2011年3月24日木曜日
Cool Head but Warm Heart 「アタマはクールだが、ココロは暖かい」
経済学には Cool Head but Warm Heart (アタマはクールだが、ココロは暖かい)というコトバがあります。これは19世紀英国の経済学者アルフレッド・マーシャル(1842~1924)が遺した有名なコトバです。
ところで、こんな記事があることを、ツイッターでフォローしあっている方から教えていただきました。
「日本の真の色が光るように 外国メディアも混乱しまくった大惨事のその先で」(加藤祐子、2011年3月22日) http://news.goo.ne.jp/article/newsengw/world/newsengw-20110322-01.html?pageIndex=1 たいへん面白い内容なので、ぜひ一読することをお薦めします。
日本人のニュース編集者が、きわめて冷静に、英語による海外の 「日本関連情報」を、日本語で整理した文章です。
あたりまえのことですが、海外メディアによる報道がかならずしも「客観的」ではないことは、わたしたち日本人自身と日本そのものが取材対象となっているので、よく実感できることと思います。
あくまでも、記者個人が、取材対象の外側からみた、事実にかんする「主観」に過ぎないわけです。これは逆もまた然りですね。日本人が書いた海外情報も同じく、ある種の解釈の歪みが生じてしまうのは仕方ありません。
テレビや新聞だけでなく、ツイッターやフェイスブックなどSNS上に出回っている情報も、ときには疑ってみることも必要でしょう。
すべての記事について、「事実」と「解釈」(感想やコメント)の違いを十分に区分することです。たとえ、同じ「事実」をみていたとしても、その人のもつ情報量や知識量、さらには経験の豊富さの有無によって、「解釈」は大きく異なってきます。
Cool Head but Warm Heart (アタマはクールだが、ココロは暖かい」。
冷静な分析と、共感という暖かい思いやり。二律背反の印象をうけるこの2つのマインドセットは、ぜひ身につけたいものです。どちらが欠けても、現代に生きる知的人間としては失格といっても言い過ぎではないと思います。
今回の「東北関東大震災」と「原発事故」を、「地震列島に住む運命共同体の一員」としてかかわる以上、犠牲者と被災者の方々へのいたわりの気持ちとともに、「日本復興」のために専門能力をもって貢献することの必要を強く感じています。
たとえ一人のチカラは小さくても、一人一人の貢献が「日本復興」につながっていくのです。
<ブログ内関連記事>
「ログブック」をつける-「事実」と「感想」を区分する努力が日本人には必要だ・・どうやら、必要なのは日本人だけではないような
書評 『脳の可塑性と記憶』(塚原仲晃、岩波現代文庫、2010 単行本初版 1985)
・・「記録」されたものは、事実と感想が混同しているのが普通であり、その内容についてはきわめて主観的と」いわざるをえないだろう。
We're in the same boat. 「わたしたちは同じ船に乗っている」
・・4つのプレートがぶつかる「地震列島に住む運命共同体の一員」である日本人
(2012年7月3日発売の拙著です)
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