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2009年11月20日金曜日

タイのあれこれ (14) タイのコーヒーとロイヤル・プロジェクト



(ロイヤルプロジェクトによるドイトン・コーヒー)

 コーヒーもタイで生産されているのである!

 前回のワインにつづき、意外なタイの産物について紹介しておきたい。

 コーヒー豆はご存じのとおり、世界中で栽培されているが、アフリカや南米のブラジルなどがもっとも有名な産地として知られている。

 コーヒー豆生産の世界一はブラジルであり、年間7,743千トン生産されている(2007年)。ここまでは常識の範囲内にある話のはずだ。
 ところが世界第2位となると、おそらく正確に解答することの出来るひとは限られるのではないだろうか。

 答えはベトナムで、年間生産量は1,060千トン、第3位のコロンビア(710千トン)、第4位のエチオピア(326千トン)をすら上回っているのである!この統計データは、『地理統計2009年版』(帝国書院、2009)から引用したものだから、もしかするとこの最新データは現役の高校生のほうが詳しいかもしれない。

 1985年の生産量がたった8千トンであったことを考えれば、ベトナムがコーヒー豆生産国であることは知られていなくても仕方がないかもしれない。

 ベトナムでは高地でアラビカ種などのコーヒー豆を生産しており、コーヒーはベトナム人の飲み物として定着している。ベトナムでは、ハノイなどの大都市にはベトナムコーヒー専門のカフェもあり、ベトナムコーヒーは日本でも飲めるので知られてきてはいる。しかし、ベトナムで生産されたコーヒー豆の大半は加工用として使用されるので、一般人の目に触れることはあまりないようだ。


 前振りが長くなったが、タイラオスでも、コーヒー豆が生産されていることは、さらに知られていない事実だろう。

 日本で業務用コーヒーを事業としている会社の社長とお話する機会があったが、社長さんがいうには総合商社をつうじて世界中からコーヒー豆を調達しているが、タイでコーヒー豆を生産しているとは知らなかった、と。それくらい、タイやラオスのコーヒーは知られざるコーヒーなのである。


 タイのコーヒーは、そうはいってもタイ国内ではかなり普及しているので、タイ在住者なら間違いなく知っているハズである。

 タイ国内の、コーヒー豆が生産の中心は、タイ北部の高地ドイトン(Doi Tung)である。これには理由がある。

(タイ北部のドイトン ヒマラヤのふもとはタイのスイス)

 もともとこの土地は、タイのスイスといわれるくらい季候がよく、たいへん過ごしやすい土地である。現国王ラーマ9世プーミポン国王の母親である王母殿下(Princess Mother)が、長く暮らしていたスイスのローザンヌにも似た、風光明媚なこの地を気に入って、タイにいるあいだはここに長く逗留されていたということだ。

 ところがこの地は、メコン川によってタイ・ラオス・ミャンマーの三カ国が国境を接する地に近く、いわゆる"ゴールデン・トライアングル"として、麻薬生産地としての悪名の高い土地でもあった。

 麻薬生産以外に生計を立てる道のない少数民族の農民たちに、麻薬以外の換金作物の栽培を推奨し、あわせて辺境地帯の治安維持もはかる、という観点からロイヤル・プロジェクト(Royal Project)として、コーヒー栽培が始められたのである。

 ロイヤル・プロジェクトとは、国王主導の開発プロジェクトのことで、王室財産や民間からの寄附によって調達した資金で、議会での議決を経ずにピンポイントで行われているものである。

 辺境地帯における麻薬問題や治安問題といった諸問題を解決するために始められた、コーヒー豆栽培を核にしたロイヤル・プロジェクトが功を奏し、タイはいまやコーヒー豆生産国となっているのである。



 有名なブランドには、ロイヤル・プロジェクトによるドイトン・コーヒー(Doi Tung)、それから北部タイを中心によくみるドイ・チャーン(Doi Chaang) がある。




味はいずれも問題なくうまい。高級ホテルの多くもタイ産のコーヒー豆を使用しているようだ。ドイトン・コーヒーの直営喫茶店が、バンコクのルンピニ・ナイトバザール内にもある。


 タイ、とくに北部のチェンラーイにいく機会があれば、ぜひドイトンまで足を伸ばして欲しいものだ。実に風光明媚な土地で。、ここがタイ(?)という感想を必ずもつことだろう。

 またバンコク市内のスーパーマーケットでも売っているので、珍しいお土産がほしい人はぜひタイのコーヒーをすすめる。

(スズキ・コーヒーは日系??)

またタイ国内で全面的にチェーン展開している Suzuki Coffee がある。Suzuki というネーミングから日本企業と思っている人が日本人にも多いようだが、どうやら"なんちゃって日系"企業、のようだ。

 バンコク市内ではスターバックスもチェーン展開しているが、正直いって値段は安くない。これは主に都市ミドルクラスに属するビジネスマン向けのものである。

(銀行店舗併設型のスタバ)

 このほか、タイ人自身によるコーヒー専門の喫茶店も流行しており、タイ人もコーヒーを飲むようになってきたのである。ライフスタイルの西洋化が一段と進んでいるのだ。

 タイのコーヒーは、コーヒー好きなら少なくとも一度は、実際に飲んで自分の舌でその味を確かめてほしいものだ。

          

* タイのあれこれ(15)につづく 次回は「タイのお茶」!


PS 写真を一枚増やし、写真にキャプションを加えた。 (2014年2月9日 記す)


<関連サイト>

このブログ記事を書いてからすでに4年以上たつが、日本でもドイトンコーヒーを取り扱う店が増えてきたようだ。 (2014年2月17日 記す)

ドイトンコーヒー | KALDIのコーヒー | カルディコーヒーファーム

タイでならどこでも買えるコーヒーなのだが・・・


<ブログ内関連記事>

『Sufficiency Economy: A New Philosophy in the Global World』(足を知る経済)は資本主義のオルタナティブか?-資本主義のオルタナティブ (2)

タイのあれこれ (15) タイのお茶と中国国民党の残党

タイのあれこれ (13) タイのワイン


「タイのあれこれ」 全26回+番外編 (随時増補中)                   
     


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