝寺 断食参籠(さんろう)修行(三泊四日)体験記 」全7回 ■■ 
 総目次はここをクリック!
■■ 「庄内平野と出羽三山への旅」 全12回+α - 「山伏修行体験塾」(二泊三日)を中心に ■■
 総目次はここをクリック!


「個」と「組織」のよい関係が元気をつくる!

「個」と「組織」のよい関係が元気をつくる!
ビジネス寄りでマネジメント関連の記事はこちら。その他の活動報告も。最新投稿は画像をクリック!



ご意見・ご感想・ご質問 ken@kensatoken.com にどうぞ。
お手数ですが、コピー&ペーストでお願いします。

© 2009~2024 禁無断転載!



2023年5月3日水曜日

ひさびさに「印刷博物館」の常設展示を見てきた(2023年5月2日)ー 2020年にリニューアルされていたことをはじめて知った

 
ひさびさに「印刷博物館」に行ってきた。印刷の歴史と現在を知るための民間ミュージアムである。

そもそもの目的は、増刷されたという情報をキャッチした2018年の企画展の図録『天文学と印刷』(2023年4月第3刷 定価3,080円)を購入するためである。

オンラインショップを利用して取り寄せても良かったのだが、せっかくの機会なのでひさびさに博物館に行ってみることにした。送料分くらいは回収できるだろう、と。

「ヴァチカン教皇庁図書館展Ⅱ-書物がひらくルネサンス-」(印刷博物館)を見に行って以来のことなので、8年ぶりの訪問ということになる。

この間に常設展示がリニューアルされていたことは、実際に入場料400円を払って入館してからはじめて知った。なんか違っているなと思っていたら、無料で配布されているガイドブックにはその旨が書かれていた。

(ガイドブックより)

全体的に日本の印刷の歴史が展示の中心になっている。当然といえば当然だろう。ガラスケースに入った各時代の印刷物(・・前近代のほとんどは木版だ)の展示と、その時代ごとの印刷をめぐる状況の解説。印刷技術だけでなく、社会背景について解説されている。

個人的な観想としては、もっと印刷技術そのものについての実物展示がほしかったと思う。

具体的にいえば、木版の版木と掘りの技術について、浮世絵多色刷りの説明だけでなく、絵入り本の版木の実物が展示されているのが望ましい。なぜなら、西洋の活版技術では、活字と画像は別個に制作されていたが、木版においては、文字も画像もいっしょに彫られていたからだ。

凸版印刷の企業ミュージアムという性格もあるだろうが、どうも活版印刷に重点が置かれすぎているような気がする。いつになるか知らないが、次回のリニューアルでは大いに検討してほしいところだ。

付け加えれば、おなじ東アジア世界における中国と朝鮮(+ベトナム)についても、展示を充実してほしいものだ。できれば、インドについても。

(ガイドブックより)

活版印刷の本家本元である西洋の印刷の歴史は、パネル展示中心になってしまったが、グーテンベルクはさることながら、印刷屋であったベンジャミン・フランクリンにかんする展示がないのが残念

また、なぜ前近代の文明をリードしたにもかかわらず、イスラーム世界では活版印刷が普及しなかったについての説明も欲しい。なぜ西洋世界が近代において突出したか、裏返しで知る機会になるからだ。


■2018年の企画展の図録『天文学と印刷』

さて、今回のミュージアム訪問のメインテーマであった、2018年の企画展の図録『天文学と印刷』だが、帰宅してじっくり眺めている。

(左は紙箱。右が本体)

これは素晴らしい! 読みであり! 造本の形態もまた面白い。背表紙のない、和綴じ本のようなバインディングで、紙質は堅いが開きやすいのが特徴だ。




そもそものテーマ設定じたいが意表をついているが、じつはきわめて的確なテーマ設定でありことが、冒頭に収録された当時館長であった歴史学者。樺山紘一氏の文章を読むとよく理解できる。

「天文学と印刷 それは15世紀に始まった」という巻頭論文である。

「反対物の一致」というフレーズで有名な神学者で枢機卿であった、ニコラウス・クザーヌスがこういう形で登場するとは! まさに、館長の樺山紘一氏のもとで実現した好企画というべきであろう。

この企画展のことは知らなかったので、図録が入手できただけでもうれしい。もちろん、企画展そのものを見たかったが、後の祭りである。だが、あまりにもよくできた図録なので、ときどき眺めては楽しみたい。


『天文学と印刷』
目 次
はじめに
天文学と印刷
学匠印刷家の系譜
古代宇宙観から近代宇宙観へ
資料解説
1 新たな世界の胎動
2 出版都市ニュルンベルク
3 1540sー図版がひらいた新たな学問
4 コペルニクスの後継者たち
5 日本における天文学と印刷
付録
英訳



<ブログ内関連記事>








(2023年11月25日発売の拙著です 画像をクリック!

(2022年12月23日発売の拙著です 画像をクリック!

(2022年6月24日発売の拙著です 画像をクリック!

(2021年11月19日発売の拙著です 画像をクリック!

(2021年10月22日発売の拙著です 画像をクリック!

 (2020年12月18日発売の拙著です 画像をクリック!

(2020年5月28日発売の拙著です 画像をクリック!

(2019年4月27日発売の拙著です 画像をクリック!

(2017年5月19日発売の拙著です 画像をクリック!

(2012年7月3日発売の拙著です 画像をクリック!


 



ケン・マネジメントのウェブサイトは

ご意見・ご感想・ご質問は  ken@kensatoken.com   にどうぞ。
お手数ですが、クリック&ペーストでお願いします。

禁無断転載!








end