これをいま読んでいる全世界の「佐藤さん」、生まれながらの「佐藤さん」も、婚姻や養子縁組で「佐藤さん」になった方も、本日が「佐藤の日」であることをご存じですか?
3月10日を 3・10 と書いて、3(さ)10(とう)と読ませる、かなり強引な語呂合わせのような気がしますが、まあ、昨日3月9日も、一部では「サンキューの日」として特売などもやっていたようですからね(笑)。
ところで、日本全国の「佐藤さん」が、「佐藤」という名字であるというその一点だけで、迫害にあうという荒唐無稽な設定のホラー小説があります。
それは『リアル鬼ごっこ』(山田悠介、文芸社、2001)です。最初は自費出版本として刊行され、発行部数100万部を超える話題作となったものです。改訂新版が幻冬舎文庫から 2004年に出版されています。累計170万部を売ったベストセラー小説。2008年には映画化もされています。
内容は、「国王」が気まぐれから、「佐藤」という名字が多すぎるので数を減らせと命じることから始まる、不条理な状況を描いたホラー小説。とにかく迫害を逃れて生きのびるという、プロレスでいえばバトルロイヤルのような内容。単なる「鬼ごっこ」ではない、捕まれば殺されるという「リアル鬼ごっこ」。捕まらないように、ひたすら逃げて逃げる切迫感。
ある意味では、RPG(ロールプレイイングゲーム)のような小説なので、小説よりも、映画などの映像作品にしたほうがよりフィットしているでしょう。その意味では、よくできたエンターテインメントといってよい。
amazonレビューでは膨大な量の酷評(!)がなされてますが、なんといっても「佐藤」である私は、この小説は文庫版で、けっこう不条理を感じながら読んでしまいました。数年前のことです。この気持ちは、あなたが「佐藤さん」なら、きっとわかってもらえると思います(笑)。
『リアル鬼ごっこ』(山田悠介、文芸社、2001)は、170万部を売ったベストセラー、読んだ人のうち「佐藤さん」はどのくらいの割合になるのか、知りたい気もします。おそらく、ふだん本なんか読まないような「佐藤さん」がかなり読んだのではないでしょうか? 最初からマーケティングを意識してしていたような気も。
まあ、だからどうってこともないのですが、もしあなたが「佐藤さん」なら、ぜひ一度はこの不条理な状況を味わってみるといいと思いますよ。怖いもの見たさで・・・
なお、映画版は2010年に製作されています。私は、映画版はみていませんが・・
<関連サイト>
リアル鬼ごっこ (YouTubeトレーラー)
リアル鬼ごっこ 2(YouTubeトレーラー)
リアル鬼ごっこ 公式サイト (音声注意!)
リアル鬼ごっこ 2 公式サイト (音声注意!)
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